多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング(5)前頭前野によるインナーチャイルドのケア
多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング(5)前頭前野によるインナーチャイルドのケア
前回までのやり方で、
出て来たSP(サブパーソナリティー=交代人格)に、
気づき、訴えを聴き、共感し、感情調整する
事ができてくれば、
基本人格(前頭前野)主導で、
インナーチャイルドをケアしてゆきましょう。
この、
基本人格(前頭前野)によるインナーチャイルドのケア
が進めば、
他の防衛的なSP達はインナーチャイルドを守る、
という事から解放されて自由になって、
本来の働きに戻る事ができる訳です。
加えて、
基本人格が”親”として、
子供であるインナーチャイルドをケアしてゆく事で
”親”としての力を伸ばしてゆく、
といった自我強化にも繋がって、
容易にSP達に乗っ取られない(解離しない)方向へ
進むでしょう。
<多重人格障害(解離性同一症)の治療法
①カウンセリング
(5)前頭前野によるインナーチャイルドのケア>
※前回までの、
(1)出て来たSPに気づき
⇒(2)その子の訴えを聴き
⇒(3)共感する
⇒(4)感情調整する
という流れの続きになります
(5)インナーチャイルドをケアしてゆく
※以下にその手順の一例を挙げますが、
トラウマ記憶に触れてゆきますし、
これはあくまでも一例であって、
その人それぞれに合ったやり方があると思いますので、
信頼できるカウンセラーに導いてもらう事が望ましいです
●ずっと心の底にある感情を呼び出す
例「むなしい」「悲しい」「寂しい」等。
●その感情を増幅させる
例:「私、むなしい!」「私むなしい!」・・・
等と言葉に出して何度も言う
●その感情を体で感じる
例:「この気持ちが私の身体のどこかに
わだかまっているとしたら?・・・
なんか胸の中に、重たい鉛みたいなもの
がある様に感じる」
●その感覚に集中し続ける
●その感覚の起源に遡る
例:頭の中にアナログ時計があると想像して、
その身体の感覚に集中したまま、
時計の針が反対周りに高速で回り出し、
これと同じ感覚を感じた一番昔の場面まで遡ってゆく
イメージをする。(1年前、2年前、3年前・・・
10年前・・・20年前・・・)
そして、
「もうこれ以上遡れない」と感じた時点で
時計の針が止まったら、
「あなたは今、お家の外に居ますか?
それとも家の中でしょうか?」
「他に誰が居ますか?それとも独りですか?」
「何歳くらいのあなたでしょうか?」
「そこで何が起きてるのでしょうか?」
●理想の親とは?
例:その子にとっての理想の親は
どんな親だったのでしょうか?
例えば「優しくて、話を聴いてくれて、
気持ちを分かってくれるママ」
●今の大人の自分がその子の理想の親になって
ケアし、助け出す
例:今の自分(基本人格)が理想の親になって、
その子の前に現れたとして、
その子の話を聴いてあげて
「どんな気持ちをわかってあげたいですか?」
「なんて言ってあげたいですか?」
「どうしてあげたいですか?」
例えば、
怖い気持ちや寂しい気持ちに共感してあげて、
「もう大丈夫だよ、大人の私があなたを守るから」
とギュッとハグして
父親の虐待をやめさせたり、
あなたが住んでいる安全な場所へ
(イメージの中で)連れてきてあげたり、等々。
●その子を育て直す
例:その子が今の自分の本当の子だと思って、
育ててゆきましょう。
例えば、朝起きた時には「京香ちゃんお早う」
と言葉がけしたり、
夜寝るときは「京香ちゃん、お休み!」、
京香ちゃんが不穏になったら、
すかさず感情調整してあげたり、
一緒にお買い物行って、
子が欲しがったものを買ってあげたり、
子が好きな料理を一緒に作ったり、
子の誕生パーティーを開いてあげたり、・・・
とにかく、
愛する”我が子”にそうする様に、
インナーチャイルドに常に気を配ってあげながら
愛情を注ぎ続けましょう。
<次回へ続く>

