不幸・不運な境遇を繰り返してしまう人

不幸・不運な境遇を繰り返してしまう人

「”今度こそ優しい彼だ!”と確信して付き合ったけど、
 やっぱりDV男だった・・・。

 前の彼もDV男だったし、
 その前の彼もとんでもないモラハラ男だった・・・。

 ”私って男運が悪いな~”ってつくづく感じてしまう。」

「どの会社に入っても、
 周りから浮いて”嫌われてる”と感じてしまう。
 そして、いたたまれなくなって転職を繰り返してきた。

 今の会社は”今度こそ!”と決意して入った会社で、
 自分をなるべく出さずに周りに気を遣い、
 仕事も頑張ってるつもりなのに、部内の人達の態度が冷たい・・・。

 僕にはどこにも居場所なんて無いのかなあ~・・・」

「私は何故か、ギャンブルやアルコール等に依存してる男性や
 いつもお金に困っている男性や
 幸せそうではなく、どこか”陰”を背負った男性に魅かれてしまう
 ・・・。

 そういった男性に出逢うと、
 ”支えてあげたい”という気持ちが強くなって、
 付き合う事になるけれど、いつも二人共もっと苦しくなってゆく
 ・・・。

 私にも何か問題があるのかなあ~」






うちのルームにも、

何故か自分が不幸になる道を無意識のうちに繰り返し選択してしまい、
まるで”不幸な星のもとに生まれた”かの様に、辛い人生を送り続けて
行き詰ってご相談に来られる方も多いです。



そういった方の中には
「たまたま」「偶然」の場合もあるでしょうが、

何度も繰り返すのであれば、
ご本人の性格や考え方の”癖”やトラウマ等の影響
も考えなければならないでしょう。

今回からは、そういった方に向けて、お書きしてゆきたいと思います。


なぜ不幸な境遇から逃れられないのか?①

 

前回、

「不幸・不運な境遇を繰り返してしまう人」
の例を挙げましたが、

それでは何故、
自分が不幸になる道を(無意識に)選び、繰り返してしまう事
から抜けられないのでしょうか?

今回からは、
私なりに考えるその「原因」を3回に分けて
お書きしてゆきたいと思います。




<不幸・不運な境遇を繰り返してしまう原因①>






①トラウマとなった出来事の再演

(1)トラウマの再演とは?

(主に)幼い頃にトラウマとなった傷を負っていた場合、
その状況と似た状況になる様な相手や環境を無意識のうちに選んでしまい、
同じ状況が繰り返され続ける、

という事が起きる場合があります。

これを「トラウマの再演」と言います。



例えば、
前回お書きした様な、「いつもDV男やモラハラ男を選んでしまう」
女性は、そうなのかも知れません。

(2)何故トラウマの再演が起きるのか?

トラウマを受けた場面では、
「逃げる」「戦う」等の防衛反応が生じた筈ですが、

自身が幼かったり、抵抗できる状態では無かった場合、
それらの防衛反応のエネルギーの表出が”凍り付き反応”等によって
途中で妨げられて、未完了なまま残り続けてしまうでしょう。



そしてそれが
時折何かの引き金によって、噴き出してしまう事もあるでしょう。

それが”フラッシュバック”です。



但し、

フラッシュバックでは、
防衛反応による当時のエネルギーは未完了なままに終わり、
それどころか一層未完了なエネルギーを貯めてしまうでしょう。



そこで無意識は、
トラウマの再演によって、当時と似たシチュエーションに身を置いて、
何とか未完了なエネルギーを完了させようとするのですが、
大抵はうまく行かず、繰り返し続ける訳です。



因みに、
前回の3番目の例の様に、
「支えてあげないといけない相手」
や
「助けてあげないといけない相手」、

所謂”ダメンズ”を繰り返し選ぶ女性にも
同じ事が言える場合もあるでしょう。

但しその場合は、
トラウマというよりも、例えば幼い頃に母を助けてあげたかったけど
助けられなかった自分を悔いていて、

その事が未完了のエネルギーとして溜まっていて、
「助けてあげる事」で完了させようとしているのかも知れませんし、

或いは、
親を助けてきたつもりなのに、
自分が期待した様な愛情をもらえなかった思いが未完了となって、
完了させようと無意識が働いているのかも知れません。

だとすれば、これも広い意味での”再演”と言えるでしょう。





 
次回は、
「自分が不幸になる道を(無意識に)選び、
 繰り返してしまう事から抜けられない」原因
の2番目についてお書きしたいと思います。


 

なぜ不幸な境遇から逃れられないのか?②

 

今回も引き続き、

「自分が不幸になる道を(無意識に)選び、
 繰り返してしまう事から抜けられない」原因の2番目
を私の考察に基づいてお書きしたいと思います。




<不幸・不運な境遇を繰り返してしまう原因②>






①スキーマ等の偏った信念によるもの

例えば、
前々回の例で申しますと、

1例目の方は
「他人を助けなければいけない」「助けなければ私の価値がない」、

2例目の方は
「私は嫌われるに違いない」「誰からも愛されない」、

3例目の人は
「私は否定されるに違いない」「他人に逆らってはいけない」、

等の偏った”信念”(スキーマ等)を持っているのかも知れません。



これらの”信念”があると、
その信念を裏付ける相手や環境を無意識に選び、
そういう状況が繰り返し作り出されるでしょう。



勿論、
これらの”信念”は生まれた時には無かったものですから、
幼い頃の成育環境等によるものと考えられます。



そして私は、これらの”信念”が形作られた原因として、

大きく分けると
「トラウマによるもの」
と
「感覚過敏からくるもの」

の2種類があると考えます。



まず、
トラウマによって形作られた”信念”は、
前回お書きした、トラウマ場面での防衛反応が完了していないが為の
未完了のエネルギーとセットになっていると考えられます。



一方、
そこまでのトラウマを受けて来なくても、
(持って生まれた)感覚過敏によっても、そういった”信念”は作られる
と感じています。



例えば、
そういった感覚過敏を持ちながらも注意が散漫な部分がある子が、
学校の宿題を度々忘れて先生から叱られて、

母親からも「あ~また忘れたのね・・・」とがっかりされた様に感じた。

そして、級友の子達からも白い目で見られている様に感じた。

そうすると
「僕はダメ人間だ!」「ダメ人間な僕は誰からも相手にされないに違いない」
等の”信念”が簡単に作られてしまうでしょう。






次回は、
「自分が不幸になる道を(無意識に)選び、
 繰り返してしまう事から抜けられない」原因
の3番目についてお書きしたいと思います。


 

なぜ不幸な境遇から逃れられないのか?③

 

今回も引き続き、

「自分が不幸になる道を(無意識に)選び、
 繰り返してしまう事から抜けられない」原因の3番目

を私の考察に基づいてお書きしたいと思います。




<不幸・不運な境遇を繰り返してしまう原因③>






③内受容感覚の鈍麻

身体内部の生理的な状態を捉える感覚システムを
「内受容感覚」と言います。



例えば、

「今、お腹が空いてる」

「プレッシャーを感じて、胃がキューンと縮まる感じ」

「この人と話してると、何となく気が重たくなる」

これらは、頭による思考ではなく、
身体で感じる感覚です。



そして、
この「内受容感覚」の働きが鈍いと、
「この人、なあ~んかウソっぽい!」
とか
「これ以上、彼を助けるのはしんどいと感じる」
等という感覚が持てずに、制御が効きにくくなるでしょう。



この内受容感覚は赤ちゃんから成長するにつれ、発達してゆくものですが、
それが何らかの理由で妨げられると、その感覚が磨かれない為に、
所謂「直感」も働かない訳です。



そうなると、
友人から
「あんたが付き合おうとしてる彼の事、余り信用しない方がいいわよ!」
と言われても「え?!何で」となっちゃうでしょう。






次回は、
同じ不幸な状況を何度も繰り返さないようにするには?、

即ち「どうすれば不幸な境遇の繰り返しから脱出できるのか?」のヒント
をお書きしたいと思います。

 

 

どうすれば不幸な境遇の繰り返しから
脱出できるのか?

 

前回までに、

「自分が不幸になる道を(無意識に)選び、
 繰り返してしまう事から抜けられない」原因として、

①トラウマとなった出来事の再演

②スキーマ等の偏った信念によるもの

③内受容感覚の鈍麻

の3つを挙げました。






今回は、

「どうすれば不幸な境遇の繰り返しから脱出できるのか?」のヒント
をお書きしたいと思います。







<不幸な境遇の繰り返しから脱出するヒント>






①トラウマとなった出来事の再演



⇒これを食い止める為には、未完了となっている防衛反応のエネルギーを
 完了させる必要があるでしょう。

但し、その時に注意が必要なのは
トラウマ場面を微に入り細に入り思い出させる事ではないと思います。

そんな事をしてしまうと、更なるトラウマの再体験によって、
益々未完了のエネルギーが増えてしまい、
トラウマはより強化されてしまうでしょう。



そうではなく、
例えば「ソマティック・エクスペリエンシング」等の身体感覚からの
アプローチが役に立つでしょう。






②スキーマ等の偏った信念によるもの

”偏った信念”を変化させる方法としては、
「認知行動療法」等が有名です。

但し、
トラウマ場面で未完了となった防衛反応のエネルギーがある場合や
感覚過敏が強い場合は「認知」、即ち”頭”によるトップダウンのセラピー
だけでは難しいと思います。



ですから、順番としては、
身体感覚等を用いる「ソマティック・エクスペリエンシング」等の
ボトムアップのセラピーによって、未完了なエネルギーを完了させたり、
「内的家族療法」等の、マインドフルなセラピーで感情や感覚の制御
を行ってこそ、

初めて、トップダウンのセラピーは有効となると考えます。






③内受容感覚の鈍麻

内受容感覚の発達が妨げられる原因としては、
トラウマもそうですし、
強い感覚過敏を有しているが為に、
優先順位として
「それどころではなくなっている場合」が考えられます。



いずれにしても、
「発達の遅れ」は取り返す事ができますので、
灰谷孝先生の「原始反射」に基づく身体アプローチ等が役に立つ
でしょう。

※詳しくはお気軽にお問合せ下さい

 

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。