気休め・気を紛らわす・気晴らし・暇潰し/遊びの大切さ

気休め・気を紛らわす・気晴らし・暇潰し/遊びの大切さ


「それってただの”気休め”でしょ?」



「趣味ですか?・・・
 ”暇つぶし”にゲームをするくらいです」






皆さんの中でも

「気休め」「気を紛らわす」

「気晴らし」「暇つぶし」「遊び」
という言葉に対して、

ネガティブなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。



私のカウンセリングでは。

その方のお悩みを解消する具体的な方法を
ご提示差し上げるのですが、

中には
「それは単なる気休めではないでしょうか?」
と仰る方もいらっしゃいます。



勿論、

”根本解決”を望んでおられる方にとっては、
時に”気休め”と感じて、

物足りなさを感じられるのもわかります。



ただ、私は

「気休め」「気を紛らわす」「気晴らし」
とても大切な事であると考えます。
(※後述しますが、同様に「暇つぶし」、「遊び」も
  とても大切な事だと思います)



何故なら、

例えば
生まれつき「快/不快」に対してとても敏感な人
不安も感じ易いでしょうし、落ち込み易いでしょう。



その様なタイプの人には
「不安を無くす」事や「落ち込みを無くす」事は不可能だと思います。



或いは、
そこまで敏感ではない人でも、心の奥底には

「病への不安」「死への恐怖」

「愛する存在の喪失への不安」

は誰しも持っているはずですし、
時には落ち込む事もあるでしょう。

ところが、

「不安」や「恐怖」に囚われ続けたり落ち込み続けると、

人生を楽しんだり、成長したり
願いや目標を達成したりする力が損なわれてしまうでしょう。

そこで大切な事は、

「いかに不安や恐怖から気を逸らしたり紛らわせたり、
 気休めをするか?」



「いかに気晴らしして、落ち込みから抜け出せるか?」

という事だと思います。




そういった意味では人間を含む動物全ては、

欲求充足や快楽/趣味/暇つぶし、やるべき事/仕事等に集中する事で

死の恐怖や別離/喪失の不安を感じない様に
”気を逸らしている”とも言えるでしょう。




でないと、
種の繁栄どころか、

日常生活さえままならなくなるでしょう。






次回は

「愛着(アタッチメント)」と「気休め/気晴らし」の関係
について私見をお書きしたいと思います。


愛着と気休め・気晴らし

 

以前にもお書きしましたが、

「愛着(アタッチメント)」はイギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが提唱した
愛着理論の中での定義で、

簡単に申しますと
「乳幼児が危機的状況に瀕したりそれを予知し恐れや不安を強く感じた時に
 特定の他者(主に親)への近接(くっつく事)を通して、
 不安・恐怖を鎮め、安全・安心の感覚を回復・維持しようとする傾性」

という事です。

つまり、

乳幼児の心身の不快な事柄や危機的状況に対して、
養育者(主に親)が安全・安心の基地になってあげる事が
その後の子供の発達にとって不可欠であるという事です。



この事を私なりの解釈で申し上げますと、

「親が安全・安心の基地」として機能する事は
即ち、
「親が気休め・気晴らし・気を紛らわせてくれる存在」として機能している
とも言えると思います。

だとすれば、
愛着理論から見ても、気休めや気晴らし、気を紛らわせる事は
とても大切な事だと思います。



では、

何故そこまで愛着形成が大切だと考えられているのでしょうか?

それは、

「愛着」が形成されていないと安全基地を欠いた状態になり、
いつまで経っても気が休まらず、気が晴れずに気分転換できない
という事態に陥ってしまうでしょう。



そして、

その様な状態になれば、
次回お書きする「探索行動」に取り掛かれなくなるからだと考えられます。


愛着と探索行動

 

前回お書きした様に、

(主に)親と子の間で「愛着(アタッチメント)」がきちんと形成されていれば、

親が子にとっての「安全基地」になって、

子は探索行動(友達や他者との交流や遊び/楽しみ、恋愛⇒家庭を持つ、
学習⇒仕事、等)をとる事ができます。



そして、
そういった探索行動によって自我の発達が成され、
自身の成長や自己実現が可能となってゆく訳です。



つまり、
''愛着形成がうまく成される事''(安定型の愛着スタイル)によって、
探索行動ができる様になり、自己成長や自己実現に向かえる訳です。



ところが、
幼い頃に愛着形成がうまく行かず、
「不安定型」(回避型、不安型等)の愛着スタイルになってしまった人は、
「心の安全基地」が無く、探索行動が妨げられる事も起きて来るでしょう。



では、
幼い頃に愛着がうまく形成されなかった人(所謂愛着障害)は
自己成長や自己実現は諦めないといけないのでしょうか?



勿論、そんな事は無いと私は考えます。



そういった
(探索行動がとれない、或いは抵抗が強く)「私は愛着障害では?」
と悩んでおられる方にとって必要な事は、

「気休めや気晴らし」を繰り返してゆき、
愛着の再形成を促す(安定型の内的作業モデルを作る)


「遊びや暇つぶし、趣味等」の探索行動の割合を増やしてゆく
だと思います。






次回からはその為のヒントをお書きしたいと思います

 

 

気休めと遊びで愛着障害から脱する(1)

 

前々回お書きした様に、

「安定型の愛着スタイルの形成」には、

「親が安全・安心の基地、即ち
 親が気休め・気晴らし・気を紛らわせてくれる存在として機能している」

事が必須であると考えられます。



ところが、
幼い頃に「安定型の愛着スタイルの形成」が成されなかった為に、
所謂”愛着障害”となり、

成人してからも苦しんでおられる方もいらっしゃいます。



ただ、
いくつになっても愛着の再形成は可能であるとも考えられます。



何故そう言えるのか?と申しますと、

愛着スタイルが親元を離れ大人になってからも人生に影響を及ぼすのは、
”今・現在”も「内的作業モデル」が働いているからだと考えられています。



そしてそれは、
幼い頃の親とのやり取りによる手続き記憶を基に、
脳の神経回路が構築されたからだとも考えられています。



加えて、
脳の神経回路は新しく作ったり、修正可能であると考えられています。



だとすれば、
脳の神経回路を安定型の愛着スタイルを基にした「モデル」に
作り替える事が可能だと言う事です。



その為にはまず、

「気休め/気晴らしによる愛着の再形成」が必要だと考えております。






<気休め/気晴らしによる愛着の再形成>



※具体的な方法は以前「愛着の再形成」でお書きしましたので、
 割愛しますが、ポイントは以下の通りです






①意識(大脳皮質※主に前頭前野)と無意識(大脳辺縁系)を分ける






②意識側を「理想の親」として無意識側を「幼い子供の自分」とする






③無意識から湧き上がってくる不安や落ち込み等を意識側が俯瞰し、
 巻き込まれない様にする






④「その子」の訴えを聞き、
 理想の親なら何と言ってあげて、或いは何をしてあげて
 気持ちを楽にさせてあげるか?(気休め/気晴らし)を考える






⑤「理想の親」として、
 「幼い子供の自分」に、「気休め」「気晴らし」を与え続ける



例:「そっか・・・〇〇になるのが怖いんだね。
   でも、そうなった時はママが何とかするから大丈夫だよ」
  とか

  「そっか、〇〇で落ち込んでるんだね・・・
   一緒にお散歩に行ってアイスクリームでも食べない?」

等々。





  
⑥その「意識側」と「無意識側」のやり取りを常に意識して続けてゆく



 脳の神経回路を作ったり、修正するには「繰り返す事」が必要です

  繰り返す事によってその回路は強化され定着しますが、それを怠ると
  (不要な回路とみなされて)回路の”刈り込み”が行われるでしょう






次回は、

「暇潰し/遊びによる探索行動(成長/自己実現)の強化」
をお書きしたいと思います。


気休めと遊びで愛着障害から脱する(2)

 

前々回にお書きした様に、

愛着理論では

 「安定型の愛着スタイルが形成される」

「探索行動ができる様になる」

「人生を楽しんだり、自己成長や自己実現に向かえる」

という流れがあると考えられています。



つまり

「いかに探索行動がとれるか?」が生き辛さから脱し、
人生を実り豊かなものにできるか?のキーポイントだと言えるでしょう。



そこで今回は、

「暇潰し/遊びによる探索行動(成長/自己実現)の強化」
をお書きしたいと思います。



(前回の「気休め/気晴らしによる愛着の再形成」と並行して行いましょう)






<暇潰し/遊びによる探索行動(成長/自己実現)の強化>



前回の「気休め/気晴らしによる愛着の再形成」の続き






⑦無意識側(幼い子供の自分)に意識側(理想の親としての自分)
 気休め/気晴らしを与える事ができれば、探索行動に誘ってみる



例:



(意識=親側)
「ちょっとは安心できた?なら今何したい?どこへ行きたい?」 



(無意識=子側)
「絵を描きたい!」



(意識=親側)
「(アイスクリームを食べて気が晴れた子に)少しは元気になった様ね!
       じゃあ、何したい?どこへ行きたい?」



(無意識=子側)
「友達と遊びたい」






⑧無意識側の不安や恐怖が出てきたら、
 気休め/気晴らしで対処してあげながら再び探索行動に誘ってあげる



(意識=親側)
「じゃあ、誰を誘う?」



(無意識=子側)
「A子を誘いたいけど、ずっとLINEを無視してたから怖いよ!」



(意識=親側)
「”調子が悪くて返事できなくてごめんね!”ってちゃんと謝れば大丈夫
 だから」

等々。



※学校や職場では探索行動ができない人や探索行動の場を持てない人は、
 まず独りで楽しめる事から始めてみましょう。

(例:映画を観る、音楽を聴く、絵を描く、一人旅、ツーリング、
  ソロキャンプ等)

 

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。