人間関係の悩み④他人への恐怖の解消・緩和(1)
人間関係の悩み④他人への恐怖の解消・緩和(1)
<前回からの続き>
<他人への恐怖の解消・緩和(1)>
①トラウマの解消
他人への恐怖のきっかけとなった出来事が限定的(事故・事件、
行きずりの被害、学校でのいじめ等)な場合は、
EМDR等でそのトラウマの解消をした方が良いでしょう。
(詳細は省略します)
②発達性トラウマの場合
幼少期に主に被虐待的な所謂機能不全家族や否定的な家族環境の中で
育った場合、
長期に渡って日常的にプチトラウマを負い続けます。
そうして
「発達性トラウマ障害」や「複雑性PTSD」等と呼ばれる状態になった場合は、
トラウマが無数にある訳ですから、一つ一つのトラウマのを解消してゆく事
は現実的ではありません。
ただ、
無数のトラウマを与えた”相手”は絞る事ができる筈です。
そして、
その”相手”への恐怖を無意識のうちに今の人間関係にダブらせてしまい
(転移と言います)、
今の特定の相手への恐怖心を募らせるという事はよくある事だと思います。
例えば、
子供時代に母親から精神的な虐待を受けて育った女性が、
常に旦那さんの機嫌を伺ってしまい、
自分の言いたい事を言えずに苦しんでいるとします。
そうした場合は、
無意識のうちに旦那さんに母親をダブらせてしまっているのかも知れません。
もしそうなら、
(詳細は省きますが)自我状態療法の抵抗架橋法やTAゲシュタルト療法等で、
幼かった時の自分に身を置いて、当時の母親に言いたかった事をぶつける、
等は役に立つでしょう。
また、
(例えば、旦那さんに母親をだぶらせてるとわかれば)旦那さんの顔を見、
声を聴きながら、
母親との違いに注目してゆき、「この人はお母さんじゃない」と
自分に言い聞かせる様に何度もつぶやく、等も役に立つでしょう。
但し、
この「発達性トラウマ障害」を抱えてしまう事になった人と
「過敏さ」によって他人への恐怖を感じてしまう人は多くの場合、
神経系や感情等を人間関係の中で調整する(協働調整)力や
自分で調整する(自己調整)力が弱い場合が多いですので、
それを高めてゆくヒントを次回からの「③過敏さを持っている人の場合」
に絡めてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>