何故少年少女は大志を抱けなくなったのか?(2)
何故少年少女は大志を抱けなくなったのか?(2)
<前回からの続き>
前回、
「内臓感覚(広い意味では内受容感覚)が全ての快/不快
といった欲求の根底にあると考えられる。
ところが何らかの理由で、
この内臓感覚がうまく機能しなくなった人の場合は、
”自分にとって何が快か?不快か?”がわからなくなるので、
当然、自分の望みや志、夢などを描く事は不可能になる」
とお書きしました。
それでは、そういった
「内臓感覚(内受容感覚)の機能不全」は何故起きるのでしょうか?
今回は、その考えられる原因について推測してみたいと思います。
<内臓感覚(内受容感覚)の機能不全の原因>
①トラウマ(発達性・複雑性等)によるもの
幼少期の身体的・性的・精神的な虐待やネグレクト等によって、
継続的なトラウマを受け続け、
所謂「複雑性PTSD」や「発達性トラウマ障害」
等とカテゴライズされる状態になってしまった人は、
その過酷な環境を抜け出した後でも、
長期的に「闘争・逃走・凍り付き」状態が続くでしょう。
そして、それは譬えて言うと
「いつ敵が襲って来るかわからない戦場に居る様なもの」
ですので、必然、内臓感覚や神経系、脳、身体といった資源は、
防衛反応に使われる事になり、
快/不快、特に快(自身の欲求)に廻す資源は残っていない
と考えられます。
だって、
戦場の中に取り残されて、爆弾や銃撃の雨が降っている中で、
「お腹空いたなあ。焼肉食べたいな」なんて思う余裕も無いでしょうし、
まして「将来、何になろうかな?」なんて考える事も無理でしょう。
②敏感な人が継続的に欲求を抑圧し続けた
幼少期に、例えば
苦労して働いてるシングルマザーの母親を見て、
「お母さんを助けてあげなきゃ!」と自分の欲求を我慢して、
母や兄弟の欲求を叶える事だけを意識し続けた、
或いは、
そこまで虐待的な親では無かったが、
逆らうと親が嫌な顔したり、無視されるのが怖くて、
進学や就職、習い事等は、親が希望したレールに乗ってきた。
特に敏感な人は、
必要以上に親の顔色を窺ってしまい、
自分の欲求を後回しにし続けて、
自分の内臓感覚に意識を向ける事もなくなり、
結果として自分の欲求がわからなくなってしまう、
という事もよくあります。
それでは、こういった人達は
どうすれば自分の欲求を取り戻し、
自分が望む人生を切り開いてゆく事が出来る様になる
のでしょうか?
次回はそのヒントをお書きしたいと思います。
<次回へ続く>