「建設的な気遣い」のやり方

「建設的な気遣い」のやり方

<前回からの続き>

前回までにお書きした様に、

「(HSPやASD等とカテゴライズされる様な)極端に敏感な人にとっては、

 相手が不快を感じているであろう表情や言動が、
 自分にとっては耐えられない程の不快と感じてしまうので、

 相手を不快にさせない事によって、自分が不快を感じないようにする、
 といった「防衛的な気遣い」の”罠”に陥る可能性が高い。

 そして、
 この”罠”に陥ってしまうと、気遣いがどんどんエスカレートしてしまい、
 そのストレスからメンタルをやられてしまったり、
 周囲の人と距離ができて孤独に苦しむ、という事が起きる。

 その”罠”から抜け出すには、スタンダードな認知行動療法等の
 前頭前野に頼ったトップダウンの方法だけでは不十分。

 ボトムアップの方法が有効だが、
 ”建設的な気遣い”へのシフトという方法もある。」

という事をお書きしました。

今回は、
その「建設的な気遣い」へのシフトの方法をお書きします。






<建設的な気遣いへのシフトの方法>




①「自分の”快”←相手の”快”」に意識を向ける


・相手がどんな表情をした時、或いはどんな言動をした時に
 自分が”快・心地よさ”を感じるか?を思い浮かべる

例:「過去の友人が、ニコッと笑って”有難う”と言ってくれた時、
   それと、落ち込んでた友人を慰めてあげたら、その子が涙を流した時、
   あとは、困っていそうな友人の話を聞いてあげて
   ”あなたに話したらホッとした”と安心した様な顔になった時・・・」
   等々。




②「自分の”快”←相手の”快”」に集中する


・相手との交流中には、上の「①」で感じた自分に快をもたらす様な
 相手の表情や言動を導き出す事に意識を集中し続ける

例:「この子にどう言ってあげれば、どうしてあげれば、
   ニコッと笑って”有難う”と言ってくれるだろうか?」
   と、意識しながら接する

  「グループの中で、今日は元気が無さそうな子、困っていそうな子は
   誰だろう? 
   もし、落ち込んでる子や悩んでいる子が居たら、
   話を聞いてあげたり、役に立とう。」




③相手が快を感じた瞬間や相手の不快が和らいだ瞬間を見逃さない


・その瞬間に自分の身体(胸やお腹等)は、どう感じるか?
 どんな気持ちか?相手の事をどう考えるか?を十分に感じる

例:「う~ん、なんか、胸のつかえが軽くなった様な、
   お腹の締め付け感もちょっと緩んだかな。

   ちょっといい感じというか気分が軽くなってさわやかな感じかな。
   こんな気分にさせてくれて、この子が居てくれて有難いなあ~。
   もっと大切にしてあげなきゃ。」
   等々。




「防衛的な気遣い」は、
相手の不快→自分の不快のみに意識が集中し続ける訳ですが、

「建設的な気遣い」へのシフトは、
相手の快や相手の不快の緩和→自分の快に意識をシフトしてゆく方法です。


勿論、
毎日毎回、自分が快を感じる場面がある訳では無いでしょうが、
意識は常にそこへ集中し続ける必要があります。

そして、
そうした瞬間が訪れた時には、上の「③」の方法で
感覚→感情→思考、とボトムアップしてゆく事ができれば、

無意識の防衛反応が緩和されてゆき”罠”を抜け出す事に繋がってゆく
でしょう。




※お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい