親を奴隷にする子供達~「暴君化」する子への対応のヒント下

親を奴隷にする子供達~「暴君化」する子への対応のヒント下

<前回からの続き>

今回は
「暴君化する子への対応のヒント」「④」~「⑥」をお書きします。




<暴君化する子への対応のヒント>

④安全基地を子供自身の中に作る(内在化)


(1)子供にとっての理想のお母さんを書き出させせる

「優ちゃんにとっての理想のママを紙に書いてみて! 特に
・思い通りにならなかった時にどんな言葉を掛けて欲しい?どうして欲しい?
・頑張った時にはどんな言葉を掛けて欲しい?どうして欲しい?
・寂しい時は?悲しい時は?辛い時は?悔しい時は?ムカついた時は?
・・・
 それを順番に全部思った通りに書いてみて!」


(2)子供の中に”理想のお母さん”を作らせる

(ノートを用意して「優ちゃんママとの交換日記」等と表題を書かせ)
・「ノートの左側に、優ちゃんの今の悩みや苦しい事、頑張った事を
  書いてみて!」

・「書けたら、ノートの右側に、優ちゃんの理想の”優ちゃんママ”に
  なったとして、
  左側の子供の優ちゃんの悩み・苦しみを和らげる言葉を書いてみて!
  頑張った事やできた事にも褒めたり、一緒に喜んだり、
  励ましを書いてあげてね!」

※親御さんがまず「見本」を書いてあげて、あとはお子さんがそれを
 一人でできる様に習慣化できる方向へ導く事ができれば最高です。

※この「内的対話」ができる様になると自分を客観視する能力や
 親モデルの内在化が進み、自立の方向へ向かう事が期待できます。

⑤こだわりの強さ(白黒思考)を緩和する

「④」が習慣化され(脳の神経回路が強化・形成される)、
自分の客観視が可能になれば、「自分」対「相手」の内的対話
に移りましょう。

「春菜、この前の英検、”周りの子の殆どが受かったのに、
 あれだけ勉強頑張った私だけ何で落ちんのよ!”ってムカついてたよね!
 良かったら、左側に春菜の言い分を書いて、右側にクラスメイトや出題者に
 なったとしてその人達の言い分も書いてみない?」

→(春菜が書いた右側)
「私だって陰でメッチャ勉強頑張ったのよ!」
「私はポイントを抑えて勉強するコツを身に着けてるから」
「我々は努力や頑張りはわからないので、点数によってしか判断できない
 んだよ」等々。

⑥環境調整への働きかけ・スキルアップ

もしお子さんがコミュニケーション等の対人交流や(感覚過敏等で)
集団の場が苦手であったり、不安から(思い込みの激しさによって)
「きっと私の事をみんな嫌ってるに違いない」等の被害妄想的な思考で
苦しんでおられるのであれば、

学校や職場へ働きかけて「環境調整」を図ってもらったり、
療育SST(ソーシャルスキルトレーニング)、
アサーション(自己主張訓練)等も必要な場合もありますし、

妄想様の不安や強迫的な不安が強い場合は
カウンセリングを受けられた方が良いと思います。

そして親御さんとしては、お子さんの類まれなる「こだわり」
「集中力」「執着」を親から(お子さんが望みお子さんが自立できる)
別の方向へベクトルを向ける事へと導く事ができれば、
今は未だ見えない素晴らしいお子さんの未来がきっと待っている筈です。




以上、暴君化した子供によって奴隷の様になってしまった親御さん
の苦しみを少しでも和らげるヒントをお書きしてきましたが、
お独りでは難しい場合は、まずは親御さんだけでもお気軽にご相談下さい。