人間関係の悩み③どうして他人が怖くなったのか?

人間関係の悩み③どうして他人が怖くなったのか?

<前回からの続き>

前回、

「他人への恐怖や不信感がぬぐわれない限りは対人交流への意欲は生じず、
 他人との適切な距離感や境界線を引くというのは、
 その恐怖が払しょくされてからの話になる」

とお書きしました。



それでは、
「他人への恐怖」はどの様に形成されて行ったのでしょうか?



今回は、その原因を推察してみたいと思います。






<「他人への恐怖」の原因>






①トラウマ



信頼していた人からの裏切りや他人からの暴力・いじめ・性被害等は
トラウマになるでしょう。

また、
幼少期に親等に虐待やネグレクトされたり、或いは否定されて育つと、
1回きりのトラウマではなく、何年間にもわたっての
無数のトラウマを抱える事になります。(=発達性トラウマ)



この様なトラウマを抱えてしまうと、
当然他人への恐怖を感じる様になるでしょう。






②刺激への過敏さ



「過敏さ」を持っている人の場合も他人への恐怖を感じ易くなるでしょう。



例えば、
誰しも幼い頃に親や先生等に叱られた時等に、
大人の怖い顔や機嫌の悪い声や張り詰めた空気感等を感じた事がある
と思います。

そういった事に対して、そこまで敏感ではない子は大丈夫でしょうが、
過敏さを持っている子はそれがトラウマになる事も多いはずです。

それどころか、(そういった過敏さを持った子は)
例えば、自分の兄妹やクラスの他の子が怒られたり、
父親が母に声を荒げただけでも、他人への恐怖を強く感じる事もあるでしょう。



或いは、
そういったトラウマチックな出来事が無かったとしても
「過敏さを持った子」は、
自分の予想とは違う反応(特にネガティブな)や自分では理解できない反応
を相手が示すと

 「混乱し心が不安定になる」

「否定された」「傷つけられた」「混乱させられた」等と認識

「相手を脅威と認識」

「交感神経系や背側迷走神経系による防衛反応で自分を守ろうとする」



※この「過敏さ」は生まれ持ったものと、
 子供にとって被虐待的な環境や否定的な環境で育った等の原因によって
 後天的に身についていった場合もあると考えます



※特に愛着やトラウマの問題があった場合は
 協働調整や自己調整ができないので、
 防衛反応が大人になっても維持されてしまう事も多いと思います






それでは
どうすれば「他人への恐怖」を解消・緩和する事ができるのでしょうか?



そのヒントを次回からお書きしてゆきたいと思います。

<次回へ続く>