吃音や書痙・震え、イップスに悩んでいる方へ
吃音や書痙・震え、イップスに悩んでいる方へ
目次
「落ち着いて話そうと思っても、どうしてもどもってしまう・・・
そんな自分が恥ずかしくて、会社に行くのが苦痛になっています。」
「ファーストに送球しようとしても、腕が言う事をきかずに
暴投になってしまう・・・
大好きな野球なのに、もう続けてゆく自信が無くなってしまった。」
うちのルームにも「吃音」や「書痙・震え」、「イップス」等で
悩んでお越しになる方も多いです。
ご家族や周りの方は「気にするな」と仰る事もあるかと思いますが、
「そう言われたって、私(僕)にとってはとっても深刻な問題
なのに・・・」
ととても悩んでおられると思います。
「今迄は普通に喋る事ができていたのに・・・」
「今迄は普通に投げる事ができていたのに・・・」
そして吃音や書痙・震えやイップスが起きた為に自信まで失っていってしまう。
今回からは
「何故吃音や書痙・震えやイップスになってしまうのか?」
と
「どうすればそれを治す事ができるのか?」
を私の推論と臨床での経験を基にお書きしてゆきたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
何故吃音や書痙・震え、イップスになるのか?
今回は
「何故吃音や書痙・震えやイップスになってしまうのか?」について
私の理解に基づいてお書きしたいと思います。
まず
人が「話そう」とか「ボールを投げよう(ある動作をしよう)」と
意識した時には、
脳の様々な部位の神経回路のニューロンが順次発火してゆく事で、
最終的には、
「言葉に出す」とか「ボールを投げる」という(主に筋肉の収縮・制御を伴う)
アウトプットに至る訳です。
そして
その意識→動作(発話、ボールを投げる等)を繰り返す事によって
そのアウトプットに至る神経回路は強化され(同じ部位に負荷をかける事
を繰り返すとその部位の筋肉が鍛えられる筋トレと同じ)、
やがて小脳を中心として、その動作が自動化(力の入れ具合や筋肉や声帯を意識しなくても)できる様になります。
ところが、
「ちゃんと話そう」という意識が強くて生真面目な性格の人や
そのスポーツに賭ける思いが強い人ほど
そこへの拘りが強いと考えられますので、
「どもらない様に」とか「ちゃんと投げなきゃ」という意識が強く働く
でしょう。
そうして妙な所(肩・腕の筋肉や声帯の)に力が入ったりして、
既に自動化されている一連の動作と異なる動作を行ってしまう・・・。
その時点で、その「妙な動作」が脳にフィードバックされてしまい、
「自動化された神経回路」とは異なった”妙な所に力が入った神経回路”、
言わば「失敗回路」が形成されてしまう。
そうなると相反する2つの神経回路がお互いに干渉し合う事になり、
混乱状態に陥り、「自動化された神経回路」が弱まってしまう。
その様な時には「失敗」し易くなるでしょうから、
(生真面目な人ほど)一度の失敗や他人が失敗している姿を見て、
「失敗したらどうしよう?」という不安や恐怖が出てくる。
そしてこの恐怖や不安という強い感情(情動)は扁桃体を興奮させて
脳に強く記憶され、それが「失敗イメージ」として定着します。
すると、
「話そう」とか「ボールを投げよう」等と意識する度に「失敗イメージ」
が出て来て、「吃音」や「暴投」等のアウトプットに導く「失敗回路」
が強化されてゆきます。
(※ニューロンは実際の出来事等によってだけではなく、
知覚経験を思い出す、つまりイメージするだけでも発火する事が
わかってきています)
そしてそれを繰り返してゆくと、
「失敗イメージ」→「吃音」・「暴投」に至る「失敗」回路がどんどん強化
されてゆき、「吃音」や「暴投」が自動化されてしまうでしょう。
もしこの段階で
無理に「成功イメージ」を繰り返そうとしたり、意識し過ぎると
「成功イメージ」(成功回路)と「失敗イメージ」(失敗回路)が拮抗し、
「言葉が出ない」「ボールの投げ方さえわからなくなる」等といった
「身動きできない混乱状態」になる事さえあるでしょう。
それでは、どうすれば「吃音」や「書痙・震え」や「イップス」を治せる
のでしょうか?
そのヒントを次回から3回に分けてお書きしたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
吃音や書痙・震え、イップスを治すヒント①
今回からは3回に分けて「吃音や書痙・震えやイップスを治すヒント」
をお書きしたいと思います。
<吃音や書痙・震え、イップスを治すヒント>
①「失敗イメージ」(失敗回路)を変化させてゆく
=不安や恐怖等を伴う「失敗イメージ」→「吃音」・「暴投」といった
脳の「失敗回路」が自動化されてしまっている訳ですから、
ここの部分を変化させないで「成功イメージ」だけを強化してゆくのは
至難の技だと思います。(前述の様に混乱状態に陥る事もあり得ます)
ですから、まずはこの部分を変化させる事が大切だと思います。
そしてこの「失敗イメージ」を強固にしているのは、
「不安」「恐怖」といった強い感情だと考えられます。
そしてそれによって「失敗回路」が強化され続けてしまっている訳です。
だとすれば、それらの強い感情を変化させる事と「失敗回路」を弱体化
してゆく必要があるのではないでしょうか?
以下、その変化の起こし方をお書きしたいと思います。
(1)不安感情を弱めて「失敗イメージ」を弱める方法
a.不安・恐怖と対峙し、「最悪」と「最善」を考える
例えば、
「このままイップスが治らなければ最悪どうなる?」と自問し、
「レギュラーから外されるだろう・・・」等と、その答えを書いてゆく。
「最悪そうなったら、自分のベストを尽くすとすればどうする?」
「バッティングや走塁をもっと磨いて、代打要因や代走要因を目指す」
「もしそうなったら、自分にとって生きて行けない程辛い?」
「いや、悔しいけどそこまでは・・・」等
或いは、
「もし吃音が治らなかったら、最悪どうなる?」
「恥ずかしくて学校で喋れなくなる」
「最悪そうなったら、自分のベストを尽くすとすればどうする?」
「私の吃音を気にしない子とだけつるむ様にする」
「もしそうなったら、辛すぎる?」
「いや、そこまでは・・・」等
b.認知療法で認知の再構成を行う(略)
c.NLPのサブモダリティーを変える方法やイメージ記憶の再構成
例えば、過去の失敗イメージを自分もみんなも大笑いしてるイメージ
へ変える等で「失敗イメージ」をダイレクトに弱めてゆく(略)
次回は、
「吃音や書痙・震え、イップスを治すヒント」の
「①「失敗イメージ」(失敗回路)を変化させてゆく」の2つ目として、
「(2)「失敗回路」を弱体化してゆく方法」をお書きしたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
吃音や書痙・震え、イップスを治すヒント②
今回は、
「吃音や書痙・震え、イップスを治すヒント」の
「①「失敗イメージ」(失敗回路)を変化させてゆく」の2つ目として、
「(2)「失敗回路」を弱体化してゆく方法」をお書きしたいと思います。
(2)「失敗回路」を弱体化してゆく方法
まず「吃音」や「暴投」に至る「失敗回路」を作った時の事を
思い出して頂きたいのですが・・・。
それは(前回お書きした様に)既に自動化されて
無意識下で行われていた「成功回路」を意識的に行う事によって
”妙な所に力が入った神経回路”(失敗回路)ができてしまい、
2つの回路が干渉し合い、自動化された「成功回路」が弱まった
という事が原因なのでは?と推察しました。
だとすれば、
「失敗回路」を意識的に行う事によって、
同様に「失敗回路」とは微妙に違う「失敗回路を失敗させる新たな回路」
(ややこしくてすみません(笑))が形成され、
それらが干渉し合い、結果として「失敗回路」も弱まると考えられます。
その為には、「意識してわざと失敗する」事が必要だと考えます。
例えば、
「”わざと”思い切りどもろう!」とか「”わざと”思い切り暴投しよう!」
等と意識して失敗する事等が有効です。
※ここで、「周りに”ドッ”とウケる」「自分も周りも笑い転げる」等の
強い(ポジティブな)感情が出て来るイメージをするのも、
より「失敗回路」の弱体化につながると思います。
次回は、
「吃音や書痙・震え、イップスを治すヒント」の3番目の方法として、
②「成功イメージ」(成功回路)を定着・強化してゆく
についてお書きしたいと思います。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
吃音や書痙・震え、イップスを治すヒント③
②「成功イメージ」(成功回路)を定着・強化してゆく
※必ず前述の「①「失敗イメージ」(失敗回路)を変化させてゆく」
を行った上でなさって下さい
(1)過去の成功イメージを使う
a.過去の成功場面を思い出す
過去自分が成功した場面(うまく喋られた、うまく書けた、
うまく投げられた等)をいくつか思い出して下さい。
例1:発表でうまく喋る事ができて、みんなから拍手を貰っている場面
例2:受付でうまく書けて、受付の女性がニコッと笑ってくれた場面
例3:うまく投げられたファインプレーで拍手喝采、
外角低めにズバッと決まって、バッターが呆然と見送り
味方から「凄い!」と褒められた場面
等々
b.その場面を五感を使ってイメージする
その時の情景を自分の眼で見て、身体で感じて、耳で聴いて、
(匂いを感じ、舌で味わって・・・)等、
「今まさにそれを体験してる」かの様に五感を使ってイメージする
c.それを短時間で良いので、頻度を多くする事を意識して繰り返す
※未来の成功イメージはその回路がまだできていないので、
失敗回路がまだ強い段階ではうまく作りにくいと考えます。
その点、過去の成功イメージは当時と同じ回路が使用されるので
「成功回路」の強化に向いてると考えます
(2)未来の成功イメージを使う
a.未来の成功イメージを思い浮かべる
自分が成功している場面(うまく話せている、うまく書いている、
うまく投げている等)をいくつか思い浮かべて下さい。
例1:発表でうまく喋ってみんなから拍手と感嘆の声を貰っている場面
例2:受付でうまく書けて、受付の女性がニコッと笑ってくれて、
その後のお酒を美味しく飲んでる場面
例3:うまく投げてファインプレーでゲームセット・・・
監督やチームメイトから手荒い祝福を受けている場面
等々
b.その場面を五感を使ってイメージする
その時の情景を自分の眼で見て、身体で感じて、耳で聴いて、
(匂いを感じ、舌で味わって・・・)等、
「今まさにそれを体験してる」かの様に五感を使ってイメージする
c.それを短時間で良いので、頻度を多くする事を意識して繰り返す
※必ず「(1)」がスムーズにイメージできるようになってから行ってください
以上、比較的短期間で吃音や書痙・震え、イップス等を治すヒント
をお書きしましたが、お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい。
#不安障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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