子育てで一番大切な5つの事①
子育てで一番大切な5つの事①
世には子育て本やネット等の子育てに纏わる情報が氾濫していますが、
私は今迄数多くの「子側の悩み」「親側の悩み」を抱えた方と
向き合ってきました。
その臨床経験から、
私が子育てで一番大切だと感じた事をまとめてみました。
勿論、
他にも大切な事は沢山あると思いますが、
今回からは「子育てで大切な5つの事」としてお書きしてゆきたい
と思います。
今回は「①感情の相互調整」についてお書きします。
<子育てで大切な事①感情の相互調整>
乳幼児は、
「不安」「寂しさ」「辛さ」「怒り等の興奮」「落ち込み」「恥ずかしさ」
等の感情やそれと共に感じる身体の感覚を、
当然自分で制御する事ができません。
ですから親(や養育者)は、
子が不安・恐怖に支配されてると感じたら、
安心させてあげたり、
落ち込んでる様に感じたら、元気づけてあげたり、
興奮し過ぎてる様なら落ち着かせたり、
といった
「感情調整」を行ってあげる必要があります。
そして、
子が落ち着いてきたのを感じて
親側も落ち着いて笑顔になったり、
より柔らかい声になったりするでしょう。
更に、
その親の状態を感じて、子も益々落ち着く・・・
といった、
親子双方とも感情や感覚が(適正に)制御される事を
「相互調整」と言います。
これは、
愛着理論で言うところの「安定型愛着」を築く為に大切な事です。
もし、
「相互調整」が不十分であった場合、
所謂「愛着障害」となる可能性も大きくなり、
自分で自分の感情を制御する力(自己調整)が養われないままだと、
後々、不安障害やパニック、うつ、パーソナリティー障害などにも
結びつく恐れもあります。
※自分で自分の感情を制御する事を「自己調整」と言いますが、
幼い頃に「相互調整」が成されていなかった為に、
成人してからも「自己調整」ができずに苦しんでおられる方
も多数見受けられます
また
「ポリヴェーガル理論」でも、
親が子に愛情を持って感情調整する事
(比較的高音域の韻律のある声や笑顔等で)で、
交感神経系や背側迷走神経系から生じる防衛反応を防いで、
社会交流や癒し等を促す腹側迷走神経系を機能させる事ができる
と考えられています。
そしてもし、
それが不十分であった場合は、対人不安等に繋がり、
他者との交流に問題が生じる場合も出て来るでしょう。
※DVやネグレクト等の所謂機能不全家族で育った
アダルトチルドレンと呼ばれる人は
この相互調整が成されていない事+トラウマの両方で、
より生き辛くなるでしょう。
※親御さん自身がワンオペ育児等で一杯一杯になられている場合や、
子が敏感過ぎて、手に負えないと感じる場合もあるでしょうが、
子に接する時は、一拍置いてから
極力柔らかく高音域の抑揚のある声と笑顔で接する様に
心がけてみましょう
<次回へ続く>