パーソナリティ(人格)障害とは?

パーソナリティ(人格)障害とは?

目次

「僕の彼女は優しい時は凄く優しいのに見捨てられ不安が異常に強く、
 ちょっとLINEの返信が遅れると罵詈雑言を浴びせて来る・・・。

 この前なんかは”死ぬ!”と言って薬物のオーバードーズをして、
 救急車を呼んだ。もう3回目だ・・・。

 リストカットの跡もあるし、きっとボーダー(境界性パーソナリティ障害)
 に違いない」



「うちの旦那は私や息子に事あるごとにダメ出しする。

 会社の同僚や後輩にも偉そうに電話してたし、
 家に帰って来てからも”周りは無能な奴らばかりだけど、
 いかに俺は優秀か”という話を聞かされる・・・。

 食事に入ったお店の店員にも暴言を吐くので、こっちが恥ずかしくなる。

 旦那のモラハラでもう限界だ・・・。
 調べたら、自己愛(性パーソナリティ障害)にぴったり当てはまる」






皆さんも、
一度ならず「パーソナリティ障害」という言葉を耳にされた事が
あると思いますし、実際に身近な人がそれに当てはまるのでは?
とお感じになっておられる方もいらっしゃるでしょう。



「パーソナリティ障害」とは、

本人に重大な苦痛をもたらすか、日常生活に支障をきたしている
思考、知覚、反応、対人関係のパターンが長期的かつ全般的にみられる人
に対して診断される疾病で、
約10%の人は何らかのパーソナリティ障害を有していると言われています。



そして、
その原因は「遺伝要因」「環境要因」の相互作用と考えられています。






次回からは
米国精神医学会による診断マニュアル(DSM-5)に基づいて分類された
10種類のパーソナリティ障害について、

私なりに考える原因と寛解に向けてのヒントをお書きしてゆきたい
と思います。

#パーソナリティー障害(人格障害)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

パーソナリティ(人格)障害の10種類

 

米国精神医学会による診断マニュアル(DSM-5)では
パーソナリティ障害は以下の10種類に分類されています。

◎A群(奇妙または風変わりな様子が特徴的)

①妄想性パーソナリティ障害
 :不信と猜疑心



②シゾイドパーソナリティ障害
 :他者に対する無関心



③統合失調型パーソナリティ障害
 :奇妙または風変わりな思考と行動






◎B群(演技的、感情的、または移り気な様子が特徴的)

④反社会性パーソナリティ障害
 :社会的無責任、他人の軽視、欺瞞、自分の利益を得るための他人の操作



⑤境界性パーソナリティ障害
 :一人でいることに関する問題(見捨てられる恐れによる)、
  感情や衝動的行動をコントロールすることの問題



⑥演技性パーソナリティ障害
 :人の注意を引きたい欲求と劇的な行動



⑦自己愛性パーソナリティ障害
 :もろい自尊心、賞賛される必要性、
  および自分の価値についての過大評価(誇大性と呼ばれる)






◎C群(不安や恐れを抱いている様子が特徴的)

⑧回避性パーソナリティ障害
 :拒絶される恐れによる対人接触の回避



⑨依存性パーソナリティ障害
 :服従と依存(世話をしてもらう必要性による)



➉強迫性パーソナリティ障害
 :完全主義、柔軟性のなさ、頑固さ






次回から①~➉の10種類のパーソナリティ障害
私なりに考える原因と寛解に向けてのヒント
を一つ一つお書きしてゆきたいと思います。

 

 

妄想性パーソナリティ障害の特徴

 

今回は、
「妄想性パーソナリティ障害」の特徴について、
お書きしたいと思います。






<妄想性パーソナリティ障害とは?>

「妄想性パーソナリティ障害」とは人を信用できない障害で、

客観的な根拠がなくても他人が自分を利用したり搾取する
危害を加えたり、騙したり陥れようととしている等と疑っていて、
侮辱、軽蔑、脅しがみられないか常に警戒している状態です。

<妄想性パーソナリティ障害の例>

「職場の後輩のAは、俺によく”リーダー、いつも遅くまでご苦労様です!”
 と声を掛けてから先に帰ってゆく・・・。

 この前、課長からも”君はいつも遅くまで頑張っているらしいな。
 無理するなよ”と言われた・・・。

 きっとAの奴は俺が仕事を時間内に終えられない能無しだと課長にチクって
 課長と共謀して俺をリーダーから引きずりおろそうとしているんだ。

 あいつら、許せない!Aと課長の自宅はわかっているから、
 火をつけてやろうか・・・」

架空とは言え、いきなり物騒な例をお書きしましたが、
次回は私の推察に基づいて「妄想性パーソナリティ障害の原因」
お書きしたいと思います。

 

 

妄想性パーソナリティ障害の原因

 

前回の(架空の)例

「職場の後輩のAは、俺によく”リーダー、いつも遅くまでご苦労様です!”
 と声を掛けてから先に帰ってゆく・・・。

 この前、課長からも”君はいつも遅くまで頑張っているらしいな。
 無理するなよ”と言われた・・・。

 きっとAの奴は俺が仕事を時間内に終えられない能無しだと課長にチクって
 課長と共謀して、俺をリーダーから引きずりおろそうとしているんだ。

 あいつら、許せない!Aと課長の自宅はわかっているから、
 火をつけてやろうか・・・」



上の例でこの人は、

・相手から馬鹿にされる事(=不快)

・自分の知らない所で悪意のある密談が行われる事(=不快)

・リーダーの座を奪われる事(=不快)

といった、不快刺激に対する敏感さを有していると考えられます。

だから、必要以上に不快刺激を避けようと警戒し続ける訳です。



更に、
後輩や課長の言い方や表情、態度等の五感からのインプット(=刺激)の
ほんのちょっとした違和感や他の人に接する時との僅かな差異を感じ取って

「俺を陥れようとしているに違いない」といった結論を出した
のかも知れません。



そして、
「許せない!・・・火をつけてやろうか?!」という部分は、
MAXに達した不快刺激から身を守る為の防衛反応だと考えられます。

以上の事から、
「妄想性パーソナリティ障害の原因」として
私は以下の原因を推測しています。






<私が考える妄想性パーソナリティ障害の原因>

①刺激に対する敏感さを有している



 遺伝的なもの、或いは父母や養育者等のマルトリートメント(不適切な養育)、
 幼い頃のトラウマとなる出来事等によって、
 先天的、または後天的に敏感である。


 

②侮辱、軽蔑、脅し、搾取、危害を加えられた、騙された、裏切られた体験
 によるトラウマがある



 その出来事がトラウマになるか否か?は
 恐らくその人の敏感さの度合いによると思います。

 つまり同じ出来事でも、敏感さが強ければ強い程、トラウマになり易く
 それ程敏感ではない人はトラウマになりにくいと考えます。


 

③愛着の問題によって、耐性が無い為にトラウマが残り続ける



 そうしてできたトラウマが残り続けるか否か?は
 耐性の問題が絡んで来ると考えています。

 つまり、譬え敏感さが強くてトラウマができ易い人であっても、
 愛着形成がなされていて耐性の窓が育っていれば、
 トラウマによる反応が長期間持続する事は避けられると思います。

 私は愛着形成が成されなかったのは一概に親(養育者)だけの責任
  であるとは考えません。
  即ち、子が極端に敏感であれば、愛着形成がより難しくなる
  と考えるからです

④防衛反応が恒常的に持続し続け、皮質側(意識)が機能停止している



 上の例の場合は、”相手からの攻撃”といった危機的な状況に備え続け、
 ”戦う”、”敵をやっつける”といった防衛反応が作動し続けている
 と言えるでしょう。

 これは耐性の窓が広がらず、辺縁系側の無意識の防衛反応が
 常に働き続け(過覚醒)、意識(皮質側)が抑え込まれてしまっている為、
 正常な判断ができない状態と言えるでしょう。

 それはまるで戦場にいて、”いつ敵に撃たれるかわからない”
 といった状況下では、皮質側の冷静な判断が無効になってしまう
 のと似てると思います。





 
もしそうだとすれば、
妄想性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?



そのヒントを次回お書きしたいと思います。

 

 

妄想性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

 

今回は前回お書きした「妄想性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。






<妄想性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

①敏感さを強めるストレスを減らす

ストレスが高じると、その人の特性(ここでは敏感さ)が強く表出する
と考えられます。

そこで、できる限りストレスを減らす工夫が必要だと思います。



 
(1)環境調整

例えば、敏感さを刺激してしまう学校・仕事から離れる、
席替え、部署替え、転居、部屋替え、防音の工夫、実家から出る、
等々。

(2)ストレスから来る心の不安定さを安定させる

刺激(ストレス)によって不安定になった心の安定化の方向としては、
(以前もお書きしましたが)、

A.不快刺激のシャットアウト(GABA・セロトニン型)

B.快刺激を求める(ドーパミン型)

C.愛情・愛着・安心等をもたらしてくれる人との交流(オキシトシン型)

の主に3種類があると私は考えています。



そして、
その最も適切な比率/割合は個々人によって違う筈です。



例えば、
ある人にとっての適切な割合がA40%、B40%、C20%とすれば、

「勝ち負けを競うオンラインゲームをして、
 チームの仲間と楽しいチャットをする」等は、
理想の比率に近いのかも知れませんし、

また別の人の適切な割合がA70%、B20%、C10%とすれば、

「自室にこもって好きなお菓子を食べながら大好きなアイドルの動画を見る」
が、丁度良い割合になるのかも知れません。

②トラウマの解消

明確なトラウマがある場合は、トラウマの解消を行っても良いと思います。

例えば、EМDR、自我状態療法、等、
カウンセラーが得意なものに委ねてもいいと思います。

③愛着の(再)形成

愛着の(再)形成は何歳になってからも可能です。

その方法は以前お書きしましたので省略しますが、
 詳しくお知りになりたい方はお気軽にご相談下さい

④意識(皮質)の機能を取り戻す

辺縁系(無意識)から自動的に湧き出てくる、記憶や感情、思考や感覚が
皮質側(意識)を凌駕し続けている為に、偏った捉え方や感情・感覚等が
制御不能になっていると考えられますので、
皮質側(意識)の働きを取り戻す必要があります。

その為には、マインドフルネス認知行動療法、スキーマ療法、
ゲシュタルト療法、フォーカシング、ハコミ等が有効と考えられますし、

皮質側を働かせないと不可能である体験、
例えば(特にドーパミン型の割合が高い人は)独りで海外旅行に行く
等も良いと思います。


 

シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の特徴

 

今回は、
「シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害」の特徴
ついてお書きしたいと思います。






<シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害とは?>

「シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害」とは、
他人と親密になりたいと思わず、一人でいることを好む。

家族以外に親しい友人や信頼できる人がいないばかりか、
時には家族さえも疎遠になる。

社会的関係から距離を取り無関心で、他人からの賞賛や批判に興味がなく
周囲が自分をどう見ているかも気にならない

それ故、社会的に孤立する事が多い。

また感情表現が少なく怒りや喜びのような強い感情を抱くことも滅多に無い

といった特徴があります。






<シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の例>

「研究職のAさんは、仕事熱心で真面目で周囲の評価も高かった。

 ただ、社内の誰とも交流する事も無く、休みの日は誰にも会わず、
 ペットと過ごしている様だった。

 ある時、チームのリーダーが抜けてしまい上司はAさんを後釜に指名した。

 ところがAさんはリーダーになっても、他の社員との交流はおろか、
 ミーティングや雑談でさえ行う様子が見られない。

 業を煮やした上司が強く叱責しても「わかりました」というだけで
 一向に行動が変わらない。

 そこで上司は「リーダーとしてチームをまとめてくれれば、
 君を昇給・昇格させようと思う」と誘い水を向けても、
 「僕はそういうものには興味が無いんです」と埒が明かない

 そのうちに、チームメンバー達は面と向かってAさんを批判したり、
 冷たい態度を採る様になったが、Aさんは「どこ吹く風」で淡々と
 自分の仕事だけこなし続け、やがて社内で孤立する様になっていった」






次回は私の推察に基づいて
「シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の原因」
をお書きしたいと思います。

 

 

シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の原因

 

前回お書きした(架空の)例でこの人は、

・人との交流を不快と感じて極端に避けている点(=不快刺激を避ける)

・仕事に没頭する点(=不快刺激を避ける)

・自分の感情や相手の感情を感じない様にしている点(=不快刺激を避ける)

・ペットを可愛がっている点(=動物との交流は快刺激)

といったところから、
不快刺激を極端に避ける(自分なりの快刺激を満たす)傾向が感じられます。

そういった意味では”鈍感”ではなく、本来は”敏感”であると考えられます。

ただ、もしそうだとしても
何故「他人との交流」や「感情の起伏」等を不快刺激と捉えてしまった
のでしょうか?



これも私の想像ですが、恐らくこういった人は、

「自分でコントロールできない事」(=他人、感情等)への
コントロール不全にまつわる不快感に過敏になっていたり、

いつもと違う”差異”(いつもと違う相手の反応や自分の心の動き)
が不快刺激となって、

「回避」という防衛戦略を採り続けているのだと思います。
(ペットや自分独りでの研究は比較的コントロールし易い)



だとすれば、
幼い頃に誰かとの関係の中で、
その人にとってはトラウマチックな出来事があったのかも知れません。



以上の事から、
「シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の原因」として
私は以下の原因を推測しています。






<私が考えるシゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の原因>

①刺激に対する敏感さを有している



 遺伝的なもの、
 或いは父母や養育者等のマルトリートメント(不適切な養育)
 幼い頃のトラウマとなる出来事等によって
 先天的、または後天的に敏感である


 
②コントロール不全に関するトラウマがある



 例えば、幼い頃泣き出すと親に”泣くな!”とキレられる
 という事が幾度となく繰り返された(自己感情のコントロール不全)

 或いは、毎夜両親が喧嘩し”やめて!”と間に入っても止められなかった
 (他者感情のコントロール不全)

 また或いはクラスの仲良しの子が、突然冷たい態度を採る様になり、
 ヨリを戻そうと色々頑張ったが、より冷たくなり、攻撃される様になり、
 ”裏切られた・・・他人は信用できない”と感じた(他者に対する不信)

 等々。
(他者からの賞賛に対しても他者不信から”それにはきっと裏がある”
 と感じるとすれば、受け容れようとしない筈です)


 
 その出来事がトラウマになるか否か?
 恐らくその人の敏感さの度合いによると思います。

 つまり同じ出来事でも、敏感さが強ければ強い程トラウマになり易く、
 それ程敏感ではない人はトラウマになりにくいと考えます。


 
③愛着の問題によって、耐性が無い為にトラウマが残り続ける



 そうしてできたトラウマが残り続けるか否か?は
 耐性の問題が絡んで来ると考えています。

 つまり、譬え敏感さが強くてトラウマができ易い人であっても、
 愛着形成がなされていて耐性の窓が育っていれば、
 トラウマによる反応が長期間持続する事は避けられると思います。

 私は愛着形成が成されなかったのは
  一概に親(養育者)だけの責任であるとは考えません。
  即ち、子が極端に敏感であれば、愛着形成がより難しくなる
  と考えるからです



④辺縁系側(無意識)の防衛反応が恒常的に持続し続け、
 皮質側(意識)と没交渉になっている



上の例の場合は”コントロール不全”といった危機的な状況に備え、
自他の感情や他人との交流といった不快刺激を”回避”し続ける為に
辺縁系側の無意識の防衛反応が常に働き続けている(感情・感覚の抑制、回避)
と考えます。

加えて、
意識(皮質側)と無意識(辺縁系側)の繋がりが遮断され(乖離状態)、
他人との距離感等の感覚や感情が鈍麻され続け(意識側にフィードバック
されない)社会的交流ができなくなっている状態と言えるでしょう。



それはまるで戦時下”どこに敵やスパイが潜んでいるかわからない”
といった状況においては、眼をつぶって耳を塞いで五感からの入力を無くして
意識を遮断してしまえば、恐怖を感じなくなり”安全”を感じられるが、

同時に感情も感覚も失い、他人と交流できなくなってしまっている状態
と言えるでしょう。





 
もしそうだとすれば、
シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

 

 

 

シゾイドパーソナリティ障害を寛解に導くヒント

 

今回は
前回お書きした「シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の原因」を基に

その寛解に向けてのヒントをお書きします。






<シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

①敏感さを強めるストレスを減らす

前回の「原因」でお書きした様に、私の想像が正しければ、

シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害と言われるものは
「コントロール不全」といった不快刺激に対して特に敏感な人が、
それを感じ易い状況下''(他人との交流や自他の感情表出がなされる場面)に''
置かれた時に、

ストレスが高じ、”回避”という防衛策を採り続けてしまう状態
と言えると思います。

そこで、できる限りストレスを減らす工夫が必要だと思います。



 
(1)環境調整

不快刺激と考えられる他人との(直接的な)交流によるストレスの軽減
を目指します。



例えば、
他人との交流が少なくて済む部署への異動、転職、役割変更、
文章(メールやLINE等)でのやり取りにする、

在宅ワーク保健室登校等、無理に交流の場へ行かせない
等々。

(2)ストレスから来る心の不安定さを安定させる

刺激(ストレス)によって不安定になった心の安定化の方向としては
(以前もお書きしましたが)

A.不快刺激のシャットアウト(GABA・セロトニン型)

B.快刺激を求める(ドーパミン型)

C.愛情・愛着・安心等をもたらしてくれる人との交流(オキシトシン型)

の主に3種類があると私は考えています。

そして、
その最も適切な比率/割合は個々人によって違う筈です。



ここで、
シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害と呼ばれる人は、
恐らく「A」の比率が高いと思われます。

だとすれば、
出来る限り誰にも邪魔をされない空間・時間を確保する事が役に立つでしょう。



例えば、

会社に出社しないといけないのであれば、
パーテーションで囲ったり、一人部屋や離れた席等、
視覚的・聴覚的に他人からの刺激を受けない工夫をする。

また家族など誰かと一緒に住んでいるのであれば。
一人部屋、独りの寝室、庭やベランダにテントを張ってそこへ籠る
等々。



※こんな事をすると益々回避傾向が酷くなるのでは?
 とお考えの方もいらっしゃると思いますが、

 私は「不快刺激によるストレスが高じるから、
 その防衛策として回避している」と考えますので、

 まずはストレスを軽減して、心の安定を図る事が先決だと思います



 
②コントロール不全に関するトラウマの解消

明確なトラウマがある場合は、トラウマの解消を行っても良いと思います。

例えば、
EМDR自我状態療法、等、カウンセラーが得意なものに委ねてもいいと思います。

③愛着の(再)形成

愛着の(再)形成は何歳になってからも可能です。

その方法は以前お書きしましたので省略しますが、
 詳しくお知りになりたい方はお気軽にご相談下さい

④無意識(辺縁系側)の防衛反応を和らげ、
 皮質側(意識)との繋がりを取り戻す

シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の場合は、
自他の感情や他人との交流といった不快刺激を”回避”し続ける為に
辺縁系側の無意識の防衛反応が常に働き続け(感情・感覚の抑制、回避)

加えて意識(皮質側)と無意識(辺縁系側)の繋がりが遮断され(乖離状態)
感覚や感情が意識側にフィードバックされない状態であると考えます。



もしだとすれば、以下の2つの方法が必要になって来ると思います。

(1)無意識の防衛反応を和らげる

曝露療法等で、少しずつ他人との交流を行い、
感情や感覚を感じても安全だと実感する事。

難しければ最初はドラマや映画の登場人物、或いはペットの
 気持ちや思いを感じてみる事からスタートしても良いでしょう。



但し、他人との交流によって受けるストレスを解消する為に、
不快刺激をシャットアウトする”独りの時間・空間”も
同時に確保する必要があると思います。(他者との交流と引きこもりの
バランス)

(2)無意識と意識の繋がりを取り戻す

上の「(1)」で行った事について、

自分が感じた他者(動物)の感情や思いを書き出す言葉にする]

それによって生じた自分の感情や思いを書き出す言葉にする



言語表現や”想像”は意識(皮質側)の働きが必要となります。

それ故、相手の気持ちや自分の気持ちを”想像”したり、
無意識で感じ取った感情や感覚をことばにする事
両者を繋ぐ為の訓練になると考えられます。




※お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい

 

 

反社会性パーソナリティ障害の特徴

 

今回は、

「反社会性パーソナリティ障害」の特徴ついてお書きしたいと思います。






<反社会性パーソナリティ障害とは?>

・「反社会性パーソナリティ障害」とは、
 自分の利益や快楽のために法や社会の規範を破り、
 他人を欺いたり搾取して権利を侵害したり、
 無謀な行動を採る事に罪悪感や良心の呵責を持たない障害です。

 少なくとも18歳以上で、15歳以前にいくつかの素行症(社会から
 要求される規範や規則を守らない行動の反復・持続で、
 例えば人や動物への攻撃、所有物の破壊、虚偽または窃盗、
 重大な規則違反等)の症状が出現していることなどが要件となります。



以下、特徴的な傾向としては、

自分の行動を正当化または合理化する(反省しない)

被害者を馬鹿だったまたは無力だったと責める

自分の行動が他者に及ぼす搾取的で有害な影響に無頓着である

他者の権利や感情、法律を平気で軽視する

等が挙げられます。






<反社会性パーソナリティ障害の例>



「20代半ばの男性のBさん。中学時代から暴力行為、窃盗等で度々補導され、
 一向に更生せず、少年院に入っていた事も。

 高校へは行かず、先輩の誘いで半グレ組織に入り、
 所謂”オレオレ詐欺”に加担していた。

 ある時、警察に踏み込まれて逮捕されたが、
 ”騙される方が悪い!”と全く反省の色が見えず、
 その後も何度か逮捕された。

 私生活でも、気に入った女性を半ばレイプの様な形で妊娠させ、
 女性が涙ながらに訴えても”誘いに乗ったお前が悪い!”
 逆に殴りつけ、中絶費用を懇願する女性に、”避妊してないお前のせいだ!”
 とためらいもなく彼女のお腹に蹴りを入れた・・・」






次回は私の推察に基づいて「反社会性パーソナリティ障害の原因」
をお書きしたいと思います。

 

 

反社会性パーソナリティ障害の原因

 

前回の(架空の)でこの人は、

他者の不利益や社会的規範よりも、自身の利益や快楽を最優先している
 事から、自分にとっての「快刺激を求める」傾向が強く感じられます。

また、衝動的な行動を制御する能力が極めて弱いと考えられます。

反省をしない事、他人のせいにする事、相手の立場に立てないところから、
 自身を俯瞰で見る(メタ認知)共感力といった能力が極めて弱い
 と考えられます。

子供時代から一貫して「素行不良」が治らない事から、
 自分独自のルールや法律・規範・常識への(偏向した)拘りが持続している
 と考えられます。


 
 
以上の事から、

「反社会性パーソナリティ障害の原因」として、
以下の事が考えられると思います。






<反社会性パーソナリティ障害の原因>

(恐らく持って生まれて)「快刺激を求める」傾向が強い

②快刺激の方向性が「他人や物を自分の欲するがままに扱う事」に偏り、
 そこへの拘りが持続し固着してしまっている

 (まるで「俺が法律だ!」と、自分にとって都合の良い法律を作って、
 他人の制裁与奪の権利や物欲を満たす自由と権力を握った独裁国の王様
 の様です)

③自分を俯瞰する能力(メタ認知)の欠如、行動の制御不全、共感力の欠如
 が強くみられる

脳科学の研究では、

メタ認知=前頭前野と頭頂葉を含む高次脳ネットワークの関与

行動の制御=頭頂葉の頭頂間溝領域の関与

共感=内側前頭前野の関与

が明らかになりつつあります。

だとすれば、
前頭前野頭頂葉、それらを繋ぐ神経回路等に(先天的に?)特異性
を持っているのでは?と考えられます。 

この快刺激への衝動性や「支配欲」や「物欲」等を持っている事自体は
 珍しくないでしょうが、
(例えば昔散々やんちゃした人が「昔は無茶してたな~」と
 すっかり紳士になっている人も沢山居ると思います)
 大人になってもその傾向が持続する人は、
 この「③」の能力が極めて弱いからだと思います

もしそうだとすれば、
反社会性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

 

 

反社会性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

 

今回は、

前回お書きした「反社会性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。






<反社会性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

※まず初めに、この「反社会性パーソナリティ障害」と診断された方は
 治療に前向きにならない場合が大半だと思われます。
 しかし、何らかの事情で「このままではダメだ!」と切羽詰まった方には
 以下の方法がヒントとなるでしょう
 


 

①自分を変える為のモチベーションを高める



こういった特性を持つ人は快刺激に敏感であると考えられます。

そうであるならば、恐らく不快刺激に対しても敏感であると想像されます。

ですから、”自分にとっての”大きなデメリットを想像してみる事が
役に立つでしょう。

例えば
「もし自分の考えや行動への拘り・パターンがこの先もずっと続くとすれば、
最悪どんな人生になるだろう?」と自問してみましょう。



「このままだと犯罪がエスカレートして、捕まったら長い懲役を喰らう
  だろうな」

「そうなったとすれば、何が一番最悪?」

「自由も無く臭い飯を食って、年老いてからようやく出所する事かなあ?」

「そうなったとすれば、何が一番最悪?」

「楽しい事もできずに死んでいく、つまらん人生だけは嫌だ!」

「その”嫌さ”を感じてみて!」

「あ~・・・う~・・・・、クソ!!」

「それがどれほど嫌かを色んな言葉で書きなぐってみて!」

「アホが、バカが、生きてる意味があんのか?!、クソが・・・」

「そう感じている自分に名前を付けるとすれば?」

「”ムショはクソだ!の俺”・・・かな?」

等々。

②自分を俯瞰する能力(メタ認知)を高める

例:自分の中に湧き出てくる感情や考えを書き出してゆく

 「あ~むずむずしてきやがった。また人を騙して金儲けしたいなあ~」

「そう感じている自分に名前を付けたら?」

「誰かに言われたけど、”悪魔の俺”かな?」

③行動の制御能力を高める



例:「”悪魔の俺”は今何て言ってる?(書き出す)

「昔の仲間に連絡を取って、また年寄りを騙して金を巻き上げたい!」

「それに対して、”ムショはクソだ!の俺”の意見は?(書き出す)

「金を奪ったところで、あっと言う間に使っちまうだろ?
  そんな事で何年もムショ暮らしするのはまっぴらだ!」

「”悪魔の俺”と”ムショはクソだ!の俺”の両方の意見を書いてみて
  どうすれば良い?」

「まあ、捕まっても懲役喰らわない程度の悪さをするしかないのかなあ~」

④共感力を高める



例:「今迄の人生の中で、他人から何かを奪われたり、痛めつけられた記憶
   の中で、一番強烈なのは?」

「5年くらい前かな・・・詐欺の仲間に裏切られて
  金を全部持ち逃げされた・・・」

「その時は相手に対してどう感じた?(書き出す)

「舐めやがって、殺してやる!一生許せねえ!」

「じゃあ今迄の人生で、他人の何かを奪ったり痛めつけた記憶の中で
  一番強烈なのは?」

「え~と・・・まだオレオレ詐欺をやってた頃に、Aっていう資産家から
  5000万円せしめた事がある。そん時は嬉しかったな!」

「では、さっき書いた文章をこう書き変えて!
  ”私Aは、詐欺師の佐藤(本人)に5000万円だまし取られた。
  舐めやがって。殺してやる!一生許せない!”」

「それを読んでみて、どう感じる?」

「そりゃあ、あの爺さんも俺の事を許さないんだろうな」

「免許証を持ってますか?・・・ではAさんに成りきって、
  自分の写真に向かって、”佐藤!お前!舐めやがって!殺してやる!
  わしはお前の事を一生許さん!”と言ってみて!」

それを繰り返す、

更には、ペットや植物を育てる等々。

⑤快刺激の方向性を変える



法律に触れずに自分にとっての快刺激を満たせるものを沢山書き出し、
片っ端からやってゆく。

例:飲酒、ギャンブル、合法ドラッグ、女遊び、喧嘩、ジムワーク、ゲーム、
  政治活動、無人島や山林を購入し、”自分の王国”を造る・・・等々。

※これはあくまでヒントの一例ですので、詳しくはお気軽にお問合せ下さい

 

 

 

境界性パーソナリティ障害(BPD,ボーダー)について

 

今回は「境界性パーソナリティー障害」(=BPDボーダー
についてお書きしたいと思います。






私の考えを申しますと「境界性パーソナリティー障害」の人は
「O」「オキシトシンシステム」(=愛着・愛情・自他信頼)

「S」「セロトニンシステム」(=安心・安定・幸せ・満足)

「N」「(ノル)アドレナリンシステム」(=不安・恐怖・怒り・行動化)

「D」「ドーパミンシステム」(=快の刺激・喜び等の報酬)

4つのシステムうまく機能していない又は脆弱であったり、
或いは偏ったパターンが出来上がってしまっているのでは?と考えます。






ここで、診断基準であるDSM-5に沿ってこの4つのシステムを当てはめて
私なりの見解をお書きしたいと思います。

①不安定な対人関係,自己像,感情(すなわち,感情の調節不全),
 および顕著な衝動性の持続的なパターン。

 この持続的パターンは以下のうちの5つ以上により示される。






(1)見捨てられることを避けるため必死で努力する
  (=見捨てられ不安が強い)



<私見>

「O」(=愛着・愛情)を強く求めながらも「O」システムが脆弱である

 加えて「N」システム(=不安・恐怖)と
「D」システム(=快の刺激・喜び等の報酬、) の働きが

「見捨てられ不安」→「愛される事(=報酬)」
というパターンに固定されている






(2)不安定で激しい人間関係をもち,相手の理想化と
   低評価(脱価値化=こき下ろし)との間を揺れ動く



<私見>

「O」システム(=愛着・愛情)を強く求めながらも「O」が脆弱である

+「D」システム(=快の刺激・喜び等の報酬、)による「理想化」

→相手が理想に近づくと
「D」から「S」システム(=安心・安定・幸せ・満足)が優勢になり
”刺激”が減少する

刺激不足を補う為に「N」システム(=不安・恐怖・怒り)を起動し
 相手をこきおろす 

相手の操作・支配を報酬とする「D」システム起動

 というパターンが繰り返される






(3)不安定な自己像または自己感覚



<私見>

「O」(=愛着・愛情)が脆弱な為、基本的信頼感(自他への)が希薄であり、
自我も未発達






(4)自らに害を及ぼしうる2領域以上での衝動性
 
  (例,安全ではない性行為,過食,向こう見ずな運転)



<私見>

「S」(安定・安心)より「D」(刺激)が優勢

そして「D」の”報酬”のパターンが固定されている






(5)反復的な自殺行動,自殺演技,もしくは自殺の脅しまたは自傷行為



<私見>

「N」による「不安・絶望・怒り」

「苦しみからの解放」「相手の操作・支配」”報酬”とする
「D」が起動されるパターンが固定されている






(6)気分の急激な変化(通常は数時間しか続かず数日以上続くことはまれ)



<私見>

「S」(安心・安定)よりも「N」(不安・怒り)
「D」(快の刺激・報酬)が優勢






(7)持続的な空虚感



<私見>

「O」(愛着・愛情・自他信頼)の脆弱性






(8)不適切な強い怒りまたは怒りのコントロールに関する問題



<私見>

「S」(安心・安定)よりも「N」(不安・怒り)が優勢






(9)ストレスにより引き起こされる一時的な妄想性思考
   または重度の解離症状



<私見>

特に「解離」については、本来は「安心・安定」を求める傾向があるのに
「S」(安心・安定)が脆弱な為に、
強い「N」(不安・怒り)に完全に乗っ取られた状態

 ※例:ジェットコースターに乗った場合、

  元々「S」(安心・安定)よりも「N」(恐怖)を求める傾向が強い人や
 「S」も「N」もどちらも強い人は大丈夫だが、

 「安心・安定」を求める傾向が強いのに、
  それをもたらす「S」が脆弱だと失神(一種の解離)してしまう
 のと同じなのかも知れません






これらの私の推測が当たっていたとすれば、

「境界性パーソナリティー障害」の人の特徴として
以下の様にまとめる事ができると思います。

①「O」「オキシトシンシステム」(=愛着・愛情・自他信頼)が脆弱である




②「S」「セロトニンシステム」(=安心・安定・幸せ・満足)
 優位には働かない傾向がある(または脆弱である)



③「N」「(ノル)アドレナリンシステム」(=不安・恐怖・怒り・行動化)
 
 「D」「ドーパミンシステム」(=快の刺激・喜び等の報酬、)が優位に働き、
 しかもそのパターンが固定している






次回は、「境界性パーソナリティー障害」と思しき架空のA子さんの例
をお書きしたいと思います。

 

#パーソナリティー障害(人格障害)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

 

境界性パーソナリティー障害
~A子さんの例

 

A子さんの両親はA子さんが幼い頃に離婚し、
A子さん母親に引き取られました。

母親はA子さんを育てる為に夜のお店で働いており、朝起きられずに
保育園の送り迎えだけしてくれる祖母が置いていったパンとミルクの朝食を
A子さんいつも独りで摂っていました。



A子さんが小学校に上がった頃には母親は帰って来ない日もでてきて、
不安と寂しさに耐えられなくなったA子さん
母のお店へ訪ねて行ったこともありました。
(見捨てられ経験・不安)

でも、店に現れたA子さんを見た母親「何で来たんだよ!早く帰れ!」
烈火のごとく怒りはじめ、A子さんを追い払いました。



そのうちに母の外泊は増えて、たまに帰って来てもの機嫌がいい時は
「これで好きなものでも買って」とお金を渡してくれましたが、
(理想の母)

機嫌が悪いと「あ~、お前なんか産むんじゃなかった!」こき下ろし
母親はA子さんに暴力を振るったり、(虐待体験)
「もう死にたい」とか「一緒に死のう」等と言われる事もありました。

その頃の母親には男の人が居たのかも知れません。



そして当時のA子さん「私のせいでお母さんは苦しんでる」
「良い子でなくてごめんなさい!」という気持ち(=自己否定

「もっといい子にならなきゃお母さんは帰って来ないかも?」
という気持ち(見捨てられ不安)と

「お母さんは怖いけど優しい所もある。お母さんが大好きなのに・・」
という気持ち(理想化)と

「お母さん可哀相!・・・私が助けてあげなきゃ!」
という気持ち(=共依存的な優しさ)が複雑に絡まり合っていました。



やがてA子さんが高校生になった頃には、
母親は男の人と一緒に住んでいた様で、たまに帰って来ると
「あんたまだ生きてたんか?!」等と
等とA子さん邪魔者扱い(=こき下ろし)したり、

猫なで声で「お前の事は大切に思ってるよ!お母さんピンチやから
バイト代貸してくれへんか?」と言う事もありましたが、

A子さん「嫌だ!」と言うと「誰のお陰で生きて来れたんや!この恩知らず!」
母親から暴言・暴力を浴びせられることもありました。(こきおろし)



でも、
この頃のA子さんはそんな母親反発
「お前こそ死ね!」(=怒り・こき下ろし
と反撃をする様になっており、
時に母親首を絞めたり殴り合いのけんかになる事もありました。

ただ、独りの時にはA子さんリストカットをしたり、
壁に穴を開けたり、風邪薬を大量に服んだりもする様になっていました。
(=そうするとスカッとするといった快の刺激



そんなA子さんにも彼氏ができました。

付き合い始めの頃は「大好き!」と彼に気を遣っていましたが(理想化)
段々慣れて来ると、彼氏のLINEの返信が少しでも遅かったり、

「今日は友人と遊ぶ」等とA子さんと会う事よりも、
そちらの方を優先しようとするものなら
「私の事どうでもいいんか?!最低な男やな!」(こき下ろし)
暴言・暴力を彼に浴びせる様になりました。



でも、彼氏A子さんが喜ぶ様なプレゼントを渡すと、
A子さん「大好き!この前はゴメンね!」と腕を組んで甘えてきます。
(理想化)



彼氏
「一体どっちが本当のお前なんだよ?この前あんなに暴言吐いてたのに・・」

A子さん
「え?!私カーっとなった時の事は余り覚えてないの」とケロっとしています。(解離)



そんなことが繰り返された挙句、
やがて彼氏は段々A子さんと距離を取ろうとしてきました。

A子さん「今から死ぬ!」と彼にLINEを入れる事も増え、
(見捨てられ不安からの脅し・試し行動)
彼氏も益々A子さんの事を鬱陶しく思うようになり、

A子さんのLINEをスルーする事も増えたある日、
A子さん「本当に今から死ぬから・・・」とLINEし、
(見捨てられ不安からの脅し)

手首を切って救急車で運ばれました。



そんな事もあって彼氏とは音信不通になり、
その後A子さん次々と3人の男性と付き合いましたが、
同じ様なパターンを繰り返し続けました。(衝動性)






次回はこのA子さんを例にして、
前回述べた私の推論である4つのシステムの面から
見てゆきたいと思います。

 

#パーソナリティー障害(人格障害)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

境界性パーソナリティー障害のメカニズム

 

今回は前回取り上げた架空のA子さんを例にして、

何故その様なパーソナリティー(人格)が形作られたのか?
を私なりの解釈でご説明したいと思います。






①「O」(オキシトシンシステム=愛着・愛情・自他信頼)が脆弱

A子さんの母親は所謂「育児放棄」をしていました。

それ故、A子さんと母親との間では「愛着形成」がきちんとなされずに
「愛しい人(母→そして母をモデルにした恋人)は私を愛してくれる筈だ」
とか

「私は愛しい人(母→そして母をモデルにした恋人)に愛されるに違いない」

といった自他への基本的信頼感が育まれなかったと考えられます。



※人によっては生まれつきオキシトシンシステムが脆弱な人もいる様です
 (=このケースでは母親?)






②「S」「セロトニンシステム」(=安心・安定・幸せ・満足)
 が優位には働かない傾向がある(または脆弱である)

A子さんの母親は家に帰って来ない日も増え、
A子さんは「安心・安全・幸せ」を感じる事があまりなく
常に(見捨てられ)不安を感じていたのだと思います。

それ故「セロトニンシステム」が脆弱になったと考えられます。



但しA子さん「寂しい夜はお布団を被って寝よう」
とか
「ぬいぐるみとお話しよう」等の
「セロトニンシステム」を作動させるタイプではなく

母親に愛される事を求めて、夜のお店へ訪ねて行ったり
母親を理想化し、
「もっといい子になったら大好きなお母さんは帰って来るかも?」
とか

「お母さん可哀相!・・・私が助けてあげなきゃ!」
等といった、

「不安」→「D」(母を自分の理想通りの人にする事を報酬とする)
+「N」(その為の意欲・行動)
といった、

「N」と「D」システムが生まれつき優位なのでは?
と思わせるエピソードが見受けられます。






③「N」「(ノル)アドレナリンシステム」(=不安・怒り・行動化)
 と
 「D」「ドーパミンシステム」(=快の刺激・喜び等の報酬)
 が優位に働いていて、しかもそれが強化されてしまっている

高校生頃からのA子さんは母親とバトルを繰り広げたり、
リストカットしたり、薬を大量に服んだり(O.D)といった
行動化にますます拍車がかかっています。

推測するに、



(1)
「(見捨てられ)不安」を基に「N」「(ノル)アドレナリンシステム」
 が作動する



(2)
「相手に勝つ事や、自分の思い通りに支配する快感」
理想化こきおろし脅し
 や
「不安から逃れてスッキリ感を得る」
自傷行為等)
 事を目的(報酬)として「D」(ドーパミンシステム)が働く



(3)
それを得る手段として
「N」「(ノル)アドレナリンシステム」による「行動化」
(実際に相手へ怒り・非難暴言をぶつめたり、脅したり、自傷行為をする等)
 が繰り返される



(4)
相手を思い通りに支配する事ができれば、
本来であれば「幸せ・満足」といった「S」(セロトニンシステム)や、
「愛してる・愛されてる」といった「O」(オキシトシンシステム)へ
移行する筈ですが、

元々「N」と「D」が優位(刺激を求める傾向が強い)で、
しかもそれが強化されてきたと考えられますから、
退屈な「S」を求める事ができず

しかも「O」システムは幼児期から形成されていないですので、
蜜月は長く続かず相手との関係が穏やかになったと感じればそれを破壊し、
刺激に満ちた状態を自ら作り上げるのではないでしょうか?



そして、そのパターンが固定されどんどん強化されていったのが
「境界性パーソナリティー障害」ではないか?と考えます。






そう考えると、

「お母さん一緒に遊んで!」

「お母さん忙しいから、また後でね!」

「いやだいやだ、今すぐでなきゃ!」

と怒ったり泣いたりする様などこにでもいる様な「少しわがまま」で、
少し「NシステムとDシステムが優位」な子が、
母親との関係で「愛着形成」がなされずに見捨てられ不安を抱えるに至り、

「相手に勝つ事や、自分の思い通りに支配する」という事でしか
報酬を得られない(元々優位な「NシステムとDシステムが満たされない)
といったシステムのパターンが固定されしまったともの考えられます。

ただここで、
「それでは何故システムのパターンが固定化されてしまい、
それを延々と繰り返すのか?」

そして、
「何故どんどんそれがエスカレートしてゆくのか?」
という疑問が生じます。

私なりに考えたその答え
次回「境界性パーソナリティー障害になる4つの要因」
としてお書きしたいと思います。

#パーソナリティー障害(人格障害)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

境界性パーソナリティー障害になる4つの要因

 

今回は、前回までの私の”推論”に加えて、

境界性パーソナリティー障害の人(以下BPDと表記します)は
「何故システムのパターンが固定化されてしまい、
 それを延々と繰り返すのか?」

そして、
「何故どんどんそれがエスカレートしてゆくのか?」
という問いに対する私なりに考える答えも併せて、

「BPDになる4つの要因」としてまとめたいと思います。






<BPDになる4つの要因>






①幼い頃の養育者(主に母・父)からの虐待や見捨てられ体験(環境因)



→これはお書きした通り「心の傷」を作ったり、
「見捨てられ不安」にシステムのパターンが固定されるきっかけになる
と思います。

更に「愛着形成」が成されず、
「O」オキシトシンシステム=安心・安全・愛着等)が確立されず
(自他への)「基本的信頼感」も得る事ができなかったと想像されます。

加えて、
自分を振り回し、支配・コントロールする養育者をモデルにして
刺激を満たすやり方を学んだとも考えられます。

(自分にとっては苦痛・不快だが支配・コントロールする親にとっては快感)






②感覚過敏(先天的な器質因?)



→親が帰って来ない事や「また叩かれるんじゃないか?」
「傷つけられるんじゃないか?」といった事にとても敏感な気質
を有していると考えられます。

ですから、
大人になってからも彼氏のちょっとした言動に不安を感じてしまう
のではないでしょうか?

(鈍感な気質の人なら、そこまで不安に襲われないのでは?と思います)

※この「感覚過敏」については生まれ持っての気質・傾向なのか、
 養育環境によってそうなったのかは、不明です






③こだわりの強さ(先天的な器質因?)



→相手(恋人?)が変わっても「見捨てられ不安」を基に、
 「理想化」「こきおろし」「脅し」「相手を支配・コントロールする」
 という事を目標にした刺激の満たし方を繰り返す部分を見るにつけ、

 これは「こだわりの強さ」から来る常同行動ではないのか?
 と考えてしまいます。

 (その推測が当たっていれば)だからこそシステムのパターンが固定
 されてしまうのでは?と考えます。






④刺激を求める傾向の強さ(先天的な器質因?)



「理想化」「こきおろし」「脅し」「自傷行為」等の「行動化」は
 本人にとってはとても刺激的な事だと思います。

 単に「こだわりが強い」だけでは、そこまで刺激の渦の中に身を置く事は無い
 と感じます。

 よって、恐らく生まれつき「刺激を求める傾向が強い」気質を有している
 のでは?と考えます。





 
ここまで私が考える「BPDになる4つの要因」をお書きしましたが、

それでは何故BPDの人はその行動がエスカレートしてゆくのでしょうか?

(BPDの人の自殺率は比較的高いとされています)

私が思うに、

「③」の「こだわりの強さ」から、
「見捨てられ不安」→「理想化」「こきおろし」「おどし」「自傷」
といったシステムのパターンが固定化される

反面、「④」の刺激を求める傾向があるのに、
固定化されたパターンの中でしか行えない

同じパターンの中で刺激を満たそうとすると馴化(慣れ)が生じ
より強い刺激で無いと満足できなくなる

よって、「こきおろし」「脅し「「自傷行為」等の「行動化」は
エスカレートしてゆく、と推測します。






次回は、

「境界性パーソナリティー障害は何故薬物療法が難しいのか?」
というテーマでお書きしたいと思います。

#パーソナリティー障害(人格障害)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

境界性パーソナリティー障害は
何故薬物療法が難しいのか?

 

お医者さんで「境界性パーソナリティー障害」とみなされた場合は、
及び腰になられるドクターもいらっしゃると思います。

(勿論、カウンセラーや心理士の方々もですが)



それは精神科や心療内科は主に薬で治療する場所ですが、
「境界性パーソナリティー障害」薬物療法が大変難しいからだと思われます。

以下に、私なりに想像したその理由をお書きしたいと思います。






<境界性パーソナリティー障害には薬物療法が難しい理由>






①境界性パーソナリティー障害(以下「BPD」と表記します)の人は
 「O」(オキシトシンシステム)が脆弱であると考えますが、
 それを補填する薬剤が無い

(オキシトシン点鼻薬などもありますが、一時的な効果に過ぎない)






②BPDの人は、元来刺激を求める傾向が強く
「N」システムと「D」システムが優位
 しかもその傾向が強化されてきたと考えられます。

 だとすれば、
 それらのシステムを抑える方向性の「抗うつ薬」
      (「S」を活性化=「N」「D」を抑制したり、
       「S」と{N」のみ活性化し、「D」を抑制)
 や

 「抗不安薬」(抑制系のGABAの活性化を高め、
        結果として「N」や「D」が抑制される)
 や

 「抗精神病薬」「D」システムを抑制する)
 は、
 刺激(「N」や「D」システム)を抑える方向で作用します。

 そうなれば、
 薬が効きすぎると「空虚感」(刺激を得られない状態)に襲われて
 何もする意欲が湧かなくなったり、

 逆にその現状を打破する為に、自傷やこきおろし、脅し等の
 いつもの刺激を得るパターンをより求めてしまうかも知れません。

 かと言って、
 「N」や「D」システムを活性化するメチルフェニデート系の薬剤
 (コンサータやリタリン等)を投与しても、

 それが呼び水となってより「いつものパターンでの刺激の満たし方」が
 強くなる事も考えられます。






③その人の各システムの割合に合致させる事が難しい



「S」「N」「D」の各システムの最適な配分
BPDに悩んでいる個々人毎に違うと思います。
(Aさんは「2:4:4」が最適で、Bさんは「1:4:5」が最適等)

しかも同じ個人の中でも最適な割合
年齢や経験、出来事、ライフイベント等で時々刻々と変化してゆく
と想像しますので、

薬剤ではそこまで微妙な変化に合わせる事は大変難しいと思いますし、
第一、薬同士が拮抗してしまうと思います。

更に一日の中でも「D」システム優位な時間(例:自由な時間)
N」システムを活性化しないといけない時間(例:仕事中)
「S」システムを活性化しないといけない時間(例:休日)等の
個人の生活リズムに合わせる事は薬ではほぼ不可能だと思われます。






④薬剤では「N」「D」システムの固定化されたパターンを
 変える事ができない



例えば、
元々刺激を求める傾向(「N」「D」システム)が強く
ギャンブルでそれを満たそうとするパターンが固定化された、
所謂「ギャンブル依存症の人に、

「N」「D」システムを抑制すればギャンブル依存症が治るのか?
と考えてみればおわかり頂けると思いますが、

システムの固定化されたパターンを薬剤で変えるのは非常に難しい
だと思います。

(仮に薬が効いたとしても、薬を服用する方向へシステムのパターンが固定
 されてしまうと、薬に頼ってしまう事になる可能性もあると思います)






次回は、
それではどうすれば「BPD」を改善できるのか?
のヒントをお書きしたいと思います。

#パーソナリティー障害(人格障害)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

境界性パーソナリティー障害を改善するには?
~ヒント

 

今回は

「境界性パーソナリティー障害(以下「BPD」と表記)を改善するヒント」
を私の推測に基づいてお書きしたいと思います。






<BPDを改善するヒント>

①「愛着の修復」を行い「O」システムを活性化する

以前の私の推論でお書きした様に、
BPDの人は「O」(オキシトシンシステム=愛着・愛情・自他信頼)
脆弱であると考えられます。

だとすれば、そこをテコ入れする必要があると思います。



→恋人や親友、家族、難しければ医師やカウンセラー、或いは自分自身を
 愛着対象とし、愛着の修復・形成を行う

(※詳しくは以前のコラムにお書きしています)






②固定化されたパターンを変える

これも以前お書きした様に、

BPDの人は、
「S」「セロトニンシステム」(=安心・安定・幸せ・満足)よりも

「N」「(ノル)アドレナリンシステム」(=不安・恐怖・怒り・行動化)

「D」「ドーパミンシステム」(=快の刺激・喜び等の報酬、)が
優位に働いていて、しかもそれが強化されてしまっていると考えます。

だとすれば、生まれ持っての特性と考えられる「優位システム」
を変える事は難しいと思いますので、そのパターンを変えれば良いのでは?
と推測します。

(即ち、
 「(見捨てられ)不安を基にNシステムが作動」

「相手に勝つ事や、自分の思い通りに支配する快感や不安から逃れて
  スッキリ感を得る事を目的(報酬)として「D」(ドーパミンシステム)
  が働く

 「それを得る手段としてNシステム」によって行動化する」

 という固定されたパターンを変える)

(1)「いつ(誤って)死んじゃうかもわからない」と考えて
  全財産を使うとして、「自分がやってみたい事」
  思いつく限り書き出します。(Dシステムに基づく)



(2) その中で、「不安や恐怖」を感じるものNシステム)で、

  しかもそれをやるには「この野郎!負けてたまるか!」という
  闘争心Nシステム)が必要なもので、

  尚且つ自分次第で結果を左右する事ができるものDシステム)で、

  ”勝利”を得る事を考えたら”ワクワクするもの”Dシステム)
  を選びます。

  ※但し、単発で終わるものよりも継続できる事(ゴールが遠い)
   が良いと思います。



  (例1):「空を飛びたい・・・でも怖いなあ」Dシステム+Nシステム)

     →「でも飛べたら気持ちがいいだろうなあ~」
      スカイダイビングのスクールに申し込む(Dシステム)

     →(本番を迎え)「今から飛び降りるの怖いなあ~でも、
      恐怖に負けてたまるか!」
      と「えい!」と飛び降りる(Nシステムによる行動化)

     →「やったあ~私にもできた!」Dシステム)

     →「でも他の人はもっとうまいから、
      私も宙返りできるようになりたい!」Nシステムによる闘争心
   


       
      
  (例2):「日本一の営業ウーマン(デイトレーダー)になりたい!
       でも私になれるのかな?・・・」Dシステム+Nシステム)
      と、その仕事を始める

     →「初めて1か月だけど全然だめだ・・・でも悔しい!」
      (Nシステム)

     →「よ~し!空いた時間はすべて仕事の勉強に充てよう!」
      寸暇を惜しんで勉強する(Nシステムによる行動化)

     →「段々成績が上がって来たぞ!」Dシステム)

     →「でも、上には上が居る・・・絶対成り上がってやる!」
      (Nシステム)

     →「みんなから一目置かれる存在になれば、
       メッチャ嬉しいだろうなあ」Dシステム)






③自分にとっての各システムの最適な配分を知り、
 それに則ったパターンを作り上げる

いくら「S」(セロトニンシステム)よりも
「N」「(ノル)アドレナリンシステムや「D」(ドーパミンシステム)が
優位だとしても、
「S」システムを全く必要としない人はいない筈です。



ですから、自分にとって最適な配分を知る為に
3つのシステムが働く様にアバウトなスケジュールを立ててみる
のが良いと思います。



例:毎週木曜日はボクシングジムへ行くNシステム+Dシステムの時間)

  毎夜カラオケに行くDシステムの時間)

  一日3回お気に入りの入浴剤を入れたお風呂に入り
  お気に入りの音楽を聴くSシステムの時間)

  昼食後バトルゲームをするNシステム+Dシステムの時間)

  お酒を飲みながら韓流ドラマを観るSシステムの時間)

等と、自分で「N」「D」「S」の時間配分を色々変えて試してみて
一番しっくりくる配分をベースにして(中身は適宜変える)
スケジュールを組んでみるのもいいでしょう。

ライフワークとしては(私が思いつくまま書きますと)

「ダンスの指導者を目指す」

「ブレンダーのチャンピオンを目指す」

「ブリーダー」

「プロゴルファー」

「ボランティアリーダー」

「eスポーツ選手」

「プロギャンブラー」等、

「感覚過敏」「刺激を求める傾向」を活かす方向性であれば、
何を目指して良いと思います。

不安や恐怖を感じやすいが、持ち前の「負けん気」、「「コントロール力」、
「こだわりの強さ」とことん結果や勝負にこだわってゆけば、
その道で成功する可能性は高いと思います。

 

#パーソナリティー障害(人格障害)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

演技性パーソナリティ障害の特徴

 

今回は、

「演技性パーソナリティ障害」の特徴

ついてお書きしたいと思います。






<演技性パーソナリティ障害とは?>

◎「演技性パーソナリティ障害」の特徴としては、

 様々な場面での対人関係において、過度に注意を引こうとする行動
 が挙げられます。

 無意識のうちに他人との関係で役柄を決め、それを演じてしまったり、

 泣いたり周囲を非難したり、自殺をほのめかしたり、作話といった
 考え方や感情を大げさに誇張してでも、
 話題の中心になっていなければ気が済まない

 また、不適切なほど性的に挑発的、誘惑的な外見や行動をする。
 (但し性的な面は消極的で、しばしばシャイであったり、遊戯的である)

 更には、仕事面でも対人交流の面でも熱し易く冷め易い

 加えて、他人の意見に影響されやすく、だまされやすい特徴も有する。

 つまり、
 過度の情動性と注意を引きたい・注目を浴びたいといった欲求
 を持っている。

◎DSМの診断基準



・自分が注目の的になっていない状況では不快感を覚える

・不適切なほど性的に誘惑的または挑発的な形で他者と交流する

・感情がすぐに変わり、浅はかに見える

・自分に注意・関心を引くために身体的外見を利用する

・会話は過度に印象的だが非常にあいまいで、内容が無く詳細に欠ける

・感情を劇的で芝居がかった大げさな形で表現する

・被暗示的、即ち他人または環境の影響を受けやすい

・対人関係を実際以上に親密なものと思っている

・症状は成人期早期までに始まっている
 (年齢とともに症状が治まっていく傾向がある)





 
<演技性パーソナリティ障害の例>

「職場のA子さんは、いつも露出の多い流行の派手な服を着、
 派手な化粧をして、職場の男性や客の男性に馴れ馴れしくハグをしたり、
 色目を使って”〇〇さんの事が好きよ”と平気で誘惑する。

 注意されたり、陰口を言われると”私は何も悪い事してないのに、
 いつも誤解される・・・”と大げさに泣いたり、

 ドン引きして無視して来る同僚には、”何なのよ?!
 みんなそういう態度を採るんだったら死んでやる!”
 と、かんしゃくを起こす。

 朝礼の番が回って来ると、持論をとうとうと芝居がかった口調で話すが、
 聞き飽きたみんながシラ~っとしてると、また機嫌が悪くなる。

 プライベートでは”私のメンター”と呼んでる女性を妄信している様子。」






次回は
「演技性パーソナリティ障害」の原因
について私の推測に基づいてお書きしたいと思います。


 
 

演技性パーソナリティ障害の原因

 

前回の(架空の)例でこのA子さんは、

服装や化粧等の外見、大げさな話や感情表現で、
 相手の注目を浴びようとしています。
 ところがそれが叶わないと、途端に不機嫌になってしまう。

 多くの方は注目を浴びたり、チヤホヤされる事は”快”だと思いますが、
 この人は自分にとっての快・不快刺激にとても敏感であると思われます。



男性を(性的な目的ではなく)誘惑しようとするところから、
 相手が自分の思い通りの反応をする事に”快”を感じていると考えられます。

 そしてそこには、強い支配・コントロール願望が伺えます。



加えて、感情の変化の激しさや話の内容の無さから衝動性を、
 他人との距離感がわからない点や流行や誰かを妄信してしまう点から
 自我(意識)の脆弱性を感じます。



・更には、「年齢と共に症状が治まってゆく傾向」から、
 上記の特徴を一言で”幼児性”と呼んでも良いのかも知れません。

以上の事から、
「演技性パーソナリティ障害の原因」として、
以下の事が考えられると思います。






<演技性パーソナリティ障害の原因>

(恐らく持って生まれて)「快刺激を求める」傾向が強い
 (快・不快刺激に敏感)

②快刺激の方向性が、「他人から注目を浴びたり、チヤホヤされる事」
 と
 「相手が自分の思い通りに反応する事」に偏り、
 そこへの拘りが持続し固着してしまっている。

(恐らく持って生まれて)強い衝動性を有している

 だから、人間関係を築いてゆく事や深い思索を経た表現等の
 ”面倒くさい”過程をすっ飛ばすのだと思われます。

④自我の脆弱性

 衝動性をコントロールできない、本当の自分の感情を表現できない、
 他人との距離感がわからない、特定の人に強く依存する、等は
 自我が育ちきっていないからだと考えられます。






もしそうだとすれば、
演技性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

 

 

演技性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

 

今回は前回お書きした「演技性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。






<演技性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

①快刺激の方向性を変える為の下準備

(1)過去の帰結を書き出す



今迄、相手の注目を浴びようとやって来た言動・役割演技、

或いは外見を飾る事は、最終的にはどういった結果になったか?
を書き出してゆく



例:「あの時は、その瞬間はみんなに注目されて気持ち良かった。
   けど、結局みんなから相手にされなくなって、寂しくなって
   あの職場を辞めた。

   また、あの時は・・・」等々。




(2)未来の成り行き・帰結を推測する



「5年、10年と年齢を重ねて自分の容姿も変わり、
 それに連れ、周囲の周囲の人達の年齢層も高くなった時に、
 自分の考え方や振舞が今と変わらなければ、最悪どうなっちゃう?」

と自問し、その”答え”を書き出す



例:「周りの人から無視されたり、嘲笑されたりされるかも?・・・
   そして私の周りには誰も居なくなり、凄い孤独感を感じるかも・・」

この出来事の整理⇒結論付けや未来の成り行き・帰結を類推して書き出す
 といった作業には前頭前野や頭頂葉が働きます。
 それを繰り返す事で、自我強化と方向性を変える為のモチベーション
 を創り出す事が狙いです






②快刺激の方向性を変える

(1)方向性を大きく変える



相手の注目を集める事での快刺激を反則として、
それ以外の自分にとっての快刺激をできるだけ沢山書き出す



例:「彼氏を作ってラブラブになりたい、
   親友を作って一緒に旅行に行きたい、
   美味しいものを食べ尽くしたい、ヨガを習ってみたい」
  等々。

それを片っ端からやってゆく

(2)方向性を小さく変える



他人から注目を浴びる事への欲求を満たす為に、
今迄のやり方とは違って、手間と時間がかかっても、
より永続性のある方法を考えて書き出す



例:「本気でアイドルや女優・声優を目指す、
   ファッションや化粧・ネイルを真剣に勉強する、
   ユーチューバーやインスタグラマーとしての成功を目指す」
   等々。



目標が定まれば、
それに向けて、”今”しなければいけない事を書き出してゆき、
できる事から始めてゆく






※お独りでは難しい場合はお気軽にご連絡下さい

 

 

自己愛性パーソナリティ障害の特徴

 

今回は、
「自己愛性パーソナリティ障害」の特徴
ついてお書きしたいと思います。






<自己愛性パーソナリティ障害とは?>

◎「自己愛性パーソナリティ障害」の特徴としては、
 ”自分は特別で重要な存在である”と誇大な感覚を持っていて、
  自分の能力を過大評価し、自分の業績を誇張し、
  他者の能力を過小評価する傾向がある。

  つまり、
  優越感(誇大性)賞賛への欲求、及び共感性の無さ
  広汎なパターンを特徴とする。

他者による批判・拒絶、恥辱感や敗北感を味わう様な失敗に敏感であり、
 それらへの耐性が低く、抑うつ的になったり、
 自尊心を守るために、失敗する可能性のある状況を避ける目的で
 引きこもったりする事もある







◎DSМの診断基準(以下の項目の5つ以上の該当による)

・自分の重要性や才能''について、
 誇大な、根拠のない感覚を抱いている。(誇大性)



・途方もない成功、影響力、権力、知能、美しさ、
 または素晴らしい恋という空想にとらわれている。



・自分が特別かつ独特であり、
 最も優れた人々とのみ付き合うべきであると信じている。



・無条件で過剰な賞賛を求める。



・特権意識をもっている。



・目標を達成するために他者を不当に利用する。



・共感性に欠け、他人の気持ちや欲求に気づこうとしない。



・他者を嫉妬しており、また他者が自分を嫉妬していると信じている。



・傲慢かつ尊大である。





 
<自己愛性パーソナリティ障害の例>

「A氏は商社の営業部の課長。常に”俺様気質”で、

 ”仕事ができない課員ばかり抱えているのに
 他の課と遜色無い数字を達成している。

 それは俺のお陰なのに、部長は全くわかっていない!
 もしかしたら部長は優秀な俺に追い抜かされるのでは?
 と嫉妬してるのかもな。

 こんな俺の事を正当に評価できる奴は一流企業の役員くらいだろう
 ・・・。
 うちの部長も役員達も人を見る目が全く無い奴ばかりだ!・・・。

 この前の査定でも隣の課の課長のBの方が評価されてたみたいだ・・・
 あいつの課はうちの課のクズどもよりはマシな奴ばかりだから、
 不公平だ!
 
 こうなりゃ、うちの課の奴らをもっと追い込んで数字を出させるしかないな!”
 と常に感じている。

 家に帰っても、妻には”いかに自分が優秀で、いかに周りが馬鹿ばかりか”
 の話を延々と続け、妻が嫌気が差して席を立とうとすると、
 ”お前!俺を馬鹿にしてるのか?!!俺の話をちゃんと聞け!”
 とキレたり、

 妻が”あなた、冷蔵庫を買い替えたいんだけど、大丈夫かな?”
 と気を遣いながら訊いてきた時には、

 ”俺を誰だと思ってるんだ?!!
 俺がそんなはした金を稼げないとでも思ってるのか?!!”
 とキレてしまうA氏。」

 

 

自己愛性パーソナリティ障害の原因

 

今回は
「自己愛性パーソナリティ障害の特徴」から類推される
「自己愛性パーソナリティ障害の原因」についてお書きしたいと思います。






<自己愛性パーソナリティ障害の原因>

①快・不快刺激に敏感である



誰しも他人からの賞賛・評価や特別視される事は気持ちが良い(快)筈です。

逆に、
他人からの否定・拒絶・批判は不快な筈です。

ところが、
「自己愛性パーソナリティ障害」の人は
過度に”快”を求め、過度に”不快”に対して防衛的になっている
とすれば、

それは
快・不快刺激に対する敏感さを有していると言えるでしょう。

そして、
この敏感さは、持って生まれたものか、
もしくは、
幼い頃のトラウマチックな出来事によるものと考えられます。






②快・不快刺激の方向性が、「他人より上か下か?」といった
 優劣に偏り、そこへの拘りが持続し固着してしまっている。



これは恐らく、幼児期の生育環境等の影響によるものと思われます。

例えば、
批判的・差別的な親や教師、級友等、他者から馬鹿にされた事等による
トラウマから、
「もう絶対に傷つけられまい」と感じた。
(不快を避ける事への拘りに結びつく)

或いは、
親等から過保護・甘やかしで褒められたり。特別視されて来た結果、
「自分はそうされて当然」といった特権意識が育った
(快刺激を求める事への拘りに結びつく)
のかも知れません。

いずれにしても私は
「快・不快刺激への敏感さをある一定以上有してしないと、
 そこまで固着してしまう事は無いのでは?」と考えます






③自分を俯瞰する能力(メタ認知)の欠如、言動の制御不全、
 共感力の欠如が強くみられる



共感力に欠け他者を利用しようとする部分現実認識が弱い部分等の特徴は、

恐らく、
自分にとっての快を求め、不快を避ける事だけに集中し続けた結果、
育まれて来なかったのでは?と思います。






もしそうだとすれば、

自己愛性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

 

 

 

自己愛性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

 

今回は前回お書きした「自己愛性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。






<自己愛性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

(1)自分が一番嫌な事を書き出す



例:「誰も俺を認めない事」

  「馬鹿にされる事」

  「軽くあしらわれる事」
 等々。

(2)過去に、上の「(1)」を感じた場面を書き出す



例:「前の会社で、部長は俺が成績を上げても認めなかった・・・
   事務の女も俺を軽くあしらいやがった・・・
   あいつら許せない!」



  「嫁さんは俺が話し出すと、逃げる様に子供部屋に入ってしまう。
   ”俺を馬鹿にしてんのか?!誰のお陰で飯喰えてんだ?!”と
   怒鳴りつけてやっても、無視してきやがる。

   この前、髪の毛を引きずり廻してやったら、
   ”このままだったら離婚も考えてる”
   等と偉そうなことを言ってやがった。

   どういつもこういつもバカばっかりで話にならない」
  等々。



   
(3)相手の反応の責任が自分側にもあるとすれば?



例:「え?!俺は悪くない・・・
   けど、もし自分側にも原因があるとすれば・・・

   俺は認められて当然だから、
   認めない奴らを責めるのも当たり前だと思っていたが、
   もしかしたら、すぐ声を荒げたり、自慢話や他人のこき下ろし
   が嫌だったのかなあ・・・」

(4)自分が自慢話や他人のこきおろし、声を荒げるシーンを
 動画で撮って、客観視する



職場で、或いは奥さんに対して採っていた言動を
カメラ(スマホ)がその相手だと思って行い、
その様子を動画で自撮りする。

次にその動画を再生し、
今度は自分が言われてる側として見て聞いてみる。

例:「なんだこいつ(自分)は、自慢話ばかりして・・・
   気にくわない奴だな!段々むかついてきた!」
  等々。

(5)今後自分が一番恐れている事は?



例:「先月、中途入社した今の会社でも、もし俺を認めない
   馬鹿な奴らばっかりだったら・・・。

   いい年をしてうだつが上がらないサラリーマンになるのは
   死んでも嫌だ!

   俺に歯向かう嫁と離婚するのは構わないが、
   弁護士立てて来て、可愛い娘に会わせないのに慰謝料だけ払い続けろ、
   なんて事になったら、デメリットしかない・・・
   そんなのまっぴらだ!」

(6)上の「(5)」の事態にならない様に、自分にできる事は?



例:「俺にとってのデメリットを無くす為には、気が進まないけど、
   自慢話やこきおろしは、暫くは心の中だけに留めておかないと
   いけないかな?」
 等々。

(7)仕事や家庭、生き方等で尊敬できる目標となる人を見つける



例えば、「日本一の営業マン」「同じ父親として尊敬できる人」
「歴史上の人物」等。

そういった人物が見つかれば、
常にその人物と今の自分を比べ、
「その人にあって、今の自分に足りないもの」を意識し、
その差を埋めてゆく事に全力を尽くす。等々。

こういった傾向をお持ちの方は
 「今のままでは、自分にとって大きなデメリットが生じる」
 と認識しないと変わろうとしないでしょう。

 ですから、家族や上司、カウンセラー等、周りの方は
 「今のままではあなたにとってこんな大きなデメリットが生じますよ」 
 と、まず納得される様に持ってゆく必要があると思います

※お独りでは難しい場合は、お気軽にご相談下さい

 

 

回避性パーソナリティ障害の特徴

 

今回は、
「回避性パーソナリティ障害」の特徴
ついてお書きしたいと思います。






<回避性パーソナリティ障害とは?>

回避性パーソナリティ障害は、

自分には長所が無く、他の人より劣っているといった”信念”を持っています。

それ故、
自分が拒絶されたり、批判されたり、をかいたりすることを恐れるために、
そのような反応を経験する可能性のある対人的接触を伴う社会的状況や
交流を回避することを特徴とします。

批判に対する極度の敏感さを有し、
わずかな批判、否認、または嘲笑に対して極めて敏感に反応します。

心の内では社会的交流を望んでいますが、親密な人間関係を築く前に
繰り返し支持され無批判に受け入れられることにより安心する必要があるので、
社会的に孤立しがちです。
(自分が好かれることを確信できない限り、新しい友人を作ることを避ける)

逆に言うと、
”自分を好いてくれてる”、”批判・拒絶せずに守ってくれている”
と実感できる守られた環境におかれれば社会生活を送ることができます
(例えば、信頼できる妻子との家族生活等)






◎DSМの診断基準(以下の項目の4つ以上の該当による)



社会的抑止不全感、および否定的評価に対する過敏性の広範な様式で、
成人期早期までに始まり、
以下のうち4つ以上によって示される。



・批判、非難、または拒絶に対する恐怖のために、
 重要な対人接触のある職業的活動を避ける



・好かれていると確信できなければ、人と関係をもちたがらない



・恥をかかされる、または嘲笑されることを恐れるために、
 親密な関係の中でも遠慮を示す



・社会的な状況では、批判される、または拒絶されることに
 心がとらわれている



・自分に能力が欠けていると感じているため、
 新しい対人関係の状況で引っ込み思案になる



・自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、
 という自己像をもっている



・恥をかく可能性があるために、リスクをとったり、
 新しい活動に参加・取り掛かる事に、異常なほど引っ込み思案である





 
<回避性パーソナリティ障害の例>



「メーカーの研究室に勤務するK子さん

 子供の頃から、家庭や学校で疎外感を感じていて、
 ”本当は誰かと交流したい”と思いながらも、
 ”こんなダメ人間な私はきっとみんなに拒絶されるだろう”
 と恐怖を感じて、ずっと独りで過ごしてきた。

 今の職場でも、仕事のやり方を上司から注意され、
 ”やっぱり私はダメなんだ”と仕事に行くのもしんどくなっている。
 そんな中、上司から会議での発表を頼まれた。

 ”そんな事したら、みんな私の発表内容や立ち居振る舞いを
 馬鹿にしたり、嘲笑されるに違いない”と感じて、
 うそをついて断ったが、

 そんな自分を上司に見透かされたみたいに感じて、
 ”あ~、室長は益々私の事を無能な奴と思っただろうな ”
 と思うと、上司に質問する事さえできなくなってしまった・・・。」

 

 

回避性パーソナリティ障害の原因

 

今回は「回避性パーソナリティ障害の特徴」から類推される
「回避性パーソナリティ障害の原因」についてお書きしたいと思います。






<回避性パーソナリティ障害の原因>

①快・不快刺激に敏感である



多くの方は
他人から受容されたり、肯定・尊重される関係性の中での交流は
気持ちが良い(快)筈です。

逆に、
他人からの批判、非難、拒絶は不快な筈です。

ところが、
「回避性パーソナリティ障害」の人は
過度に”不快”に対して防衛的になっているとすれば、
それは(不快)刺激に対する敏感さを有していると言えるでしょう。

そしてこの敏感さは、持って生まれたものか、
もしくは、
幼い頃のトラウマチックな出来事によるものと考えられます。

(不快)刺激の方向性が「自分が他人から受容されているか否か?」
 という事に偏り、そこへの拘りが持続し固着してしまっている



これは恐らく、幼児期の生育環境等の影響によるものと思われます。

例えば、
批判的・非受容的な親や教師、級友等、他者から受容されなかった事
等によるトラウマから、「もう絶対に傷つけられまい」と感じた。
(対人交流の回避等、不快を避ける事への防衛的な拘りに結びつく)

※いずれにしても私は、こういった環境因に加えて、
 「快・不快刺激への敏感さをある一定以上有してしないと、
 そこまで固着してしまう事は無いのでは?」と考えます

(不快)刺激に対して常に”回避”という防衛パターンが使用される



それは恐らく今迄の経験上、(恐怖に)立ち向かう事でより傷つけられた
或いは、
回避する事での成功体験を重ね回避に纏わる神経回路が増強された
と考えられるでしょう。

例:「恐怖心を克服しようと一念発起して
   初めての場で思い切って発言したのに”シラ~”とした雰囲気になって
   心臓をえぐられる様に感じた。
   それからはもう二度と目立たない様にしようと決めた」等。

※その結果として、他人と交流できなくなった自分に対して
 ネガティブな自己像が生まれたと考えられます

 (つまり、「自信が無いから対人交流できない」のではなく
 「対人交流できないから自信を失って行った」と想像されます)






もしそうだとすれば、
回避性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

 

 

回避性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

 

今回は前回お書きした「回避性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。






<回避性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

①快刺激の増強



回避性パーソナリティ障害の人は、他人からの批判、否認、嘲笑等の
不快刺激に対して過敏になっています。

だとすれば、
逆に他人からの好意・承認・受容等の快刺激に対しても本来は敏感である
と考えます。

そこで、

他人から
「好意を持たれた」

「認められた」

「受け入れられた」

等に対して敏感なアンテナを張り巡らせて、
それらをほんの少しでも感じた時には
”その相手”と”時間”と”内容”をその場ですかさずスマホ等にメモしましょう。

そして毎晩そのメモを読み返すのが役に立つと思われます。






②意識の対象を変える



回避性パーソナリティ障害の人は、
「自分がどう見られているのか?」「自分がどう思われているのか?」
等といった「他者による自己評価」に意識が集中し続けています。

これはまるで就職の為に面接を受けている人の様で、
自分が評価される側に廻ってしまっている訳です。

だから、
面接を受けている側は不安・緊張に晒される訳です。

一方、面接官はどうでしょうか?

面接官「自分による他者の評価」
つまり相手を評価する側に廻っていますので、不安・緊張に晒されない訳です。

ですから、
自分が面接官になったつもりで、意識を”相手を評価する”方向へ向ける事
が役に立つでしょう。



例:「Aさんは、私に対して常に批判的な表情や声のトーンで接してくる。
  スマホのメモを見返しても、
  彼女からの好意や承認・受容を感じられた事は無い。

  それに引き換えBさんは、表情や声、言葉がいつも受容的で、
  メモを見返すと、実際に「好意・承認・受容」が一番高得点だ。

  しかも、彼女から冷たい態度や批判・冷笑を受けた記憶は無い。
  そして、Cさんは・・・・」等々。






③回避という防衛パターンを徐々に変えてゆく



(1)「②」で自分の評価が高い相手をしっかり見極めて(上の例ではAさん)
  その人との距離を徐々に近づけてゆく



ここで注意しないといけない事は、
「自分が傷つけられない様に」とか「自分が気持ちよく居られる様に」等と、
ややもすれば自分側に意識が向きがちになる事です。

そうではなく、
「相手を傷つけない様に」とか「相手が気持ちよく居られる様に」等と、
相手側に意識を向ける事が大切だと思います。

その為には、
どんな話題をどんな表情や態度で伝えれば、
相手を気持ちよく居させる事ができるのか?
といった作戦を考える必要があるでしょう。

そして、
その作戦を実行するに当たっては、相手の好きな事や気持ち良い事を
”観察”によってできる限り把握しておくことが役に立つと思います。

例えば、
「Aさんは天気の変動に敏感みたいで、低気圧が近づいて来て天気が崩れると
頭痛や肩こりが酷くなると誰かに行ってた。逆に晴れた日は
表情が生き生きとしてる。」

次に、
いきなり距離を近づけるのは怖いでしょうから、
まずは挨拶した後に(相手を気持ちよくさせる)ひと言を付け加える事
から始めるのが良いと思います。

「Aさん、お早うございます・・・・・今日はすっきりと晴れていて
  気持ちがいいですよね!」等々。

(2)逃走(回避)だけではなく闘争(自分の意見や感情の表明)も採り入れてゆく

まず、
上の「(1)」によって、学校や職場等の自分が居る場の中で
独りでいいので味方(少なくとも敵ではない人)を作る事ができれば、

徐々に批判、否認、嘲笑に対して「不満げな表情を作る」
「不愉快感を示す為に目線を外し席を立つ」「無視する」「やめて下さい」
とか「嫌です」「困ります」「それは誤解です。私は・・・」等と
自分の意見や感情を表明してゆく事を意識してみましょう。

もしここでそれを行う事が怖ければ、”味方”になってくれた人に
相談してそれをやってもよいか?の許可を得るのもいいかも知れません。



例(本人)「Aさん、さっきの会議で課長に
     ”君は何故あの書類を仕上げてないんだ?!”
     と怒られたけど、営業のC主任から”あれは後でいいから、
     こっちを先にして”と頼まれてたの・・・
     その事を課長に言ってもいいのかな?」

(Aさん)「え~?、それじゃあ、あなたの責任じゃないよ!
     ちゃんと課長に説明しなきゃ!」

(本人)「でも・・・”言い訳するな!”ってまた叱られたらどうしよう?」

(Aさん)「課長がそんな事言ったら、私も課長に言ってあげるから」
等々。






※お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい



   

 

依存性パーソナリティ障害の特徴

 

今回は、
「依存性パーソナリティ障害」の特徴
ついてお書きしたいと思います。






<依存性パーソナリティ障害とは?>

依存性パーソナリティ障害の人は
自分で自分の面倒をみる事ができると考えておらず、

服従することで他者に自分の世話をしてもらおうと
過度の要求をする事を特徴とします。

(つまり、他者の支援無しでは自分独りでは生きてゆけない、と感じている)



自立(自分で責任を負う事)への怖れから、家族や恋人等に依存し、
日常的な判断(例えば「何を着て」「どんな仕事に就き」「誰と付き合うか?」等)
その相手に委ねて責任を負ってもらおうとします。



そして、
その依存対象となる人への執着が強く、
その相手に見捨てられる事を怖れるが故に、過度に服従します。

(相手の言いなりになり、身体的・性的・情緒的虐待に耐え続ける事もある)



更に、
依存する相手を失った場合は、代わりの相手をすぐに見つけられないと
うつ状態になる危険性がある。






◎DSМの診断基準(以下の項目の5つ以上の該当による)



※依存性パーソナリティ障害の診断を下すには、
 本人が自分にかまってほしいという欲求を持続的かつ過剰にもち
 服従的でまとわりつくような行動をとっていることを確認する必要があり、
 症状が成人期早期までに始まっている必要もあります。

・他者からの過剰な量の助言や安心なしに日常的判断を下すことが困難である



・生活のほとんどの重要な側面について他者に責任を負ってもらう必要がある



・支援や承認を失うことを恐れることから、他者との意見の不一致を
 なかなか口にできない



・自分の判断力や能力に自信がないあまり(意欲や気力がないためではなく)
 一人で計画を始めることに困難がある



・他者からの支援を得るために、進んで多大な労力を払う(例えば、
 不快な課題をこなす)



・自分の面倒を見ることができないことを恐れるあまり、
 一人でいるときに居心地悪く感じたり、無力感を感じたりする



・親密な関係が終わったときに、世話と支援をしてくれる人と
 新たな関係を築く差し迫った必要を感じる



・一人にされて自分の面倒をみることになる恐れにとりつかれている






<依存性パーソナリティ障害の例>

「一般企業の事務職のA子さん。

 学生時代は部活の先輩の保護が無くなる事を怖れ、
 先輩の使いっ走りの様な存在だった。

 会社でも上司の支援を失う恐れから、
 言われた仕事は何でも抱え込み、毎日残業の連続。

 付き合って3年の彼氏には”ねえ、今日は傘持っていった方がいいかな?”
 とか
 ”どんな服を着ていったらいい?”
 とか
 ”あなたと会えない時間は何をすればいい?”

 等と一つも自分で決められずに、いちいち彼に判断を仰ぐ。

 面倒くさくなった彼は次第にA子さんに暴力を振るう様になってきたが、

 依存相手を失う事への恐れから、A子さんは彼に反発するどころか、
 益々彼に服従するようになってきている。」




   

依存性パーソナリティ障害の原因

 

今回は「依存性パーソナリティ障害の特徴」から類推される
「依存性パーソナリティ障害の原因」についてお書きしたいと思います。






<依存性パーソナリティ障害の原因>

①不安に対する感受性が極めて強い



②自我の脆弱さから不安に対する耐性が育まれなかった

誰しも、自分で判断する場面では、「本当にそれでよかったのかな?」
と不安が頭をかすめると思います。



ところが依存性パーソナリティ障害の人は、
それが恐怖レベルになっていて、自分で判断できない、責任を負えない状態
になっています。



私が考えるに、この”不安に対する感受性”の強さ
「持って生まれたもの」+「成育環境」の合わせ技から来ているのでは?
と思います。



例えば、持って生まれて不安に対して過敏である人が
何でも親が決める様な過干渉な環境で育った場合

”自分で判断するプレッシャー””自分で責任を負う不安”を回避し続ける
ができる訳です。



そのプレッシャーや不安を回避し続けると、
当然の事ながらそれに対抗できる力、即ち”耐性”が育たない訳です。



そして、成長するに従って、より重大な選択や判断をしないといけない局面
が増えてきます(例:進学、就職、社交、恋人選び、結婚等)



そうなると益々、自分で決める不安が恐怖レベルにまで大きくなり、
誰かに決めてもらわないとどうする事もできない状態に陥り、
相手に委ね続ける(依存)しかなくなるでしょう。



そしてそれは同時に自分の無力感を痛感する事になり、
益々不安に対する感情性が強くなり、益々依存的になる、といった悪循環
に陥ると考えられます。






もしそうだとすれば、

依存性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?



そのヒントを次回お書きしたいと思います。




   

依存性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

 

今回は前回お書きした「依存性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。






<依存性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

①自我の強化

(1)不安・恐怖を回避せず直視する



不安・恐怖は回避し続けるとどんどん増大してゆきます。

それを避ける為に不安・恐怖と向き合ってみませんか?

以下の様に自問し、それを紙に書き出してみましょう。

最初は傍に依存相手に居てもらいながら向き合ってみるのがいいでしょう



「もし今日会社に着てゆく服を間違えたとしたら、
  私はどうなる事が心配かな?」



 「きっと課長や先輩から”場違いな奴”とか”センスの無い奴”と
  馬鹿にされて、助けてもらえなくなる!」



 「そうなったら、どうなるのが心配?」



 「自分では何もできないので、仕事をクビになっちゃう・・・」



 「そうなったとすれば、どうなるのが心配?」



 「ニートになって彼から愛想尽かされる」



 「そうなったらどうなるのが心配?」



 「独りでは生きて行けないから死んじゃう?」



その紙を依存相手に見せて

「これは違うだろう」と思う所に突っ込みを赤ペンで書いてもらいます



例「(彼氏=依存相手)着てゆく服くらいで馬鹿にされたり嫌われないよ。

  第一お前は職場では”都合のいい便利屋”だから、お前を手放さないよ。

  それと、ニートになっても俺はあんまり関係ないな。

  そして、お前は赤ちゃんじゃあないんだから、
  俺と付き合う前の様に次の相手を探してでも生きてゆくと思うぜ!」

(2)自分は無力で何もできないという信念に対抗する



今迄の人生で、自分で決めた事・判断した事を書き出してゆく



「えっと・・・トイレへ行くタイミングは自分で決めてる、それと
  お風呂で体のどこから洗うか?とか、朝食を食べる食べない、
  どの時間に家を出るか?、とかどの動画を観て、どれを観ないか?
  いつまで観るか・・・、あと下着は自分で決めてるかな?」等々。



次に、ほんの些細な事でも毎日自分で決めた事、選択・判断した事
を書き出してゆく

(3)自我(意識側)が自己(無意識側)に安心を与えながら、
 自分で決めてゆく経験を積んでゆく



不安・恐怖を回避し続ければ、自我の成長・強化は望めず、
当然自信もつかない筈です。

ですから、自分で決め易い事柄から自分で決める経験を積んでゆく事
が必要だと思います。



ところが、当のご本人は「それができないから困ってるんだよ!」
お感じになるでしょう。

そんな時には例えば
「どっちの服を着て行ったらいいのか?私じゃ決められない!」

と浮かんで来る思考は、自分の中の子供''(無意識側)が困っていると考えて''、

「彼氏(依存相手)ならどう言ってくれるだろうか?」と考えて、

彼氏が言ってくれそうな言葉を”親”として、自分の中の子供に言ってあげて
安心させるやり方を試してみるのも良いでしょう。



例:「あ~どの服を着て行ったらいいのかな?・・・自分じゃ決められない!」

「(彼氏ならどう言ってくれるか?)」

「どの服でも似合うよ!けど、今朝は少し肌寒くて秋めいて来たから、
アースカラーのワンピがいいかもね!」

(自分の中の子供に)アースカラーのワンピにしたらいいよ!」

等々。

(4)自分で決める練習を定着するまで実行し続ける



その様にして、自分で決める経験を積み重ねてゆきましょう。

それを実行してゆくと、いつかは(自分の中の子供が)迷った時には、
別の部分(親の部分)がアドバイスしてくれる様になるでしょう。

 

 

強迫性パーソナリティ障害の特徴

 

今回は、

「強迫性パーソナリティ障害」の特徴
ついてお書きしたいと思います。






<強迫性パーソナリティ障害とは?>



強迫性パーソナリティ障害の人は、
規則や手順、形式に極端にこだわり
本来の目的(例えば締め切りや納期等)を達成できないことが少なくない。



つまり、
秩序完全主義、また自身や状況のコントロールに対してとらわれて
自分の活動について柔軟性がなく、頑固であり、
あらゆる物事が特定の方法で行われなければならないと考え、

コントロール感を維持するために、規則、取るに足らない些細なこと
手順、スケジュール、リスト等を重視し、
違う考え方を受け容れるという柔軟性に欠ける

プライベートでも、
ちょっとした息抜きの時間ももったいないと考え、仕事に没頭する。

家族や友人と出かける時には、自分で入念な計画を練り
他人にも自分の行動基準を守るように厳しく求める

また、
極端に物を集めて捨てられなかったり、将来のお金の不安に備えて、
極端な倹約家である。

更には自分のやり方が正しいと思い込んでいるので、
人に仕事を任せられない

対人交流に於いても、
論理や知性を重んじ、感情表現を抑え、厳格な道徳的原則を自他に課し、
「気難しい」「頑固」といった印象を与える、

等といった特徴があります。

※「強迫性障害」の様な強迫行為と強迫観念は必ずしも存在しない






◎DSМの診断基準(以下の項目の4つ以上の該当による)

※強迫性パーソナリティ障害の診断を下すには、
 秩序、完全主義、また自己、他者、状況のコントロールに対する
 持続的なとらわれが認められる事と、
 症状は成人期早期までに始まっている必要があります



細部、規則、スケジュール、秩序、及びリストに対するとらわれがある



仕事の完成に支障があってもある物事を完全に行おうとする(完全主義)



仕事や生産的活動に過度に没頭し(経済的必要性によるものではない)
 結果的に余暇活動や友人をないがしろにする



倫理的、道徳的問題や価値観に関して過度に誠実、厳格で融通が効かない



感情的価値のないものであっても、使い古されたものや不要なものを
 捨てたがらない



他者が自分のやり方通りに従わなければ、
 他者に仕事を任せたり、一緒に仕事できない



お金を将来の災害・破局の為に取っておくべきものと考えている為、
 自分や他者に対して金銭を出し惜しむ



柔軟性がなく、頑固である






<強迫性パーソナリティ障害の例>

「専業主婦のK子さん。企業の事務職として働いていた頃は
 ”自分”が決めたスケジュールに則って完璧さに拘った事務作業を
 行い続ける余りに、納期に間に合わない事が多かった。

 上司に注意されても”じゃあ、ミスがあってもいいんですか?!”
 等と詰め寄ったり、同僚のミスを指摘したりしていた。

 更には、譬え先輩でも”私語を謹んで下さい”と注意する事もあり、
 周りから””融通が効かない頑固者”と思われていた。

 結婚して専業主婦になっても、家中を自分が決めた通りの手順で、
 毎日チリ一つ無い様に念入りに掃除するが、

 いらなくなった子供のおもちゃや服は”いつか必要になる時が来るかも”
 と捨てずに物が溢れている。

 家族で出かける時も念入りに計画を立て、例えば公園で5歳の息子に
「今日は逆上がりができる様に練習しなさい!」等と”無駄な”遊びを
 させなかったりする。

 家計簿の管理も厳密で、夫がお金を使った場合は、
 全てレシートを添付しないといけないというルールに夫も従っている。

 夫から見れば、妻がゆっくりくつろぐ時間が無い様に感じて、
 洗濯物や食器洗いを手伝うと、”何でこんな干し方したの?”
 ”何よ、この畳み方!”等と妻の決めた通りにできないと責められ、
 ”あなたには何も任せられないわ”と結局夫は手伝えなくなった。」

 

 

強迫性パーソナリティ障害の原因

 

今回は
「強迫性パーソナリティ障害の特徴」から類推される
「強迫性パーソナリティ障害の原因」についてお書きしたいと思います。






<強迫性パーソナリティ障害の原因>

①不安等の不快に対する感受性が極めて強い


 
例えば、将来の金銭的な不安の為に、極端に倹約する等から、
(恐らく遺伝的に)不安や不快への過敏さを有していると考えられます。

②トラウマによって不快の対象が、”未達成・不完全”に固定された



誰しも目標を達成できなかったり、ミスをしてしまうと落胆するでしょうし、
それを他人から指摘されると”恥”といった不快感情を味わう事になるでしょう。

特に、元々不安・不快に対して敏感な人にとっては、

例えばミスをして親から怒られた
とか
学校で恥ずかしい思いをした
等の経験がトラウマレベルになる事もあると思います。

そしてもしそうなれば、
未達成や不完全さによって「恥をかく事や怒られる事」
が当人にとっては最大の不快事項となると想像されます。

③防衛反応によって”達成・完全”への目標志向に拘る様になった



そうなれば「もう二度と嫌な思いをしたくない!」と、
不快感情を回避する為に、目標の達成や完全さに拘る様になるでしょう。

そしてそこへ拘る事で、
不快感情の回避と同時に、”達成感”や”自己効力感”、
”人や物事に対するコントロール感”等の快感情を得る事ができる、
といった一石二鳥のメリットが得られるのだと思います。

④コントロール不全との直面



そうして、
不快感情の回避と達成感・コントロール感といった快感情を得る部分の
脳の神経回路が増強されてゆくのだと思います。

ところが、
”自分の力ではコントロールできない”といった新たな不快対象が出現
してくる訳です。

それは、お気づきの様に”他人”(と未来)です。

そうなれば、
不快に敏感な人にとっては今度はその不快対象を何とかしないと
気が済まなくなるでしょう。

そしてその時点では、
自身の”達成・完全への目標志向”に自信を深めていて
「それが正解だ!」と思い込んでいる訳です。

だから
他人をもその枠にはめて、自身にとって不快な言動をしない様に
コントロールしようとするでしょう。

でも、
他人ですからそれがままならないので、
強い不快感情を感じる様になる筈です。

⑤他人や事象のコントロール感への拘り



そうなれば、
自身にとっての最大の不快事項
「他人(と未来)へのコントロール不全」になる訳です。

ですから、
他人を自身のルール等の拘りに従わせようとしたり、
未来への不安・不快を回避する為に過度の倹約をしたりする様になるでしょう。

ところが
特に他人は中々思い通りにコントロールできない

⇒自身は益々コントロールする事に拘る

⇒相手は益々従えない部分が増えてゆく・・・

といった悪循環に陥り、自身もコントロール不全感で苦しみ、
被支配・コントロールされている人も追い詰められてゆくでしょう。



※本障害の遺伝について:

 例えば、
 ”完璧主義”の母親にテストで100点取れなかった事を責められた、
 等がトラウマとなり、

 不快の対象が、”未達成・不完全”に固定され、
 防衛反応によって”達成・完全”への目標志向に拘る様になる、

 という事は充分考えられると思います。

 その場合、
 親の不快(子が100点取れない事)への過敏さが遺伝していたとすれば

 遺伝+環境因(怒られた事でのトラウマ)によって、
 本障害が”結果として連鎖”する事もあると考えられます。






もしそうだとすれば、
強迫性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

 

 

強迫性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

 

今回は前回お書きした「強迫性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。






<強迫性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

①自我強化

前回の「原因」でお書きした様に、
強迫性パーソナリティ障害の人は、不快に対する感受性が生まれつき強く

トラウマチックな出来事によって、
その不快さが”未達成・不完全”に固定されたと考えます。



そして、

その不快を感じない為の回避行動・防衛反応として、
”達成・完全”への目標志向に拘る様になったと思われます。



更に、

この一連の反応は自己(無意識側)が自我(意識側)を凌駕している為に、

「やり過ぎだと思わない」或いは「わかっているけどやめられない」
といった状態になっているのではないでしょうか?



だとすれば、

自我(意識側)を強化して、自己(無意識側)のコントロールを脱し、

自我が自己を客観視し、ケアできる方向へ持ってゆく事
が役に立つと思います。



そのやり方として、例えば・・・

子供時代の記憶の中で、
自分の未達成や不完全さによって、
をかいたり、怒られた場面を思い出す。

その時の自分は、
どんな事を感じてどんな気持ちになっていたのでしょうか?

それをイメージしてみましょう。

「お母さんがしんどそうだったので、食器の片付けのお手伝いをしてた
 ・・・。

 でも、お母さんは私の洗い方が気に入らなくて
 ”もういい!”と怒られて怖い顔で洗いなおしている・・・。

 私は”ちゃんとできないとお母さんに愛してもらえない”と怖くなって、
 体が強張って、顔もひきつっている・・・」



次に、

その時の自分が、
今の自分にとって大切な人(例:我が子やパートナーの子供時代)
だとすれば、

どうしてあげたら緊張がゆるむのか?何て言ってあげたら救われるのか?
を考えてみましょう。

「お母さんの為に片付けを手伝って、あなたは優しい子だね!
 でも、怒られてしまって、悲しかったね。

 私はあなたの優しさに”嬉しいよ。有難う!助かった”と言ってあげたい。

 あなたがちゃんとできても、できなくても大好きだよ」

等々。



そして今度は、

胸の中にその時の幼い自分が居るとイメージをして、
胸に手を当てながら、胸の中の自分に上記の言葉を言ってあげましょう。
(この時、胸をさすりながらとかギュッと胸を抱きしめる等をしてあげる
 のも良いでしょう)






②”不快”に対する耐性の強化

「①」の”幼い自分へのケア”
(無意識側の)”完璧主義ちゃん”が出てくる度に言ってみませんか?

それを行い続ける事によって、
「自分の思い通りに行かなかった時の不快」

「完璧にできなかった時の不快」への耐性が育ってゆくと思います。






③”達成・完全さ”の方向性を変える

本障害の問題となるのは、

”達成・完全さ”への拘りの為に、自身もそうですが、
特に周囲の人が巻込まれて困ってしまう事です。



ならば、
そうならない方向へ''その”拘り”を変えてゆく必要がある''と思います。



例えば、

(1)毎日、タイムスケジュールを作成する



仕事や家事、プライベート等全ての時間を細かく決めて行きましょう

「朝6時起床、6時15分まで洗顔歯磨き・トイレ、
  6時45分までに朝食と子と夫のお弁当の用意・・・・

  会社で9時から12時までにあの事務作業を終わらせる・・・」

等々。



そして、
自分で決めたタイムスケジュールを毎日予定通りに完璧に達成する事
を目標とする。

(2)自身のデメリットを意識する



「もし、自分が決めたスケジュールによって、自分がいつもイライラし、
 そのストレスによって体調を崩し、医者代や薬代等の出費が増えれば?」
・・・

とか、



「相手(子や配偶者、同僚等)が自分の思う通りの動きをしない時に
それを指摘し続けると最悪どうなるのか?」

「夫婦仲が悪くなって離婚とかなると将来の人生設計に大きな狂いが生じる」
等。

(3)自他の負荷を軽減する方向でスケジュールを見直してゆく



上の「(2)」で想像したデメリットが生じない様に
スケジュールを自他に負荷がかからない様に随時修正してゆきましょう。



加えて、

自他がストレスなく過ごす事のメリットを意識し、
「自分が自由に好きな事ができる時間」

「配偶者や子が自由にできる時間」

「配偶者や子が喜ぶ事をしてあげる時間」

等も、
それをする事での”自分のメリット”を意識しながら、
スケジュールに組み込んでゆきましょう。


「夫が気持ちよく過ごしてくれれば、夫婦仲は悪くならずに
 仕事もより頑張って給料も上がって、定年まで元気に働いてくれて、
 退職金も・・・・

 だから夜の8時から30分は夫の晩酌のお酌をしてあげよう」

等々。



※お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい

 

#パーソナリティー障害(人格障害)のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。