「建設的な完璧主義」と「防衛的な完璧主義」
「建設的な完璧主義」と「防衛的な完璧主義」
<前回からの続き>
前回お書きした様に、
一概に「完璧主義」と言っても、
自身や社会の成長・発展に繋がるもの
と
自身を苦しめてしまうもの
の2種類があると考えられます。
そしてそれは(大別すると)
「建設的な完璧主義」と「防衛的な完璧主義」
があるからだと思います。
例えば、
ダイエットに目覚め、同じように厳しい食事制限を自分に課してる
A子さんとB子さんという二人の女性が居るとします。
A子さんは元々ファッションに興味があって憧れるモデルさんが居て、
「私もあのモデルさんみたいになりたいな。まずはダイエットして
あの人が格好良く着こなしてるパンツがはける様になりたいなあ。」
と思って、
そのモデルさんのウエストサイズを目標にダイエットを始め、
そのパンツと似た柄・シルエットのものをネットで探し出し、
買い物かごに入れて
自分がそのパンツをはいている姿をいつもイメージしていました。
一方B子さんは、
高校生になって部活をやめてから「太った?」と
家族や友人から言われた事が気になってダイエットを決意しました。
食事は野菜のみで糖質や脂質を採らないものですから、
どんどん体重が落ちて行ってとうとう30㎏少しになってしまいました。
母親からも「あなた、やせ過ぎよ!これ以上食べないでいると
病気になっちゃうよ!」と言われても、
「まだ太ってる、もっと痩せなきゃ!」と食事制限をやめられず、
とうとう起きる事もできなくなり、”拒食症”と診断され
入院を余儀なくされました。
同じ様に完璧なスタイルを求めて完璧な食事制限をしている
A子さんとB子さんでは何が違うのでしょうか?
それは恐らく、
A子さんは、
自分に対するセルフイメージがそこまで否定的(マイナス)では無く
ダイエットによって付加価値(プラスα)を付けてゆく、
といった言わば「建設的な完璧主義」が働いていると考えられます。
ですから、
小さな目標でもそれが達成できれば自分に付加価値がプラスされるので、
そこまでダイエットにこだわり続ける必要も無い
のだと思います。
B子さんの場合は、
自分に対するセルフイメージが恐らく否定的(マイナス)で
他者からの攻撃を常に脅威と感じていて、
それに対する防衛としてダイエットを始めた
のだとすれば、「防衛的な完璧主義」と言えるでしょう。
もしそうであれば、
自分が測定不能なマイナスを背負い込んでいるとすれば、
そこにいくらプラスを積み重ねても”±ゼロ”には達する事ができない、
つまり自己肯定できない
でしょう。
そう感じている人にとっては、
「これだけ痩せたから攻撃されない」なんて保証はない訳ですから、
目標が見出せず「まだダメだ!もっと痩せなきゃ」等と
無限ループにはまり込んでしまうのでしょう。
(※こういった「防衛的な完璧主義」は、拒食以外にも、整形や仕事、
家事・育児、共依存、等様々な問題と絡んでいると思われます)
もし、そうであるなら
B子さんの様な「防衛的な完璧主義」で苦しんでいる人は
どうすれば良いのでしょうか?
次回からは、そのヒントをお書きしたいと思います。
<次回へ続く>