少年よ大志を抱かなくても良い!
少年よ大志を抱かなくても良い!
目次
野心や目標、夢や希望を持ちたくても持てない人も居る。中には自分の欲求さえ見失ってしまっている人さえ居る。そういった人にとっては「大志を抱けない自分」に劣等感を抱いてしまう事もある。
「Boys be ambitious!」(少年よ大志を抱け!)
・・・クラーク博士の言とされる有名な言葉ですよね。
「(老いた私の様に)君達も野心を持ちなさい!」
という意味だと思いますが、
私はこの言葉を一概には肯定できかねます。
何故かと言いますと、
元々、志(こころざし)や野心なんて無いという人もいるでしょうし、
家庭や環境的な事情で、とてもそんな事を考える余裕も無い
という人もいると思います。
或いは、
野心や夢や希望を持ちたくても持てない人もいらっしゃいます。
それどころか、
「私は、自分が何をしたいのか?どうなりたいのか?わからない」
等と、自分の欲求さえわからなくなってしまっている人もいらっしゃいます。
そして、そういった人達にとっては、
「みんな、夢や自分のやりたい事を見つけて生きて行ってるのに、
私はそれもわからない」
等と劣等感を抱いたり、
「志や野心を持てない私は人間としてダメなんだろうなあ」
等と自己否定に陥ったりもするでしょう。
それ故、
「少年よ大志を抱け!」
という言葉は、それが叶わない人達にとっては、時には酷な言葉となるでしょう。
それでは、
この様に”大志”を抱こうにも抱けない人は
何故そうなってしまったのでしょう?
次回からは、考えられるその原因についてお書きしたいと思います。
何故少年少女は大志を抱けなくなったのか?(1)
前回お書きした様に、
「少年よ大志を抱け!」
と言われたところで、様々な事情で
「志や野心や夢を持てない人」
や
「自分が何をしたいのか?どうなりたいのか?さえ
わからなくなった人」
もいらっやると思います。
それでは、
何故、そうなってしまったのでしょうか?
今回はその原因を推察してみたいと思います。
<自分の欲求(志・夢・望み、等)が
わからなくなった原因>
人間をはじめ 、ほぼ全ての生物は
「快を求め(欲求)不快を避ける」という傾向を持っています。
それは生き延びる為、遺伝子のコピーを残し続ける為、
といった個体や種の生存本能に基づいているからです。
ところでこれらの欲求は、
神経生理学的にはどこから始まるのでしょうか?
近年の研究では、
それは「内臓感覚」等の「内受容感覚」が基になっているらしい、
という事がわかってきています。
脳→内臓の運動神経系の回路は古くから知られており、
気持ちや考え等によって、内臓の状態が変化する、
という事もありますが、
逆に、
内臓が感覚受容器の働きをしていて、
内臓→脳といった感覚神経系の回路の方が圧倒的に多いという事が
わかってきています。
つまり、
内臓の状態が脳に伝わり、それによって、感情や思考、行動
が産み出される、という事が起きているという事です。
例えば、
「歩道を歩いていた時に、ふと嫌な予感を感じて、
とっさに身体を避けたら、自転車が突っ込んんで来て
恐怖を感じ、”危なかった”と思った」
これは、
内臓感覚(嫌な予感)→行動→感情→思考という順番です。
また例えば、
「商店街を歩いていた時に、お店の方から強い匂いが
漂って来て、お腹がグルグルっと鳴った。
”あ、いい匂い。お腹が空いてるなあ、食べたい!”と思って、
店の方に歩いてゆくとうなぎ屋さんの看板が目に入り、
迷わずお店に入った」
これは、
(外部からの刺激=嗅覚)→内臓感覚→思考・感情→行動という流れです。
この様に、
内臓感覚(広い意味では内受容感覚)が全ての快/不快といった
欲求の根底にあると考えられます。
ところが何らかの理由で
この内臓感覚がうまく機能しなくなった人の場合は、
「自分にとって何が快か?不快か?」がわからなくなる訳ですから、
当然、自分の望みや志、夢などを描く事は不可能になるでしょう。
それでは、
その様な「内臓感覚の機能不全」は何故起きるのでしょうか?
次回は、それについての考察を行ってみたいと思います。
何故少年少女は大志を抱けなくなったのか?(2)
前回、
「内臓感覚(広い意味では内受容感覚)が全ての快/不快
といった欲求の根底にあると考えられる。
ところが何らかの理由で、
この内臓感覚がうまく機能しなくなった人の場合は、
”自分にとって何が快か?不快か?”がわからなくなるので、
当然、自分の望みや志、夢などを描く事は不可能になる」
とお書きしました。
それでは、そういった
「内臓感覚(内受容感覚)の機能不全」は何故起きるのでしょうか?
今回は、その考えられる原因について推測してみたいと思います。
<内臓感覚(内受容感覚)の機能不全の原因>
①トラウマ(発達性・複雑性等)によるもの
幼少期の身体的・性的・精神的な虐待やネグレクト等によって、
継続的なトラウマを受け続け、
所謂「複雑性PTSD」や「発達性トラウマ障害」
等とカテゴライズされる状態になってしまった人は、
その過酷な環境を抜け出した後でも、
長期的に「闘争・逃走・凍り付き」状態が続くでしょう。
そして、それは譬えて言うと
「いつ敵が襲って来るかわからない戦場に居る様なもの」
ですので、必然、内臓感覚や神経系、脳、身体といった資源は、
防衛反応に使われる事になり、
快/不快、特に快(自身の欲求)に廻す資源は残っていない
と考えられます。
だって、
戦場の中に取り残されて、爆弾や銃撃の雨が降っている中で、
「お腹空いたなあ。焼肉食べたいな」なんて思う余裕も無いでしょうし、
まして「将来、何になろうかな?」なんて考える事も無理でしょう。
②敏感な人が継続的に欲求を抑圧し続けた
幼少期に、例えば
苦労して働いてるシングルマザーの母親を見て、
「お母さんを助けてあげなきゃ!」と自分の欲求を我慢して、
母や兄弟の欲求を叶える事だけを意識し続けた、
或いは、
そこまで虐待的な親では無かったが、
逆らうと親が嫌な顔したり、無視されるのが怖くて、
進学や就職、習い事等は、親が希望したレールに乗ってきた。
特に敏感な人は、
必要以上に親の顔色を窺ってしまい、
自分の欲求を後回しにし続けて、
自分の内臓感覚に意識を向ける事もなくなり、
結果として自分の欲求がわからなくなってしまう、
という事もよくあります。
それでは、こういった人達は
どうすれば自分の欲求を取り戻し、
自分が望む人生を切り開いてゆく事が出来る様になる
のでしょうか?
次回はそのヒントをお書きしたいと思います。
自分の欲求や望みを取り戻すには?
前回までに、
「自分の快/不快や欲求/望みは、内臓感覚を感じる事から始まっている。
ところが、
主に幼少期に被虐待的な環境に育ったり、ネグレクトに遭ったり、
敏感過ぎるが故に自分の感覚や欲求を封じ込めて来た為に、
内臓感覚が機能不全をきたし、欲求/望みがわからなくなって
しまっている人も居る」
とお書きしました。
それでは、
そういった人達は、どうすれば自身の欲求を取り戻し、
自分が望む人生を切り開いてゆく事が出来る様になるのでしょうか?
今回は、そのヒントをお書きしたいと思います。
<自分の欲求や望みを取り戻す為のヒント>
①トラウマを解消する
前回お書きした様に、幼少期の被虐待的な家庭環境のせいで
複雑性PTSDや発達性トラウマ障害等の今も癒えない傷
を被った人は、まずその傷を癒す事が先決です。
そういった人達は、今も戦場の中に居る訳ですから、
いち早く戦場から避難させてあげる必要があります。
(その詳細は省略しますので、必要な方はご相談下さい)
②内臓感覚に意識を向ける
(1)外部刺激を使って、内臓感覚を取り戻してゆく
例えば、音楽や映画/動画、本や絵画、アロマ、食べ物等
を色々試してみる(五感を使った外部刺激)、
過去の場面で、一瞬でも嬉しい、楽しい等と感じた場面
を思い出す(イメージを使った外部刺激)。
そして、”快”や”不快”と感じた時の
内臓の感覚を探る。
例えば、
「この匂いを嗅いだ時は、”無理!”と感じた。
その時には・・・あ、お腹がギュッとなって、
縮こまった感じかな?」
「あの時の事を思い出すとちょっとホッとする。
その時は・・・えっと、なんだか胸が広がって、
風が引き抜ける感じかな?」
等々。
(2)それを繰り返してゆき、内臓のセンサーの働きを高める
日常生活をしている時に気持ちや思考や感覚、
または環境が変化した時にすかさず
「(1)」で行った事をやってみて、
その時の内臓の感覚に意識を向けてみる
そして、「快を感じる時の内臓の状態」と
「不快を感じる時の内臓の状態」を結び付けてゆく。
※これは言わばさび付いたセンサーの錆を落として、
センサーの精度を上げてゆくという事に繋がるでしょう
(3)内臓のセンサー主導で快/不快や好き/嫌いを判断してゆく
センサーの精度が高まれば、
実際のあらゆる選択にそれを使ってゆきましょう。
その際は、思考や感情は置いておいて、
内臓の感覚だけに意識を集中し続けましょう。
例えば、
「今日、職場で上司に〇〇と言われた場面を思い出すと
・・・なんだか、お腹がギュとなってくる。
ああ、やっぱり私はあの上司の事が嫌いなんだ!」
「この恋愛映画を観ると、胸が広がってゆく感じがする。
私、こういった恋愛してみたいのかも?」
「AとBのどちらを選べばいいんだろう?
お母さんは”Aにしておきなさい”って言ってたけど・・・。
う~ん、Aを選んだ時の事を想像すると
少しお腹が重たくなる感じ、Bの方がお腹は軽い感じかな?」
等々。
※お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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