どうすれば新しい環境に順応できるのか?①環境の調整
どうすれば新しい環境に順応できるのか?①環境の調整
<前回からの続き>
「感覚過敏」(そこから来る「プチトラウマ」や
「不快刺激を無くす事で安定する傾向」)を有している為に
新しい環境に身を置く事に恐怖を感じる人はどうすれば良いのでしょうか?
そのヒントを今回からお書きしてゆきたいと思います。
まず、
「感覚過敏」は多くの場合は先天的・遺伝的なものだと考えられます。
ですから、
「気にし過ぎない様にすればよい」等のアドバイスは
敏感な人に向かって、”鈍感になれ!”と言っている様なものですので、
役に立たないどころか「気にしてしまう自分」を益々否定的に捉えてしまい
更なる自己肯定感の低下につながるでしょう。
だとすれば、
”そこ”を変えようとするのではなく、
「環境の調整」と「内面の調整」が役に立つでしょう。
今回は「環境の調整」から。
<新しい環境に順応する為のヒント①環境の調整>
(1)五感から入ってくる(不快)刺激を減らす
例えば、
・「度が合っていない眼鏡や、色付きの眼鏡をかける」(視覚)
・「前髪や帽子によって視覚の制限をかける」(視覚)
・「イヤーマフやノイズキャンセリングを使用する」(聴覚)
・「お気に入りのガムを噛む」(味覚・触覚・嗅覚)
・「肌触りの良い下着をつけたり、
触り心地の良い小さなぬいぐるみ等を身につける」(触覚)
・「好きな感触で、お気に入りの香りをつけた大きめのマスクをする」
(触覚・嗅覚)
等々。
※これらは、職場や学校の方の理解が必要ですし、
やり方によっては悪目立ちしてしまう不安も生じるでしょうから、
難しいものもあると思います
(2)(不快)刺激を受けない時間・空間を作る
例えば、
・「大講義室では、一番後ろの隅の席に座る」
・「パソコンを置く位置を工夫したり、自分のデスクの周りに
書類等を積み上げ周囲の人の視線をガードする」
・「トイレに籠る時間を敢えて作る」
・「職場や学校の近くに、お気に入りのベンチ等を見つけ、
休憩時間等には頻繁にそこを利用する」
・「(学生なら)クラブやサークル、ゼミ等の
少人数で快適さを感じる場(安全基地)を作る」
・「(社会人なら)一緒に昼休憩を取る人や信頼できる先輩・上司、
(職場では難しい場合は)同窓生や趣味のサークルなど、
少人数で快適さを感じる場(安全基地)を作る」
等々。
※私が思うに、「感覚過敏」から来る生き辛さを抱えた方に対して、
”合理的配慮”としての環境の調整は知られてきていると思いますが、
ご本人側の「安全基地」作りといった能動的な働きかけに加えて、
内面の調整も大切な事だと思います。
次回はそれについてお書きしたいと思います
<次回へ続く>