何故症状/障害で苦しむのか?~ポリヴェーガル理論を基に

何故症状/障害で苦しむのか?~ポリヴェーガル理論を基に

<前回からの続き>

前回は、

「ポリヴェーガル理論」を基に、

「症状や障害は
 個体が生き延びる為の自律神経系や無意識の防衛機能であり、
 元々はポジティブな意図を持っていた」

とお書きしました。


それでは、

何故それが”症状”や”障害”となって、
個体が苦しむ方向へ向かってしまうのでしょうか?

「ポリヴェーガル理論」を基に考察しますと、

”症状”や”障害”と言われるものは、

「③」の「腹側迷走神経系」が、

防衛反応である「①」の「交感神経系」(過覚醒)
「②」の「背側迷走神経系」(低覚醒)を制御できなくなった状態

とも言えるでしょう。

(逆に、「③」による制御が有効な範囲を”耐性領域”、”耐性の窓”
 と言います)


だとすれば

何故「③」による制御ができなくなったのでしょうか?


私は、

A.耐性領域の狭さ

B.トラウマによるもの

といった主に2つの原因があるのでは?
と考えております。


つまり、

「A」の耐性領域が狭ければ、

交感神経系の働きによる過覚醒状態

背側迷走神経系の働きによる低覚醒状態に陥り易く

容易に腹側迷走神経系による制御が不可能な状態に陥るでしょう。


そうなれば

防衛機能が暴走して、症状や障害となってしまうと考えられます。


また、

「B」のトラウマによるものの場合は、

耐性領域が狭い/広いに関わらず、何らかの引き金(トリガー)が引かれると、
一瞬で「③」による制御不可の状態に陥るでしょう(フラッシュバック等)


それでは、

何故耐性領域が狭くなってしまったのでしょうか?

次回は考えられるその原因をお書きしたいと思います。

(「B」トラウマによるものに関しては、別の章に譲りたいと思います)


<次回へ続く>