希死念慮・自殺念慮が止められない方へ

希死念慮・自殺念慮が止められない方へ

「あ~また部長に叱られた。どこの会社に行っても私は必要とされない
 ・・・。こんな私なんてこの世にいない方がいいんだろうなあ。」

「クラスのみんなが私の事を嫌っている。友達が欲しくても表面だけで
 誰も私の事なんて好きになってくれない。いっその事死んじゃいたいなあ
・・・」と今日も自傷行為をしてしまう。

所謂、「希死念慮」「自殺念慮」、或いは自傷行為自殺企図
お悩みになってお越しになる方(や当事者のご家族の方)も多いです。

そんな悩みを抱えた方に、周りのご家族や友人達が
「そんな事思わないで!あなたはかけがえの無い存在なの」
とか

「考え過ぎじゃない?もっと前向きに考えたら?」
等といくら慰めたり、諭しても中々そういった考え方や行動は
止める事が難しいと思います。

それはどうしてなのでしょうか?



私の知識と臨床での経験から考察しますと、

「希死念慮」「自殺念慮」はその人にとっては
恐怖・不安やトラウマ等に対する「生きてゆく為に」必要不可欠な
防衛反応である場合が多いと思われるからです。

だとすれば、
その考えを”正そう”とされたり、無くそうとされると、
無防備な状態で絶望や恐怖・不安、トラウマ等に晒される
事になりますので、激しい抵抗が生じる訳です。



その辺りを次回詳しくお書きしたいと思います。

 

#希死念慮・自殺念慮、自傷行為のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

希死念慮・自殺念慮は生きてゆく為に必要だった

 

前回、

「”希死念慮”や”自殺念慮”、自傷行為や自殺企図は
 絶望や恐怖・不安やトラウマ等に対する生きてゆく為に必要不可欠な
 防衛反応である場合が多いと思われる」

「だから、その考え方を正そうとしたり、その行為を止めようとしても
 難しい場合が多い」

とお書きしました。

今回は私なりの理解で、その意味をお書きしたいと思います。

私は決して自死擁護論者ではありませんが)






幼少期の親(等の主養育者)との関係性の中で、
「親から大切にされている、愛されている」という実感が持てないと、
「愛してもらえないと生きてゆけないのに愛してもらえない」
 といった絶望と恐怖のドン底に投げ込まれます。

 それに加えて、自身が日々感じる不安や恐怖等の不快を癒してくれる
 ”安全・安心の基地”という感覚を親に対して持てない(=愛着障害)
 訳ですから、一人でその絶望感・恐怖・不安に向き合うしかなくなる
 でしょう。

★こうなってしまう理由として、親による虐待やネグレクト等は勿論ですが
 子供側の感覚過敏(+思い込み)から、誤解が生じてそう感じてしまった
 という事も考えられます。

そうなると、まるで幼い子供が守ってくれる人のいない戦場に放り込まれた
 様な状態になりますので、日々沢山の傷(トラウマ)を受け続け、
 日常が絶望や恐怖が渦巻く救いの無い世界に感じられるでしょう。

でも、そんな地獄絵図の中でも生きて行かないとなりません。
 そこで、「逃げる」「戦う」「服従する」「凍り付く」等の
 恐怖・脅威や不安に対する動物由来の防衛反応を駆使してゆく訳です。

その防衛策の中でも「自分の命だけはいつでも終わらせる事ができる」
 という考え方が”救い”となる場合もあるでしょう。

 即ち、”生存欲求”と戦って勝利すれば、全ての絶望・恐怖・不安から
 逃れられる訳です。

 そして、それが唯一自分で自由にコントロールできる部分だと信じ込んだ
 のだと思います。

そうして「いざとなったら、全てを終わらせる事ができる」
 という安心感にすがって、何とか”戦場”を生き延びて来た訳です。






それでは次回は「”希死念慮”や”自殺念慮”等の防衛反応のパターンを
どうすれば変えられるか?」のヒントについてお書きしたいと思います。

 

#希死念慮・自殺念慮、自傷行為のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

希死念慮・自殺念慮を無くすには?

 

前回までに、

「”希死念慮”や”自殺念慮”等は幼い頃の主に親子関係で”愛されない絶望感”や
 ”誰も守ってくれる人のいない恐怖”に対して、そんな中でも生きていく為の
 防衛反応、つまり保険・切り札としての役割があったのでは?」

とお書きしました。



それでは、
どうすればその防衛反応を食い止めて幸せの方向へ舵を切る事ができる
のでしょうか?

今回はそのヒントをお書きしたいと思います。






<希死念慮・自殺念慮を無くすヒント>






①「子供の自分」と今の「大人の自分」を分離させてゆく



今の「大人の自分」=(自分の中の)「子供の自分」となっちゃうと
 「子供の自分」の悲しみに共感したり、絶望を癒したり、恐怖を和らげる存在
 がいなくなってしまいます。

 ですから日々の出来事によって、過去の辛い感情や恐怖、トラウマが
 誘発された場合は
 「あ、子供のミカちゃんが出て来た!」等とそれに気づいて客観視
 できる様になる事が望まれます。






②今の「大人の自分」が「子供の自分」に共感し、感謝し労う



「子供の自分」は逃げようの無い環境で、その幼い頭で精一杯考えた
 様々な防衛策を駆使して、何とか生き延びてくれた訳です。

 ですから決して「子供の自分」そのものやその防衛策
 (例えば”いざとなったら死のう”といった考え)を否定せずに、
 その子の悲しみや絶望感に共感し、
 (方法はともかくとして生き抜いてくれた勇気や頑張りに感謝し、
 労ってあげる事が必要だと思います。

 ※「今の私がこの子の理想のお母さんだとすれば、
   何て言ってあげるだろうか?」と考えて、
   その答えを「子供の自分」宛てに書いてあげたり、
   言ってあげる等も良いでしょう






③「子供の自分」の安全基地となれる様に、
  今の「大人の自分」を強化してゆく



「子供の自分」=今の「大人の自分」だとして生きて来た人にとっては
 「子供の自分」の親代わりになれる自信が無いと思います。

 そこで、
 今の「大人の自分」に自信をつけさせてあげる必要があるでしょう。

 例えば
  「そんな救いの無い戦場をどうやって今迄生きて来たのか?」
  「身も心もボロボロの中でもやって来た事は何か?」
  (例:学校に行ってた、受験勉強頑張った、怖いけど友人を作った、
     バイトや仕事、家事や育児をしている等)
  を考えてそれらを書き出して認めてあげる事も必要だと思います。

  (今の日々の生活の中で今日頑張った事・自分を褒めてあげたい事等を
   毎日書いてゆくのもいいでしょう) 






④今の「大人の自分」の安全基地としての役割を強化してゆく



「親としての自信」と「子の安心感・信頼感」は
  好ましい養育を繰り返し続ける事で育まれてゆくでしょう。

 例えば「子供の自分」の激しい感情が出てくる度にそれを書き出して
  「親の自分」として共感してあげる。

  そしてその「子供の自分」の感情や考え方がもし本当の自分の子供
  のものだとすれば、親としてどう寄り添ったり慰めたり励ましたり
  安心させたら良いのか?を考えて
  それを書き出してみて「子の自分」に言ってあげる、

  更には「今私は〇才でそんな危険な場所には居ないし、いざとなったら
  相手から逃げたり戦ったりできる」と安心感を与えてあげる
  も有効だと思います






⑤「親の自分」として「子供の自分」に夢や目標を伝える



何の希望もなく、生きる意味さえ見失っていた「子供の自分」に
 希望を与える事も親の役割だと思います。

 例えば「ミカちゃん、私は今25歳で事務のお仕事して自分の力で
  生きて行ってるの。将来は結婚して優しい旦那さんと旅行へ行ったり
  美味しい物食べたり楽しい会話をしたり、ごく普通の幸せを望んでるの」

  そして、その”幸せ”の場面を思い浮かべて
  イメージとして「子供の自分」に伝えてみるのもいいでしょう
 (「子供の自分」へはイメージの方が伝わり易いと思います)


  
この方法はトラウマに触れる場合もありますので、
 お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい

 

#希死念慮・自殺念慮、自傷行為のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。