多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング(1)安心・安全の確立

多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング(1)安心・安全の確立

<前回からの続き>

今回からは
多重人格障害(解離性同一症)の治療法
についてお書きしてゆきたいと思います。

治療法を大きく分けると、

①カウンセリングによる治療
②医師による薬物治療

の二つになりますが、
今回から3回に分けて、
①のカウンセリングによる治療

についてお書きしてゆきたいと思います。

 

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング
 (1)安心・安全の確立>

今迄お書きして来たように
多重人格障害(解離性同一症)とは、

先天的に「感覚過敏」や「解離のし易さ」
という遺伝の影響を受けている人が、

幼少期に「虐待」や「ネグレクト」等の
不適切な養育を受けて来た場合、

数知れないトラウマを受け続ける中で
(複雑性PTSD/発達性トラウマ障害)、

トリガー(引き金)によって、
背側迷走神経系による「凍り付き反応」
(解離等)

がベース(デフォルト)となり、

自己同一性や理性の座であると考えられる
前頭前野
(等の大脳皮質)の機能を弱化させ
(乗っ取り)

無意識下に抑圧されていた交感神経系による
「闘争・逃走反応」や、
甘えたりする「愛着を求める反応」
等に纏わる”サブパーソナリティー”達は、

トリガー(引き金)によって活性化し、
代わる代わる前頭前野を乗っ取る。

それが長期間に渡って継続する事によって、
前頭前野が制御できない
「解離」「防衛反応」「愛着反応」
等が独自の人格
(サブパーソナリティー)
の形成を強化
してゆく
と考えられます。

だとすれば、まず
安心・安全・社会的な交流・治癒等に関係している
と考えられる
腹側迷走神経系を活性化させる必要
があるでしょう。

その為には以下の手順に沿ったカウンセリングが必要
だと考えます。

以下、”サブパーソナリティ”=”SP”と表記します

①自分の内と外に安心・安全をもたらす”基地”を作る

「私が一瞬でも安全・安心を感じる時間は、
 誰とどこで何をしている時か?」
 と自分に訊いてみましょう。

 例えば、
 「家で、好きな音楽を聴きながらペットと戯れている時」

 「お風呂場で、学生時代に友達と旅行へ行ったという
 人生で唯一楽しかった瞬間を思い出している時」

「彼氏とお気に入りの喫茶店でまったりしている時」
 等々。

それが思い浮かんだら、その時間を増やしてゆきましょう。

これは、
同時に”基本人格”に関係していると考えられる

前頭前野の働きを取り戻す事に繋がるでしょう。

「安心・安全の基地なんて無い!」と感じる人には
 カウンセラーがその役割を担う必要があります。

※注意:「トラウマ処理」を行う場合は、
    
必ず安心・安全の基地が作られ、
    ある程度腹側迷走神経系が活性化し、

    前頭前野が機能する様になってから、
    EМDRやソマティックエクスペリエンシング
    
等を行う事が大切だと思います

 

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング
(2)SP達に安心・安全を与える

前回のやり方で、
(主に前頭前野の働きによると考えられる)”基本人格”が
安心・安全の基地を得たら

今度は
SP(サブパーソナリティー=交代人格)達に、安心・安全を
与えてゆきましょう

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング
 (2)SP達に安心・安全を与える>


まず最初に、

SP(サブパーソナリティー=交代人格)達には
自他を傷つける子や

暴力的な子、
大人びた理屈を言う子や
自暴自棄な子、
大人しく抑うつ的な子や赤ちゃんの様に甘える子、

等、
沢山の個性を持った子達が居ると思います。

この障害で苦しんでおられる人は、
SPの大半の子達に対して、
否定的に捉えてらっしゃると思います。

でも、
この子達は本当は
「愛情や助けが必要なのに
 それが得られずに
苦しんでいた
 (幼い時の)内なる子(=インナーチャイルド)が、

 それ以上傷つけられない様に、
 或いは愛情が得られる様に、

 守ったり助けようとしてきた」
のだと思います。

だとすれば、

SP一人一人に対して
「この子はインナーチャイルドを
 どうやって守ろうとしてきたのだろうか?」

と想像して、

彼ら彼女ら(サブパーソナリティー=交代人格)の
ポジティブな役割
を見出してゆきましょう。

(どうしても受け容れ難い子は
カウンセラー等の他者の意見も聴いてみましょう)

そして、
それぞれのポジティブな役割が想像できたなら、

頭や胸の中に居るSP達全員に呼びかけて、
理解・肯定・謝罪・感謝・労い等を伝えてゆきましょう。
(できれば、カウンセラーが範を示した方が良い
と思います)

例:
「皆さん、聴いて下さい!・・・

 あなた達は幼い京香ちゃんを
 守ろうとしてくれてたんですね!

 なのに、今迄はあなた達を嫌ったり、
 消えて欲しいなんて否定していました。

 ごめんなさい!許して下さい。
 私は二度とあなた達を消そうとはしません。

 そして、今日まであなた達が活躍してくれたから
 京香ちゃんはそれ以上傷つけられずに生きてこられた。
 有難うございます。

 そして今迄大変な重荷を背負わせて来たので、
 あなた達が休めたり、自由になれる様に、
 これからは少しずつでも
(前頭前野の基本人格)
 京香ちゃんを守る様に努めてゆきます!」
等々

そしてもし可能であれば、
SP一人一人に対して、同様に
理解・肯定・謝罪・感謝・労いを
伝えてゆきましょう。

 

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング
(3)前頭前野によるSPへの傾聴・共感

前回のやり方で、

SP(サブパーソナリティー=交代人格)達に
安心・安全を与える事ができれば、

基本人格(本来の”今”の自分)の座であると考えられる
前頭前野がSP達に乗っ取られない様にしながら、
彼ら彼女らの訴えを傾聴して、
思いやりを持って共感してゆきましょう。

そして
この事には2つの目的があります。

一つは、
SP達の活性化を抑えて、解離やアクティングアウトを防ぐ事

二つ目は、
前頭前野(基本人格=本来の自分)を強化してゆく事

※そうする事によって、SP達の「乗っ取り」を防ぎ、
 最終的にはSP達によるインナーチャイルドの保護を
 基本人格(本来の”今”の自分)による保護へとバトンタッチして、
 ”自分自身”もSP達も、共に自由に幸せに生きてゆく事
 に繋げてゆきます。

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法
 ①カウンセリング
 (3)前頭前野によるSPへの傾聴・共感>

(1)SP達の中の誰かが出て来た時に”気づく”

例:
「あ!今、16歳の暴力的な”ナルト”が
 入れ替わろうとしている!」

気が付く間もなく、乗っ取られる事が多いでしょうが、
まずは”意識的に”気づこうとしてみましょう。

そうして、”気づく”事が増えてゆけば、
それはつまり、
前頭前野が乗っ取られずに働いている時間が増える

という事にもなります。

 

(2)そのSPの訴えを聴く

例:
(京香)「ナルト君は、いつも怒っていて暴力的だけど、
    そうしないといけない
もっともな理由がある
    と思うの。
    もしあなたが暴力を振るわないと

    どうなっちゃう事が心配なのかなあ?」

(ナルト)「俺がこの子(インナーチャイルド?)を守らなきゃ、
     誰が守ってくれるって言うんだ?!
     そして、
     この子を傷つけてきたあいつらを絶対に許さない!

     ぶっ殺してやる!」
等々。

 

(3)そのSPに共感する

(京香)「そっか!今迄幼い京香ちゃんを
    守ってきてくれてたんだね!

       あなたが彼女を守ってくれたお陰で生きて来れた・・・。
    有難う!
    だとしたら、あなたの怒りは当然だと思うわ。
    あいつら、許せないもんね!
    なのにそんなナルトを誤解して嫌ってゴメンね!
等々。

 

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング
(4)前頭前野によるSPの感情調整

前回のやり方で、

出て来たSP(サブパーソナリティー=交代人格)に、
気づき、訴えを聴き、共感する事ができれば、

基本人格(前頭前野)主導で、
そのSBの感情調整を行いましょう。

本来、
乳幼児は自分の感情を自分で調整/制御できないので

主に親が代わりにそれを行ってあげる(感情の相互調整)
のですが、

解離性同一性障害になってしまう程の家庭環境においては、
ほぼ間違いなくそれが行われずに、
その子は「愛着障害」
と言われる状態になってしまっている
と推測できます。

だとすれば、
基本人格(前頭前野)が、”親”となって、
子供(SP)達の感情調整を行ってゆく必要がある
と思います。

即ち、
興奮状態にある子(SP)を落ち着かせたり、
抑うつ状態にある子を元気づけたり気分転換させたり、
怖がってる子を安心させたり、
諦めきっている子に希望を持たせたり、
甘えたがってる子を甘えさせたり、
・・・等々。

そうしてゆく事で、
基本人格(前頭前野)と交代人格(SP)達との間で
愛着の形成を図ってゆきます。

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法
 ①カウンセリング
 (4)前頭前野によるSPの感情調整>

※前回の
 (1)出て来たSPに気づき
⇒(2)その子の訴えを聴き
⇒(3)共感する

 という流れの続きになります

(4)SPの感情調整を行う

(京香)
ナルト・・・。
 今迄そんなしんどい役目を一人で背負わせてしまって

 ごめんなさい!
 これからはあなたが少しでも穏やかに過ごせるように、

 私もその役割を手伝っていこうと思うの。
 あいつらへの怒りを詳しく教えてくれない?」

(ナルト)
「京香が幼稚園の頃、あのクソ親父が
 
いつもの様に酒を飲んで家で暴れた。
 クソ親父に暴力を振るわれたクソババアは、

 ”あんたのせいでお父さんにまた怒られた”
 
って京香のせいにした・・・。
 そして、京香が小学校に上がった時には・・・」

(京香)
「思い出したわ!そうだったよね・・・本当に酷い・・・。

 じゃあ、私が今ナルトが言った事を文章にして
 
お父さんとお母さんに読ませて謝らせるわ!

(ナルト)
「そんな事しても、無駄無駄!
 
あいつら反省なんかする様な”タマ”じゃねえよ!

(京香)
「とにかく、私はあなたを少しでも休ませたいの。
 
肩の重荷を降ろして少しでも楽になって欲しいの。
 私に任せてくれない?
 私が仲間になったからもう大丈夫だよ。

 安心して少しは休んどいて。
 (と、胸の中に居るナルトを撫でながら

 何度も言い聞かせて落ち着かす)

等々。
    
※最初から中々こうは行かないと思いますので、
 SPとの直接の対話が難しい場合は
 「子供達との交換日記」を作って、

 ”ナルトのページ”や”はるか姉さんのページ”、
 
”京香ちゃんのページ”等と
 SPごとにページ分けをしましょう。

 そして、頭や胸の中の子達に
 ”出て来た時に言いたい事を書いてくれない?”

 と伝えて、

 誰かが書いていたら、その子の”親”として、
 その子の感情調整に繋がる言葉を
 見開きの反対側に書いてあげましょう。

 (日記を通じてSP達の感情調整を行う)

※この段階からはSP達が保持しているトラウマ記憶
 
に振れ触れる事になりますので、
 必要な場合は前もってトラウマ処理
 
を行っておく事が望ましいです

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング
(5)前頭前野によるインナーチャイルドのケア

前回までのやり方で、

出て来たSP(サブパーソナリティー=交代人格)に、
気づき、訴えを聴き、共感し、感情調整する
事ができてくれば、

基本人格(前頭前野)主導で、
インナーチャイルドをケアしてゆきましょう。

この、
基本人格(前頭前野)によるインナーチャイルドのケア
が進めば、

他の防衛的なSP達はインナーチャイルドを守る、
という事から解放されて
自由になって、
本来の働きに戻る事ができる訳です。

加えて、
基本人格が”親”として、
子供であるインナーチャイルドをケアしてゆく事で
”親”としての力を伸ばしてゆく

といった
自我強化にも繋がって、
容易にSP達に乗っ取られない(解離しない)方向へ
進むでしょう。

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法
 ①カウンセリング
 (5)前頭前野によるインナーチャイルドのケア>

※前回までの、
 (1)出て来たSPに気づき
⇒(2)その子の訴えを聴き
⇒(3)共感する
⇒(4)感情調整する

 という流れの続きになります

(5)インナーチャイルドをケアしてゆく

※以下にその手順の一例を挙げますが、
 トラウマ記憶に触れてゆきますし、
 これはあくまでも一例であって、

 その人それぞれに合ったやり方があると思いますので、
 信頼できるカウンセラーに導いてもらう事が望ましいです


●ずっと心の底にある感情を呼び出す

 「むなしい」「悲しい」「寂しい」等。

●その感情を増幅させる

 例:「私、むなしい!」「私むなしい!・・・
   
等と言葉に出して何度も言う


●その感情を体で感じる

 例:「この気持ちが私の身体のどこかに
     わだかまっているとしたら?・・・

     なんか胸の中に、重たい鉛みたいなもの
              がある様に感じる」


●その感覚に集中し続ける


●その感覚の起源に遡る

 例:頭の中にアナログ時計があると想像して、
   その身体の感覚に集中したまま、
             
時計の針が反対周りに高速で回り出し、
             これと同じ感覚を感じた一番昔の場面まで遡ってゆく

   イメージをする。(1年前、2年前、3年前・・・
            10年前・・・20年前・・・)

   
   そして、
         「もうこれ以上遡れない」と感じた時点で
            時計の針が止まったら、

   「あなたは今、お家の外に居ますか?
               それとも家の中でしょうか?」

   「他に誰が居ますか?それとも独りですか?」
   「何歳くらいのあなたでしょうか?」
   「そこで何が起きてるのでしょうか?」


●理想の親とは?

 例:その子にとっての理想の親は
   どんな親だったのでしょうか?

   例えば「優しくて、話を聴いてくれて、
       気持ちを分かってくれるママ」


●今の大人の自分がその子の理想の親になって
  ケアし、助け出す

 例:今の自分(基本人格)が理想の親になって、
             その子の前に現れたとして、

            その子の話を聴いてあげて
   「どんな気持ちをわかってあげたいですか?
          「なんて言ってあげたいですか?」

   「どうしてあげたいですか?」

 例えば、
    怖い気持ちや寂しい気持ちに共感してあげて、
 「もう大丈夫だよ、大人の私があなたを守るから」
 とギュッとハグして

 父親の虐待をやめさせたり、

    あなたが住んでいる安全な場所へ
 
(イメージの中で)連れてきてあげたり、等々。


●その子を育て直す

 例:その子が今の自分の本当の子だと思って、
   育ててゆきましょう。

  例えば、朝起きた時には「京香ちゃんお早う」
  と言葉がけしたり、

  夜寝るときは「京香ちゃん、お休み!

  京香ちゃんが不穏になったら、
  すかさず感情調整してあげたり、

  一緒にお買い物行って、
  子が欲しがったものを買ってあげたり、

  子が好きな料理を一緒に作ったり、
  子の誕生パーティーを開いてあげたり、・・・

  とにかく、
  愛する”我が子”にそうする様に、
  
インナーチャイルドに常に気を配ってあげながら
  愛情を注ぎ続けましょう。

   

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング
(6)前頭前野の機能強化

前回までのやり方で、

基本人格(前頭前野)による、
SP(サブパーソナリティー=交代人格)達や
インナーチャイルドのケアを行っても、

解離(SPが前頭前野を乗っ取る)する事もある
と思います。

そんな場合には、
更なる前頭前野の強化が必要だと思います。

それでは、
前頭前野を強化するには一体何をすれば良い
のでしょうか?

今回はそれについてお書きしたいと思います。

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法
 ①カウンセリング
 (6)前頭前野の機能強化>

前頭前野を強化するには、
(SP達にはできなくて)前頭前野にしかできない事を

増やしてゆく事だと思います。

●”今・ここ”での自分の感情や欲求を感じる

SP達は”今・ここ”を生きてるのではなく、
過去の時間・空間に閉じ込められている訳ですから、

”今・ここ”にある自分の感情や欲求を感じてみましょう。


例:「あ~お腹が減っちゃった。何が食べたいかな?」
  「わ~、夕日がきれい!風も心地よくて、
    小鳥のさえずるに癒される」

等々。

※「代理人格」等の一部のSPは”今・ここ”に生きている
 様に感じるでしょうが、実際は”今・ここ”に合わせているだけで
 過去に閉じ込められてる筈です

●”今・ここ”に足場を置きながら、
  未来の目標や計画を立てる

 
計画を立てて実行する、という事も
前頭前野が働いていないとできない事です。

例:「このしんどさが無くなれば、
          何をしたい?どうなりたい?何が欲しい?」

 と自分に問いかけて、
    その目標に向けての計画を書き出し、

 今日できる事から少しずつ行ってゆく。

例えば、「来年中には〇〇の資格を取りたい。そのための計画として・・・」
    「それに向けて今日する事は?・・・」

    ネットでその資格について詳しく調べる。

    或いは、
    今日一日の予定を書き出し、予定通りに実行してゆく

    とか、

    今度の長期休暇の旅行の計画を立てる、
 

    等々。

 

●”今・ここ”に足場を置き、過去を振り返る

これも前頭前野の働きが必要です。

例:「幼稚園にあがった頃以降は、あんな事があったり、
   あんな事もあったよなあ・・・それにあんな事も。

   京香ちゃんにとっては毎日地獄だったよなあ。
   でも、よく我慢したよな。

   そして、〇〇ちゃん(SP)も△△ちゃん(SP)も
   京香ちゃんを守ろうとしてくれてたんだよなあ~」

   等々。

※これらの事は
 それぞれ毎日決まった時間に行う事が良いでしょう。

 

(子を案じる親の様に)
 常にSPやインナーチャイルドの事を思う

例:「今日は”幼い京香ちゃん”に無理させたから
    疲れてるだろうなあ。

    ちょっと京香ちゃんをいたわってあげよう」

  「これからやろうとしてる事には
          きっと”ナルト”は反対するだろうなあ。

    ちょっと”ナルト”と話してみよう・・・」
等々。

※それでも記憶が空白の時間が出てくるようであれば、
 一時間ごとに「この1時間は誰とどこで何をしたか?
 +どう感じたか、何を考えたか?や、
    感想等をメモに書いてゆきましょう。

 そして空白の時間があれば、
 周りの人からその間の自分の様子を聞いたり、

 想像して、「どの子が出て来たのか?」推測し、
 その子と対話してケアしてみるのも良いでしょう

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング
(7)SP達に本来の役割に戻ってもらう

前回までのやり方で、

SP(サブパーソナリティ=交代人格)達を理解・共感して、
思いやりを向ける事が出来る様になって、

更に
基本人格(前頭前野)
SP達に乗っ取られる(解離する)事が減ってゆき

インナーチャイルドのケアが進んだら、
SP達が本来の役割に戻れる様に働き掛けましょう。

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法
 ①カウンセリング
 (7)SP達に本来の役割に戻ってもらう>


   

●SP達の今迄の役割と本当の欲求を把握する

SPが出て来た時に気づき、
すかさずその子が果たしてきた役割と
欲求を
聞いてみましょう。

例1(SP=怒りちゃん)

(京香)
「あっ!”怒りちゃん”が出て来た・・・。
 怒りちゃんは、今迄どういったやり方で
 幼い京香ちゃんを助けてくれていたの?」

(怒り)
「今度あいつらが京香を傷つけようとしたら、
 あいつらをぶっ飛ばして、
 京香が傷つかない様に守ってきたんだよ!」

(京香)
「本当に有難う!お陰で今迄生きてこられたわ!
 これからは、あなたの負担が減る様に
 私が京香を守っていっていこうと思うの。

 もしそうなって、
 あなたが24時間体制で京香ちゃんの警護を
 
しなくて済むようになったとしたら、
 あなたは何がしたい?」

(怒り)
「そうなったとしても、
 俺は京香を傷つける奴をぶん殴る事しかできない・・・

 俺は喧嘩が大好きだからさ!」

 

例2(SP=淋しんぼちゃん)

(京香)
「何だか急に淋しくなってきちゃった・・・
 あっ!淋しんぼちゃんだわ!

 淋しんぼちゃん、あなたはどういう形で
 幼い京香ちゃんを助けてくれてきたの?」

(淋しんぼ)
「京香は家族の誰からもかまってもらえなくて、
 それが当たり前になってしまい、

 ”淋しい”って気持ちも麻痺してた。

 だから私が、”あんたは本当は淋しいんだよ!
 一人は辛いよね、だから友達を作らな
い?!”
 って何度も誘ってあげて来たんだ」
 

(京香)
「本当に有難う!
 お陰で今も少ないけど友達が居てくれるんだわ!

 これからは、あなたの負担が減る様に
 私が京香の寂しさを埋めていこうと思うの。

 もしそうなって、
 あなたが京香ちゃんのお守から自由になれれば、
 あなたは何がしたい?」

(淋しんぼ)
「う~ん、そうだな・・・
 もっと沢山の人と会って、
 一人でいいから”親友”が欲しいな。

 それと、一緒に居てくれる彼氏的な人ができたらなあ」

 

●SP達に今後の役割を与えてゆく

SP達に今後の役割を与えてゆきましょう。

例1(SP=怒りちゃん)

(京香)
「怒りちゃんは頼もしいな!
 さっき言った様に、幼い京香ちゃんは
 
私が守ってゆくから、
 怒りちゃんは自由にしてていいよ!

 でも将来、変な人に絡まれたり、
 学校やバイト先でイジメやパワハラに
遭った時には、
 火事の時に緊急出動する消防士さんの様に、

 私たちを守ってくれないかな?」

(怒り)
「OK!そうなった時には俺に任せとけ!」

 

例2(SP=淋しんぼちゃん)

(京香)
「淋しんぼちゃん、今後京香ちゃんが元気になって、
 ”親友が欲しい!
とか”彼氏が欲しい!
 ってなった時には協力してくれない?」

(淋しんぼ)
「わかったわ!
 怖がりの京香ちゃんが、
 他人と関われる行動ができる様に、

 思い切り淋しがらせてあげるわ!」

等々。

 

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の治療法①カウンセリング
(8)腹側迷走神経系の活性化

前回までのやり方で、

基本人格(前頭前野)SP(サブパーソナリティー=交代人格)達に
乗っ取られる(解離する)事が減ってゆき

インナーチャイルドのケアが進み、

SP達の役割や欲求を理解し
彼ら彼女らが新たな役割を担う事に同意すれば、

安心・安全を感じ、
社会的な交流や治癒を促進させる腹側迷走神経系の
活性化
を図りましょう。

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法
 ①カウンセリング
 (8)腹側迷走神経系の活性化>

   
まずここで大切な事は、

「逃走」や「闘争」、「凍り付き(フリーズ)」

それに先立つ「不安」や「恐怖」
等に纏わる、
「交感神経系」や「背側迷走神経系」の作用による
防衛的なパーツ達は、

緊急出動時以外は休んでおいてもらう事
ができる様になっている事
です。

そして、
それができて初めて
「安心・安全」「他人と繋がる」「「遊び・趣味・楽しみ」

「自由」「喜び・幸せ」等に纏わるSP達を活性化する事
ができます。

何故なら、
防衛的な神経系が活性化している時には、
それらのSPが存在する「
腹側迷走神経系」は働かない
からです。

それは
「どこから弾が飛んでくるかわからない」戦場では、
安心したり、楽しんだり、
恋人を作ったり、
どころではないのと同じ
です。

※そういった意味では、テンセンテンス法等の成功や幸せに
 関する「イメージワーク」
 や
 ”ついてる、ついてる”等の「ポジティブアファメーション」

 等もこの段階がクリアされてる事が前提になると思います

●腹側迷走神経系のSPを呼び出す

・今迄の人生で、安心・安全、希望・夢、
 興味・関心、楽しい・喜び・幸せ、好きな人、等、

 一瞬でも腹側迷走神経系が活性化した場面や相手
 をできるだけ沢山思い浮かべる。

・その時に出て来た感情に留まり、
 SPが出て来たと感じられたら、

 その子と対話してゆきましょう。

例:
「中学に入ってすぐ、グループデートだったけど、
 女子2男子2で遊園地へ行った時は楽しかったなあ~・・
 この感覚は心臓の辺りに強く感じる。
 この子は?え~っと、”ハートちゃん?”」

●そのSPの欲求をあぶり出す

例:
「ハートちゃん、私はあなたの夢を叶える為に居るの。
 あなたの夢が何でも叶うとしたら、
 何がしたい?どうなりたい?」

(ハートちゃん)
「また何人かで遊園地に行くとかバーベキューとかも
 してみたいな! 

 できればその中に好きな人が居れば最高かな?」

 

●SPの欲求に沿って
 できるだけリアルにイメージしてゆく

・そのSPの欲求が叶った未来にワープしたとして、
 その一日を五感を使ってリアルにイメージしてゆく。

例:遊園地やバーベキューで
  はしゃいでる友人や好きな人の姿・声、

  ジェットコースターで受ける風や走っている感覚、

  バーベキューの時の匂い、味、

  そしてそれを味わっている自分の感覚や感情等、

  あたかも今まさにそれが起こっているかの様に
  リアルにイメージしてゆきましょう。

 

●段取り・計画を立てるSPの協力

 誰しも、
 計画を立てたり、段取りを組んだりする時に
 活躍するSPが居る筈です。

 もし、その子を呼び出す事ができれば
 協力を要請してみましょう。

例:

「段取りちゃん、
 あんな(イメージした未来)未来にしたいんだけど、

 今日からできる小さな一歩って何をすればいい?」

(段取りちゃん)
「そうだなあ、
 まず、仲間を作んなきゃいけないと思うから、

 ”ネイルちゃん”が望んでたネイルの専門学校
 に入るのもいいかも?

 その為には、
 今日はネイルの専門学校をネットで調べて

 資料請求してみるのはどう?」
等々。

 

●実行・行動役のSPの協力

例:
「え~、資料請求したら、向こうから連絡があって、
 その学校に入んなきゃならなくなったら怖いな・・・。
 それに、試験や面接も怖いよ」

(行動ちゃん)
「別に嫌なら断ってもいいし、

 落ちたら落ちたでまた他を探せばいいじゃん!
 じゃ、取り敢えずネット検索するね!」

等々。

※上の例では「恐怖ちゃん」が出てきてますが、
 反対するSPが居れば、気づいてあげて、
 安心させたり対話して納得させたりしてあげる
 必要があります。

 何かを実行に移そうとする時には
 「反対する子は居ない?」と

 自分の中のSP達に反対者が居ないか?
 を確認しましょう

 

 

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

多重人格障害(解離性同一症)の治療法
②医師の薬物治療等

前回までは、

多重人格障害(解離性同一症)に苦しむ人たちを、
カウンセリングによって寛解・治癒へと導くやり方
(あくまで一つの方法です)
を詳述してきましたが、

今回は
医師による薬物治療についてお書きしたいと思います。

 

<多重人格障害(解離性同一症)の治療法
 ②医師の薬物治療>

解離症状そのものに直接的に効く薬はありませんが、

多重人格障害(解離性同一症)には、
うつ病、不安障害、PTSD、
パニック障害、パーソナリティ障害
の所謂二次障害が併存する事が多いです。

薬物療法は、
主にこれらの二次的な症状を緩和するために用いられます。


◎抗うつ薬(SSRI等):
うつ症状や不安症状、PTSDの症状(フラッシュバック、回避、過覚醒)

などに有効な場合があります。

◎抗不安薬:
不安やパニック発作に対して一時的に使用されることがありますが、

依存性のリスクがあるため、慎重な使用が必要です。

◎気分安定薬:
気分の変動が激しい場合や、

衝動性が高い場合などに使用されることがあります。

◎非定型抗精神病薬:
重度の解離症状や、幻覚・妄想のような症状が見られる場合、

あるいは衝動性や感情不安定に対して少量使用されることがあります。

◎睡眠導入薬:
不眠がひどい場合に使用されますが、
依存性や解離症状を悪化させる可能性に注意が必要です。

薬物療法はあくまで対症療法であり、
 解離の根本原因であるトラウマの処理や人格の協調・共存
 にはカウンセリングが必要です。

 薬物療法を行う際は必ず医師と相談し、
 適切な処方を受けることが重要です。

 自己判断で服用したり、中止したりすることは危険です。

#解離性(同一性)障害のカウンセリングについては、
こちらにお書きしてますので、ご参照ください

 

 

 

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。

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