統合失調症①統合失調症とは?(概要)
統合失調症①統合失調症とは?(概要)
目次
「何度引っ越しをしても、マンションやアパートの隣の部屋の人が
ずっと私を見張っている・・・。
最初は私が何かをしようとする度に咳払いするだけだったが、
今はわざと大きな声でぶつぶつ怒ったり、ドンドンと壁を叩いたり
する様になった。
きっと盗聴されたり隠しカメラが仕込まれている筈なので、
大家や警察に相談したけれども相手にされない・・・。
もうこんなんじゃあ、部屋でじっとしてるしかない!
でも、”もう無理だ”と思ってまた引っ越しを考えている」
うちのルームにも「統合失調症」(昔は精神分裂病と呼ばれていました)
と診断を受けた方や、それに似た症状で苦しんでお越しになる方
もいらっしゃいます。
それでは、「統合失調症」とは何なのでしょうか?
今回はその「概要」をお書きします。
①統合失調症とは?
「統合失調症」は、多くは思春期以降~30歳代までに発症する事が多い
「精神病」と言われるものの代表的な疾患(約100人に1人の方が罹患される)で、
幻覚や妄想といった精神病症状(陽性症状)
や
意欲が低下し感情が出にくくなる等の機能低下、
認知機能の低下(陰性症状)などを主症状とします。
また、
特に幻覚や妄想が活発な時期(急性期)には、
幻覚・妄想が病気の症状だと思えなかったり、
「これは自分の思い過ごしでは無く、実際に声が聞こえるんだ!」
とか
「(盗聴等)本当にそうされているんだ!」
等と
自分自身が病気であるとは考えなかったりする事が殆どです。
(本人に“病識が無い”と言います)。
次回からは、その詳細をお書きしてゆきたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
②症状の進み方
前回は
「統合失調症」とは?についての概要をお書きしましたが、
今回からはその詳細をお書きしてゆきたいと思います。
①症状の進み方
症状の進行~回復・寛解へ至る、一般的な流れとして、
(1)前駆期
不眠、人が発する音や声・物音等に敏感になる、焦燥感・不安感が強まる
等の前駆症状がみられる
(この時期は、「~な気がする」等の”病識”がある場合が多い)
(2)急性期
・現実にないものがあるように感じる(幻覚:幻聴が多い)
・ありえないことを信じる(妄想)
・自分と他人の境界があいまいになる(自我障害)
・感情が不安定になり、身体の消耗もみられる
等の、所謂”陽性症状”が多くみられ、
この時期の殆どの人には”病識”が無く、
”気のせいではなくそれが本当に起こってるんだ”と信じ込んでる
のが特徴の一つです。
(3)休息期
感情の平板化や意欲の低下
感情の起伏がとぼしくなり、無気力で何もしなくなったり、
いつも寝ていたり引きこもったりする等の、
所謂”陰性症状”が多くみられる
(4)回復期
徐々に症状が治まる
但し、記憶力や注意力が落ちたり
計画を立てたり効率よく物事をこなすことが難しくなるといった、
”認知機能障害”が現れる事も多い
次回からは、
「統合失調症」に特徴的な症状を
「前駆期」「急性期」「休息期」「回復期」に分けて、
より詳しくお書きしてゆきたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
③前駆期の症状の特徴~具体例
今回は
「統合失調症」の前駆期に多く見られる”症状”についてお書きします。
(1)前駆期に多く見られる症状
感覚(特に聴覚や視覚)が過敏になり、
普段気にならない周りの音や雰囲気、人の表情・仕草・発する声や音
等に敏感になる。
(恐らく何らかのストレスが誘引になっていると思われる)
例:夜、自宅でくつろいで居ると、バイクや車の急発進する音が
いつも以上に気になった。
それが何度か続くと
「これは自分に向けての何かのサインではないか?」
等と気になってしまう。
また、道を歩いている時に、すれ違う人が”ゴホン”と咳をした。
似た状況が何度かあると「私に何か言いたい事があるのかな?」
等とこれもとても気になってしまう。
※この段階では”病識がある”(~な気がする、~かも知れない等)
場合が多いでしょう
そしてこれらの”サイン”や”メッセージ”を自分に対するネガティブなもの
(非難や否定・嘲り・攻撃等)として捉えてしまので、
まるで「いつまたピストルで撃たれるかわからない」恐怖から
自閉的になり、
益々そういったネガティブなサインやメッセージに対して
敏感さを増してゆく。
同時にその意味がわからず頭が混乱し続け、
過覚醒になり、夜も眠れなくなってしまったりする。
※この段階で”病識”は曖昧になり、幻聴等も出現する場合もあるでしょう
次回は
「統合失調症」の「急性期」に多く見られる”症状”についてお書きします。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
④急性期の症状の特徴~具体例
今回は
「統合失調症」の急性期に多く見られる”症状”についてお書きします。
(2)急性期に多く見られる症状
幻覚(特に幻聴や幻視)や妄想、自我障害をはじめとする
”陽性症状”が強くなる
”意味”を見出さないとその混乱から脱出できないので、
脳はそれらに意味付けをしてゆく。
たとえば、
「あのバイクの音や通りすがりの人の咳は、きっと私を馬鹿にしてるからだ!」
「でもみんなが私の事を知ってるのは何故か?・・・
私の知らないネット上で、私のプライベートな情報が拡散してるのかも?
・・・いやきっとそうだ!」
等と疑惑が確信に変わる。
※この段階で”病識”は無くなってゆく
(これは全て事実だ!絶対に~に違いない!)
幻覚の例(幻聴):
・「自分への悪口が聞こえる」
・「〇〇しろ!と常に命令する声が聞こえる」
・「隣人が誰かに自分の事を”今、SNSを見てます”等と逐一報告してる
のが聞こえる」
・「誰かが話しかけてくるので、それに応えて会話してるんです!」
・「私が何かを考えると同時に誰かがその考えを
そっくりそのまま言ってきます」
幻覚の例(幻視):
・「壁の模様が動き出して、意味のある絵や文字に変わってゆく」
・「どこに居ても壁や天井のシミに”死”という文字が浮かび上がる」
・「血管が皮膚の下でミミズの様にウネウネと動くんです!」
妄想の例:
・被害妄想「電磁波で攻撃をされている」
・迫害妄想「ホームで電車を待ってると後ろから突き落とされる」
・関係妄想「近所の人が全員自分を馬鹿にして笑っている」
・注察妄想「いつ覗いても、家の外に私を見張っている車が停まっている」
・追跡妄想「出かけるといつも誰かに後をつけられている」
・誇大妄想「私は神だ!自分は特別な存在だ!」
更には、
自分と他人の境界がわからなくなって、
誰かにコントロールされているような感覚(自我障害)
が見られることもよくあります。
自我障害の例:
・思考吹入「他人の考えが勝手に入ってきて、その人の考えを吹き込まれる」
・思考奪取「自分が考えている事が他人に抜き取られてしまう」
・考想伝播「自分の頭の中で考えてる事が相手にわかってしまう」
・作為体験「他人に操られている」
次回は
「統合失調症」の「休息期」に多く見られる”症状”についてお書きします。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑤休息期の症状の特徴~具体例
今回は
「統合失調症」の休息期に多く見られる”症状”についてお書きします。
(3)休息期に多く見られる症状
「統合失調症」の休息期とは、
交感神経が過度に興奮し、いわゆる過覚醒状態が続く急性期において
疲弊した心身を休ませる為に、副交感神経の働きによって、
極端な低覚醒状態に脳が導く段階だと言えるでしょう。
その為、感情の起伏が無くなり、思考力や集中力も落ちて、
自分で何かを行う事ができずに、ずっと寝ていたり他人との交流も
できなくなり、引きこもり状態になる等、
本来あるべき機能がなくなってしまいます。
こういった休息期の症状を”陰性症状”と言います。
よくある陰性症状としては、
・意欲減退:自発的な目的に沿った行動が減少し、
好きだった事に対してもそれをする意欲や気力がわかなくなる
・感情鈍麻や平板化:喜怒哀楽が乏しくなる、顔の表情がなくなる、
視線を合わせることがない、感情表出時の身振り手振りといった
ジェスチャーが減少
・連合弛緩:思考力が低下して、思考のまとまりが悪くなる
・思考低下:思考力が低下して会話がへる
・コミュニケーションの低下:会話がへる、他人と関わりを持たず引きこもる
・快感消失;過去に体験した喜びを想起する能力の低下
次回は
「統合失調症」の「回復期」に多く見られる”症状”についてお書きします。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑥回復期の症状の特徴~具体例
今回は
「統合失調症」の回復期に多く見られる”症状”についてお書きします。
(4)回復期に多く見られる症状
「統合失調症」の回復期とは、急性期の脳の過覚醒によって疲弊した心身が、
休息期の低覚醒を経る事によって消耗したエネルギーが少しずつ回復し、
徐々に意欲が戻ってきて行動範囲が拡がり、
周囲の出来事に関心が持てるようになってくる時期と言えます。
但し、多くの場合はまだ陰性症状や認知機能障害が残っています。
ここで言う「認知機能障害」とは、
注意力や物事の捉え方・考え方、記憶力、情報処理・問題解決能力の低下
等を意味します。
つまり、
まわりで起きている出来事をキャッチし、置かれている状況を理解し、
どう対応するかを考えたり準備したりする、
或いは、
経験から学んだり、それを他の場面に生かすことが難しくなっている状態
と言えるでしょう。
「認知機能障害」の例
・不要な刺激が気になり、考えがまとまらず、混乱しやすくなる
・複雑な状況や変化に弱く、ついていくのが難しくなる
・ひとつのことに注意を集中することが難しくなる
・一度に憶えられる量が限られてくる
・以前の経験を今に生かすことが難しくなる
・言われた事を、忘れやすくなる
・同時に2つ以上のことをするのが難しくなる
次回は「統合失調症」の診断基準についてお書きしたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑦診断基準
今回は
「統合失調症」の診断基準についてお書きします。
「統合失調症」等の精神疾患の診断は医師(精神科医)が行いますが、
診断の基準としているのは、
多くの場合は、
米国精神医学会が定めた「DSM(-5)」
や
世界保健機関(WHO)が定めた「ICD(-11)」に基づきます。
今回はこのうちの「DSM-5」に従った
「統合失調症」の診断基準をお書きします。
<統合失調症の診断基準>
A.以下のうち2つ(またはそれ以上)、
各々が1ヶ月間(または治療が成功した際はより短い期間)
殆どいつも存在する。
これらのうちの少なくとも1つは以下の(1)か(2)か(3)である。
(1)妄想
(2)幻覚
(3)まとまりのない発語(例:頻繁な脱線または滅裂)
(4)ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
(5)陰性症状(すなわち感情の平板化、意欲欠如)
B.障害の始まり以降の期間の大部分で、仕事・対人関係・自己管理等の面で
1つ以上の機能のレベルが病前に獲得していた水準より著しく低下している
(または小児期や青年期の発症の場合は
期待される対人的・学業的・職業的水準にまで達しない)。
C.障害の持続的な徴候が少なくとも6ヶ月間存在する。
この6ヶ月の期間には基準Aを満たす各症状(即ち活動期の症状)は
少なくとも1ヶ月(または治療が成功した場合はより短い期間)存在
しなければならないが、
前駆期または残遺期の症状の存在する期間を含んでもよい。
これらの前駆期または残遺期の期間では、障害の徴候は陰性症状のみか、
もしくは基準Aにあげられた症状の2つまたはそれ以上が弱められた形
(例:奇妙な信念、異常な知覚体験)で表されることがある。
D.統合失調感情障害と抑うつ障害又は双極性障害、精神病性の特徴を伴う
が、以下のいずれかの理由で除外されていること。
(1)活動期の症状と同時に、抑うつエピソード・躁病エピソードが
発症していない。
(2)活動期の症状中に気分エピソードが発症していた場合、
その持続期間の合計は、疾病の活動期および残遺期の持続期間の
合計の半分に満たない。
E.その障害は物質(例:乱用薬物,医薬品)又は
他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない。
F.自閉スペクトラム症や小児期発症のコミュニケーション症の病歴があれば
統合失調症の追加診断は顕著な幻覚や妄想が
その他の統合失調症の診断の必須症状に加え、
少なくとも1カ月(又は治療が成功した場合はより短い)存在する場合
にのみ与えられる。
次回は「統合失調症」と誤診され易い疾患をお書きしたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑧誤診されやすい疾患
今回は「統合失調症」と誤診され易い疾患をお書きしたいと思います。
<「統合失調症」と誤診され易い疾患>
①「短期精神病性障害」
幻覚や妄想など統合失調症に似た症状がみられるが、
長くても1ヵ月程度の短期間で回復する(※要経過観察)
②「統合失調症様障害」
統合失調症に似た症状が1ヵ月以上続き、
その後6ヵ月未満で治るもの(※要経過観察)
③「妄想性障害」
1つまたは複数の誤った強い思い込み(妄想)があり、
それが少なくとも1カ月間持続する
統合失調症の他の症状(例えば、幻覚、支離滅裂な発言や行動)は伴わない
④「統合失調感情障害」
幻覚や妄想といった統合失調症に似た症状と、抑うつ状態や躁状態
といった気分障害の症状が同時にみられる
⑤「双極性障害(躁うつ病)」
統合失調症=思考に従って症状が発症する
躁うつ病=気分に思考に従って症状が発症する
統合失調症=陽性症状と陰性症状の状態の間に、
正常な状態に回復することは無い
躁うつ病=躁とうつの状態の間には、
正常な状態に一旦回復する
※⑥「うつ病」
最近では陽性症状が目立たなく、
陰性症状を主とする統合失調症も増えているという報告があり、
うつ病と誤診される事もある。
いずれにしても、統合失調症に用いられる「抗精神病薬」は強い薬ですので、
誤診を避ける為にもセカンドオピニオンを求められた方が良いと思います。
それでは次回からは「統合失調症」の原因(と考えられるもの)について
お書きしてゆきたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑨(一般的に考えられている)考えられる原因
今回からは
「統合失調症」の原因(と考えられるもの)
についてお書きしてゆきたいと思います。
統合失調症の原因は、今現在はっきりとわかっておりませんので、
様々な仮説があります。
ただ、共通している考え方としては、
遺伝要因+環境要因の相互作用ではないか?という点です。
今回は、現在の主流となっている仮説をお書きしたいと思います。
<統合失調症の原因(と考えられているもの)>
統合失調症の原因は、今のところ解明されていないが、
①脳の発症脆弱性
(遺伝要因、妊娠や出産時の障害、社会的な環境要因、人格の発達過程等
多くの要因が関係しあって形成されると考えられている)
に加えて、
②心身両面からのストレス
とが関係しあって発病するという考え方(脆弱性-ストレス仮説)
が最も広く受け入れられている。
このうちの発症脆弱性は、
「脳の神経伝達物質の機能障害」との関係が明らかになりつつある。
この「脳の神経伝達物質の機能障害」とは、
ドーパミンによって情報を伝達している神経経路の1つである中脳辺縁系で
ドーパミンが過剰に放出されていると、
幻覚や妄想などの陽性症状が引き起こされるとされている。
そして逆に中脳皮質系の神経経路でのドーパミンの伝達低下によって
意欲減退、感情鈍麻等の陰性症状や認知機能障害が引き起こされる
と考えられている。(ドーパミン仮説)
他にも
セロトニンの過剰が陰性症状の発現と関連しているのではないか
とも考えられている。(セロトニン仮説)
更には
NMDA受容体を介したグルタミン酸機能の低下で
統合失調症の陽性症状/陰性症状のどちらも説明できるので、
それが原因ではないかという説も出てきている(グルタミン酸仮説)
次回からは私が考える「統合失調症」の原因(私論)
をお書きしたいと思います。
※あくまでも私の想像に過ぎませんが。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
➉本当の?原因<仮説(1)>
「統合失調症」について、私が常々疑問に思って来た事があります。
それは、統合失調症の発症の原因の一つと推測されている
「脳の発症脆弱性」(=発症し易い脳の構造や機能の異常がある)、
つまり
「脳の神経伝達物質の機能障害」を遺伝的な要因等で元々持っていた
とされている部分です。
と言いますのは、
もし生まれつき「脳の神経伝達物質の機能障害(発症脆弱性)」を持っていた
とするならば、
統合失調症の発症時期とされる思春期や青年期以前も、
それによる”徴候”が見られるのではないでしょうか?
でも、
それまでは”普通”の生活を送っていた方も多い様です。
また、
もう一つの要因と言われる「ストレス」にしても、
発症する前にも、
環境の変化や家族や学校、職場等での対人関係や勉強・受験、将来への不安
等の多くのストレス(極端な場合は虐待・ネグレクト・親との離別等も)に
晒されてきた筈です。
なのに、
それまでは平気だったものが、何故いきなり発症してしまうのか?
更には、
統合失調症とよく似ている症状である
「短期精神病性障害」「統合失調症様障害」等は、
「6ヶ月未満で治り、元に戻る」訳ですし、
「妄想性障害」では、
幻覚、支離滅裂な発言や行動こそ見られないが、
例えば「私は四六時中誰かに見張られてるに違いない」等といった
病識が無い妄想が続く訳です。
それはまるで、ダムの決壊の様に思えてなりません。
例えば、
構造上の問題があったり、
貯水量の限界値を越えて水が貯まり続けたダムの場合・・・
限界値を超えた水を蓄えた場合、
チョロチョロと水漏れし出すかも知れません。
ただ、
徐々に水が引いてゆき、何とか決壊には至らなかった場合が、
上記の3つの障害なのかも知れません。
一方、
貯水量が限界値を越えてダムが耐えきれず決壊してしまった状態が
統合失調症なのではないでしょうか?
そして、
決壊したダムを精査した結果、「側面に亀裂が入っていた」
とか「底面の強度不足」等と、
「ここが悪かった」「あそこが問題だ」と言ったところで、
一番の問題は貯水量が限界値を超えた事であって、
壊れたダムを検査しても、それは元々の欠陥なのか、
決壊した結果壊れたものなのか?区別がつかない事もあるのでは
ないでしょうか?
私の勝手な想像をお書きしますと、
統合失調症発症の一因とされる「脳の神経伝達物質の機能障害」は
あくまで結果であって、そこに至る原因が別にあるのでは?と思います。
それについて次回からお書きしたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑪本当の?原因<仮説(2)>
前回、
統合失調症の発症をダムの決壊に譬えて
「貯水量が限界値を越えてダムが耐えきれず決壊してしまった状態が
統合失調症なのでは?」
更には、
「統合失調症発症の一因とされる脳の神経伝達物質の機能障害は
あくまで結果であって、そこに至る原因が別にあるのでは?」
といった私の想像をお書きしました。
もしそうだとすればですが、
①「限界値を超えて(脳の)ダムが決壊するに至ったものは何か?」
②「”脳の神経伝達物質の機能障害”は何故起こったのか?その原因は?」
③「統合失調症の本当の原因と考えられるものは何なのか?」
という部分が気になる所です。
今回は上記「①」について、私の想像をお書きしたいと思います。
①統合失調症の誘因
~「限界値を超えて(脳の)ダムが決壊するに至ったものは何か?」
私の考えでは、発症に至る誘引としては、
ストレスに対する脳の防御反応が限界値を超えた結果だと想像しています。
どういう事かと言いますと、
(遺伝的な要因や家族からの暴言・DV等を受ける環境で育った、
いじめ等のトラウマチティックな出来事を経験した等の理由で)
「感覚過敏」、特に聴覚・視覚から入力される不快刺激に対する敏感さ
を有していた子供が居たとします。
その子は、
相手の怒声や不機嫌な表情に脅威を感じ、「相手を怒らせない様に」
と極度に気を遣い、自分の意見や感情を抑圧して相手に迎合したり、
他人との関わりを避けたり等、
まるで他人は「いつ銃で撃って来るのかわからない」という世界
を生きる事になってしまうかも知れません。
加えて、
親等の養育者との関係性の中で「愛着形成」が成されていなければ、
外にも内にも「安全基地」が無いといった、
まるでシェルターが無い戦場の中を生き抜いてゆくしか無くなるでしょう。
※余談ですが、その昔ベイトソンが統合失調症の原因と考えた
親と子の間の「ダブルバインド」理論の例では、
恐らくこのこの母子の関係性は「不安定型愛着」で、
子は恐らく「愛着障害」(=安全基地が作られない)になっている
と考えられますので、
統合失調症の原因としてはあながち無関係とは言えないと思います。
そうなると、
フロイドが言う所の自我の防衛機制等を最大限駆使して、
なんとか生き延びて来たが、
銃を持った人たちに至近距離で周りをぐるっと取り囲まれた
と感じる様なストレスに襲われると、万事休す。
今迄の防御反応が通用しなくなり、いよいよ命の危機に陥ります。
この危機的な状況では、
さながらダムが完全崩壊を防ぐ為に、
一部を決壊させる様な最終手段を採るでしょう。
つまり、
それまでの防御反応では防ぎきれない程にストレスが蓄積したか、
爆弾を投下される様な決定的なストレスを被った事が、
ダムの決壊を招いたものと考えます。
※またまた余談ですが、”陽性症状”の幻覚や妄想は、ひと言で言うと
「被支配・被コントロールによって自分の存在そのものが脅かされている」
感覚と言えると思いますし、
”陰性症状”における引きこもり、うつ状態等の自閉的な傾向は
過覚醒⇒低覚醒への移行のみならず、極めて自己防衛的に感じますので、
私の考えを裏付けている様にも思えます。
次回は、
②「”脳の神経伝達物質の機能障害”は何故起こったのか?その原因は?」
についての私の想像をお書きしたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑫本当の?原因<仮説(3)>
前回、
「遺伝的に或いは生育環境的に”感覚過敏”、特に聴覚・視覚から入力される
不快刺激に対する敏感さを有していた人が、
何らかの事情で愛着形成が成されなかった場合、
不快刺激に対して、ありとあらゆる防御反応を駆使して生き延びてきた」
「でも限界値を超える不快刺激の蓄積や大きな不快刺激を被った為に、
不快刺激によるストレスが個人の耐性の限界値を上回った場合、
自らの崩壊を防ぐために、脳は最終手段を講じるのでは?」
といった私が想像する統合失調症の一因をお書きしました。
今回は、
②「”脳の神経伝達物質の機能障害”は何故起こったのか?その原因は?」
についての私の想像をお書きしたいと思います。
②”脳の神経伝達物質の機能障害”とは?
~何故起こったのか?その原因は?
脳は大きく分けて3層構造になっています。
第一層は、「脳幹」(中枢神経系を構成する重要な部位が集まる器官で、
生命維持に関与する大きな役割を果たしている)、
第二層は「大脳辺縁系」(感情や情動の中枢)、
第三層は「大脳皮質」(知的・精神的活動の中心となっている部分)
です。
統合失調症は「脳幹」の視床、「大脳辺縁系」の基底核や扁桃体、
「大脳皮質」の前頭葉や側頭葉等の体積減少や血流低下等による
活動低下・活動異常によるものと考えられています。
ところで、皆さんは”悪夢”を見た事があるでしょうか?
恐ろしいものに追いかけられ、逃げても逃げても追いつかれる・・・。
或いは、恐ろしいシーンが何度も蘇る・・・等々。
夢を見てる時には「脳幹」から「大脳皮質」を活性化する神経刺激
が発せられることが確認されています。
そしてその刺激を受け取った大脳皮質が活性化され、
各領域に保存されたさまざまな記憶が引き出され夢体験となる
と考えられています。
そして、
大脳皮質のうち、後頭葉が刺激されて夢の中での鮮明な視覚体験が生じます。
(因みに側頭葉が刺激されると聴覚体験が生じます)
そして夢見中は、前頭葉(前頭前野)の活動が低下する事により、
思考や創造性、推論等の認知・実行機能も低下し、
夢の内容を能動的に変えようとしたり「これは夢だ!」とも思えない訳です。
(言ってみれば病識が無い否”夢識”が無い状態です)
統合失調症も、もしかすると
今迄の防御反応では防ぎきれない”生命の危機”に陥ったと感じた時に、
夢と同様に生命維持の中枢である「脳幹」が働き始めて、
生命維持の目的の為に大脳皮質を直接制御するに至ったのかも知れません。
もしそうだとすれば、
さながら「生命維持の最終兵器発動!」と言えるのかも知れません。
そして、
その目的に無関係な脳の部位(例えば前頭前野や大脳辺縁系の一部等)は
活動低下に陥り、結果として体積が縮小するのかも知れません。
だとしても、何故ドーパミンなのか?
それは恐らく、ドーパミンを多量放出させる事で、過覚醒状態に持ってゆき、
現実のストレスや不安・恐怖から助け出す為ではないか?と思います。
そして、
その”過覚醒”(陽性症状)の反動が”低覚醒”(陰性症状)状態であり、
セロトニン等を多量放出させて、活動を低下させるのかも知れません。
ただ、
”敵に囲まれて生命の危機”に陥ってる状態は変わりませんので、
所謂”擬死”の状態を創り出して自己防衛をしてるのでは?と思います。
それでは次回は
③「統合失調症の本当の原因と考えられるものは何なのか?」
について引き続き私の想像をお書きしたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑬本当の?原因<仮説(4)>
今回は私の想像のまとめです。
③「統合失調症の本当の原因と考えられるものは何なのか?」
前回までにお書きした事をまとめますと、
私が考える統合失調症に至る原因としては、
A:遺伝的に、或いは生育環境等によって感覚過敏を有している
特に視覚・聴覚からの不快刺激に対して敏感である
B:何らかの理由で愛着形成が成されなかった、もしくは不十分、
或いは一度形成された愛着が消失した
例えば、一度養育者を安全基地とみなし愛着形成が成されたとしても、
特に感覚過敏が強い子の場合は、思春期・青年期までの間に
(つまり愛着のパターンが手続き記憶として内在化される前に)
敏感過ぎるが故の誤解や思い込みによって、
愛着形成がリセットされ、安全基地を失ってしまったと思われるケースも
何例も見てきました。
C:そうなると、まるで安全な場所が無い戦場の中を生き抜く
様な感覚になり、
ありとあらゆる防衛機制・防御反応を武器に生きてゆく事になる
D:そのストレスの蓄積が限界を超えた場合や、
それでは防ぎようの無い大きなストレスに晒された場合は、
生命維持の最終兵器である脳幹が働き、
直接前頭葉を支配する様になる
E:生命維持の方法としては、
ドーパミンを活用し「陽性症状」にもってゆき、
恐怖・脅威から目を逸らさせる手法
と
セロトニンを活用し「陰性症状」にもってゆき
”擬死状態”となって身を守る手法がある
F:その結果、生命維持に関係が無い前頭葉等の部位は
活動低下し、委縮してゆく
以上、
私の勝手な想像をお書きして来ましたが、
万が一私の推論があたっていたとしても、
現に統合失調症に苦しまれているご本人やご家族はどうすれば良い
のでしょうか?
次回からは統合失調の寛解に向けての治療のうちの薬物療法について
お書きしたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑭寛解に向けて~薬物療法(1)薬の種類と作用
今回は
「統合失調症」の薬物療法に主に使用される薬の種類と作用について
お書きしたいと思います。
<統合失調症に使われる主な薬の種類と作用>
「統合失調症」に対して用いられる薬は、
まず「抗精神病薬」と言われるものです。
そしてこれには大きく分けると、
「定型抗精神病薬(従来型)」
と
「非定型抗精神病薬(新規)」
の2つがあります。
最初に開発されたのが「「定型抗精神病薬」で
「コントミン」(クロルプロマジン塩酸塩)、「セレネース」(ハロペリドール)、
「ドグマチール」(スルピリド)等があります。
これらは、
中脳辺縁系のドーパミンD2受容体を遮断・阻害する事によって、
”陽性症状”を抑える作用があります。(陽性症状の出現にはドーパミンの
働きが過剰に促進されている事と関係していると考えられているからです)
但し、
これらの従来型の抗精神病薬は副作用が強く出る事が多かったのと、
”陰性症状”には効果が期待できなかった事もあり、
それらの欠点をカバーすべく開発されて、今現在第一選択薬とされているのが
「非定型抗精神病薬」です。
これには、
「リスパダール」(リスペリドン)、「ルーラン」(ペロスピロン)、
「ジプレキサ」(オランザピン)、「エビリファイ」(アリピプラゾール)
「レキサルティ」(ブレクスピラゾール)等があります。
これらに共通しているのは
ドーパミンD2受容体とセロトニン2A受容体を遮断・阻害する事で、
ドーパミン過剰による&”陽性症状”とセロトニン過剰による”陰性症状”を
抑える事を目的としています。
※「エビリファイ」は、ドーパミンを遮断・阻害するだけでなく、
適度な量に調整する働きを持ちます
※「レキサルティ」は、セロトニンに対する遮断・阻害作用が強いので、
特に”陰性症状”の改善にも特化していると言えるでしょう
※私は心理師であって、医師ではありません。
従って薬剤の処方は勿論できませんし、
お薬に関するご相談はできませんので、ご了承下さい
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑮寛解に向けて~薬物療法(2)副作用と離脱症状
今回は
「統合失調症」の薬物療法による副作用と
何らかの事情で減量、断薬された時の離脱症状について
お書きしたいと思います。
<抗精神病薬による主な副作用>
・薬剤性パーキンソニズム(震え・筋肉のこわばり、小刻み歩行等)
・アカシジア(むずむず、ソワソワしてじっとしていられない等)
・急性ジストニア(筋肉の異常な収縮が起き舌や口が出てしまう、
歯を食いしばり口が引けない等)
これらは、薬によって過度にドーパミンが遮断される事による副作用
(錐体外路症状)です。
他にも
・高プロラクチン血症(生理不順や母乳が出る、胸が張る等)
・ふらつき・眠気
・体重増加
・悪性症候群(発熱、反応が鈍くなる等の意識障害、震えや筋肉の強い強張り、
心拍数や呼吸数の増加、筋肉の組織が壊れることによって
腎臓に負担がかかる等)
・不整脈
・高血糖(特にジブレキサ等による食欲増加)
・下痢や嘔気
また、
「定型抗精神病薬」では、それらに加えて以下の副作用が出現する
場合もあります。
・起立性低血圧(立ちくらみ)
・口渇、便秘、眼圧上昇、排尿困難
<副作用を抑える薬>
副作用を抑える薬としては、
抗精神病薬によって、ドーパミンが遮断され過ぎた事から来る副作用
(主に錐体外路症状)を抑える為に、
「抗パーキンソン病薬」が使われる事があります。
これは例えば糖尿病患者さんが、
インシュリンを注射し血糖が下がり過ぎると倒れますので、
血糖を上げる食べ物を食べて調節するのと似ています。
但し、
この「抗パーキンソン病薬」にも口渇、便秘、眼圧上昇、排尿困難等の
副作用が出る場合もあります。
そう考えれば、
生体内の絶妙なホルモン(神経伝達物質)バランスを制御している
生体の神秘を感じさせてくれます。
※副作用を抑える薬としては他にも便秘薬等も使われます。
<薬の減量・中断による離脱症状>
最後に、
薬の減量や突然の使用の中断は絶対に自己判断で行わないでください。
薬で何とか症状を止めている訳ですから、
減量や中断によって再び症状が(より)強く出たり、
悪性症候群等が出現する場合もあります。
次回からは
統合失調の寛解に向けての治療のうちの心理療法について
お書きしたいと思います。
※私は心理師であって、医師ではありません。
従って薬剤の処方についてや減薬/断薬については
ご相談に乗れませんので、ご了承下さい
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑯寛解に向けて~心理療法(1)
前回までに
私が想像する「統合失調症」の原因として、
・「遺伝的に、或いは生育環境等によって感覚過敏を有している」
・「愛着形成が成されなかった、或いは消失した為に、
他人との交流や日々の生活は、あたかも安全基地の無い戦場を
生きる様な危険や恐怖に晒される事になる」
・「その為に、ありとあらゆる防衛機制・防御反応を武器に生きてゆく
事になる」
・「そしてそのストレスの蓄積が限界を超えた場合や、
それでは防ぎようの無い大きなストレスに晒された場合は、
生命維持の最終兵器である脳幹が働き、直接前頭葉を支配する様になる」
・「この生命維持の方法としては、
ドーパミンを活用し「陽性症状」にもってゆき、
恐怖・脅威から目を逸らさせる手法と
セロトニンを活用し「陰性症状」にもってゆき
”擬死状態”となって身を守る手法がある」
とお書きしました。
勿論、
私のこの想像は科学的に裏付けられている訳ではありませんが、
もし仮に「当たらずとも遠からず」だとすれば、
統合失調症に対して、心理療法に何ができるのか?を考えてみました。
私は以前、「統合失調症」の発症をダムの決壊に譬えました。
それになぞらえてお話しますと
元々、貯水容量が多くないダム(感覚過敏)で、
ダムの厚みも薄く基盤も弱く(安全基地が無い)、
しかも台風等で岩や倒木が流れ込んで来た為に
ダムの壁に亀裂が沢山入っていた(ストレスやトラウマ)。
そこへ大きな台風によって、大量の水と土砂がダムに流れ込んできた
(発症のきっかけとなるストレス)。
ダム全体の崩壊を避ける為にダムは自ら壁に穴を開け、
大量の水を放出し始めた(症状の発症)。
ここでまず必要な事は、壊れかけたダムを直す事ではなく、
下流の被害とこれ以上の崩壊を防ぐ為に、
ダムにこれ以上の水が流れ込む事を防いだり、
貯まった水を安全に減らしてゆく事だと思います。
言ってみれば薬物療法はこの緊急措置に当たると思います。
そしてそれが行われてこそ初めて、ダムの傷んだ部分を修復したり、
強度を増したり、ダムとして再び機能できる様にする事が可能となるでしょう。
私が考える心理療法の役目はこの部分だと思います。
※心理療法は主に双方向の「対話」によって行われますので、
急性期の陽性症状が強く出られている場合や陰性症状が強く、
「他人と話すどころではない」という場合は、
薬物療法によってある程度落ち着かれてから
(譬え幻聴・妄想等があっても)でないと難しいです。
次回からは、
私が想像する「統合失調症の原因」を基に、
心理療法のヒントをお書きしてゆきたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑰寛解に向けて~心理療法(2)
統合失調症の方への心理療法は、
まず前回お書きした様に薬物療法等によって、
双方向の「対話」が可能になった状態である事が条件だと思います。
そしてその「対話」が少しでも可能であれば、お手伝いができると思います。
今回からは、私の考える”仮説”に基づいての心理療法について
お書きしてゆきたいと思います。
<統合失調症の方への心理療法①>
①前頭葉の機能を回復させる
私の”仮説”が少しでも正しければ、生命の危機を感知した生体のシステムは
三層構造の脳の最下(深)層である脳幹が、その危機的状況を救う為に、
最上(表)層である大脳皮質(や中間層の辺縁系)をコントロールしている状態
が統合失調症ではないか?と考えられます。
もしそうであるならこれは言わば「ボトムアップ状態」と言えるでしょう。
一方、
統合失調症をはじめ、メンタル疾患と言われる状態にはない人は
日常生活の多くの場面(特に実行機能が必要とされる場面)では、
大脳皮質がイニシアチブを採る「トップダウン状態」にあると言えます。
だとすれば、再度大脳皮質(特に前頭葉)がイニシアチブを採る
「トップダウン状態」に徐々に戻してゆく必要があると思います。
(1)傾聴
譬え、幻覚や妄想だとしても否定せずに、
その方の今の苦しみ・お悩みに共感してゆく。
(2)双方向の対話
可能であれば、過去の思い出話等、双方向の対話に持ってゆく。
(対話をする時には大脳皮質や辺縁系が活動しますので、
その活性化を狙います)
(3)心理教育
”声”や”考え”は悪夢と同じで、脳幹からの刺激で、
大脳皮質が勝手に反応していると説明する
(4)幻覚や妄想等の外在化
「その”声”の主に名前を付けるとすれば何て呼ぶとぴったりですか?」
等と外在化し、前頭葉の自我意識と幻覚・妄想とを徐々に切り離してゆく。
(5)マインドフルに客観視できる状態を強化してゆく
例:「あなたに”お前は周りの人から狙われてるぞ”と言ってきてる
”声の主”は確か”恐怖の大王”だと仰っていましたね!
そいつが今度は何を言ってきてます?」
「今度カウンセリングを受ける迄の間に”恐怖の大王”が言ってきた事を
できるだけ書き出し、それに対して”あなた”はどう思って、
どんな気持ちになったか?も書き加えて持って来てもらえませんか?」
「これからは声が聞こえたり、ある考えが浮かんで来たら、
その度に”今、〇〇が△△と言ってきてる”
とか、
”今□□が××という考えを吹き込んできてる”
等と頭の隅っこで思って下さい」等々。
(5)認知療法
”声”や”妄想”を客観視でき、自分から切り離す事ができれば、
それらが伝えて来てる内容を書き出して、
それを「裏付ける証拠(事実)」
と
「そうじゃないのでは?の証拠(事実)」
をそれぞれ書き出して見比べる。
そして声や妄想が伝えてきている内容を信じる度合いが少しでも減れば、
その内容に”突っ込み”を入れる。
例「インターネットを介して、私の考えてる事がみんなに知れ渡ってしまう」
⇒「またまた~、そんな事が可能なら戦争や犯罪なんて起きないだろうし、
ノーベル賞もんやで」等々。
※この部分は上記「(5)」までができる様になってからです
次回は統合失調症の方への心理療法②として、
「大脳資質と辺縁系の機能と連携の強化」についてお書きします。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑱寛解に向けて~心理療法(3)
今回は、
統合失調症の方への心理療法②として、
「大脳資質と辺縁系の機能と連携の強化」についてお書きします。
<統合失調症の方への心理療法②>
②大脳資質と辺縁系の機能と連携の強化
(私の仮説に依れば、ですが)脳幹による大脳皮質の直接制御によって
機能低下した大脳皮質と辺縁系の機能と連携を強化します。
(1)能動的なインプット
過去のポジティブな(楽しかった・面白かった、幸せを感じた等)出来事、
今のポジティブに感じる事柄(〇〇が好き、〇〇が美味しい、楽しい等)
を思い浮かべます。
更に、
未来のポジティブな(もし今の病気が治って、しかも億万長者になったら
何をしたい?等)想像を思い浮かべます。
(2)思考(大脳皮質)と感情(辺縁系)を繋ぐ
それぞれの出来事に対して
「どう思うか?どう感じたか?どんな気持ちになるか?」
等の答えを言ってもらったり書いてもらう。
※普段からでも、好きな音楽・絵画や映画・ドラマ等を選んでもらって、
それに対する感想や沸いてきた気持ちを言ってもらったり書いてもらう
事も役立つでしょう
(3)前頭葉の強化
前頭葉を中心としたトップダウン状態に戻す為に、
例えば
「過去の失敗や苦い経験」を思い出してもらい、
「今後それを二度と繰り返さない為にはどうすれば良いか?」
とか
「これから先の不安」について、
「そうならない為には今何をすればよいのか?」等と考えて頂き、
前頭葉の働きによる「客観視」や「実行機能」の強化を図ります。
次回は、
「感覚過敏」の環境調整、「愛着形成」、「トラウマ処理」
についてお書きしたいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
統合失調症
⑲寛解に向けて~心理療法(4)
前々回にお書きした方法(①前頭葉の機能を回復させる)
と
前回お書きした(②大脳資質と辺縁系の機能と連携の強化)が
充分に成されれば、
「感覚過敏」の環境調整や「愛着形成」、
(必要があれば)「トラウマ処理」等へ移ります。
③「感覚過敏」の環境調整・「愛着形成」・「トラウマ処理」
(1)「感覚過敏」への環境調整
できるだけ不快な音や声、他人の気配等を感じずに済み、
視覚的にも非刺激的な場所を確保する、
或いは、イヤーマフ・ノイズキャンセリング、サングラス等を駆使しして
本人にとっての不快刺激をできるだけ防御する、等
(2)「愛着形成」
本人自身の「大脳皮質」と「辺縁系」の間で愛着形成を図ってゆく
※その詳細は以前にお書きしましたので、今回は割愛させて頂きます
(3)「トラウマ処理」
必要があれば、
EМDRでも、TAゲシュタルトでも、NLPのスイッシュでも、
その人にあった方法でトラウマの処理を行います
※これも以前にお書きしましたので、割愛します
以上、
ここまで統合失調症について、その考えられる原因と寛解に向けての
方法・手段をお書きして来ました。
本疾患で悩まれておられるご本人やご家族の方の中で、
ご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡下さい。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
「被害妄想、幻聴・幻視=統合失調症」とは限らない
「アパートの隣人が盗聴器をしかけて24時間監視し、悪口を言い続けています」
「家族が私を殺そうとしています」
「近所の人や道ですれ違う人が皆、私の悪口を言うので、外出が恐いです」
統合失調症に襲われた人は、主に「陽性症状」として、被害妄想や幻聴・幻視等に襲われる場合が多いです。
それ故「妄想」や「幻聴」等の症状がみられた場合は、
お医者さんは「統合失調症」と診断し、薬物治療を行う場合が多いと思います。
ところが、何年薬での治療を続けても一向に改善しない、等の場合は
他の疾患の可能性も考慮する必要があるのかも知れません。
というのは、妄想や幻聴等は例えば、重度のうつ、解離性障害、
PTSDやトラウマから生じるもの、薬物・アルコール等の乱用によるもの、
BPD等でも生じる場合があるからです。
それでは、その「妄想」や「幻聴」等が統合失調症によるものなのか?、
他の疾患からなのか?をどうやって見分ければいいのでしょうか?
その目安としては(注:絶対ではありませんので必要な場合は
必ず精神科医にセカンドオピニオンを求めて下さい)
①本人がその「妄想」や「幻聴」を「事実だと確信」しているか否か
→統合失調症の人は「悪口を言われてるのは事実だ」
「家族や隣人が実際に危害を加えようとしてる」と信じ込んでいる事が殆どです。
逆にその他の疾患の場合は、「そういう”気が”する」、
「そうに違いないと”思う”」等といった認識が本人にある場合が多いです。
※ご本人にとってはそれは”本当の声”なのでご本人がその声に返答したり反応すると
”向こう”もそれに返答して来る事が殆どです。
ですから、傍から見てると独りで誰かと対話”してる様に見えたりもします。
例えば、この前いらっしゃた方は「皆が私の悪口を言ってる」という事で、
統合失調症という診断で長年病院で治療されてきたがよくならない
(特に陽性症状を抑える薬が効かない)。
最近医者が「どうも違う疾患かも知れない。一度カウンセリングを受けてみたら?」
と仰ったそうです。
詳しくお聞きすると、外で話し声や音がすると頭の中で”私の事を言ってるに違いない”
という声がするらしい。
「その声は、実際にそう言ってるのですか?それともあなたの思考ですか?」
とお尋ねすると
「・・・思考だと思います。そう言われてる”気”がするんです」とお答えになった。
その方は、過去にトラウマになる様な体験をされてそれが、被害妄想や幻聴
(=頭の中での思考)を生じさせてると推測されたので、トラウマ治療
をさせて頂きました。
②声の内容と発症時期
→声の内容とすれば、統合失調症の場合は多くの場合、本人の悪口や噂、命令等、
本人に被害を生じさせたり、危害を加えたり等のネガティブな内容が多く
(中には”誇大妄想”という場合もありますが)十代後半~20歳、30歳位の間
に突然発症する事が多いです。
ですから例えば「幼い頃からずっと頭の中で声が聞こえてていて、
ネガティブな声ばかりじゃなかった」等という場合は解離性(同一性)障害等、
他の疾患の可能も考えられます。
勿論これだけで判断する事はできませんし、逆に本当は統合失調症なのに、
他の疾患と間違われていた、というケースもあるでしょう。
ですからこの記事を読んで、もしご自分やご家族の診断に疑いを持たれた場合は、
信頼できる精神科でセカンドオピニオンを求められる事がいいと思います。
#統合失調症のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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