発達障害(ASD等)と共感力について①

発達障害(ASD等)と共感力について①

<前回からの続き>

 

「夫は私の気持ちなんて全くわかってくれず、
 私は辛い毎日を過ごし、
 うつ状態になってしまっている・・・。

 きっと夫はアスペルガー(狭義のASD)で、
 私はカサンドラ症候群なのかも?」

よく、
「発達障害、特にASD(自閉症スペクトラム)と呼ばれる人は

   共感性が低い」と言われますが、
果たしてそうなのでしょうか?

今回からは
ASDと共感力について考察してゆきたいと思います。

 

 

<①共感とは>

心理学事典では、共感の定義として

「共感とは、
 他人の気持ちや感じ方に自分を同調させる資質や力を意味する。
 すなわち、
 他人の感情や経験を、
 あたかも自分自身の事として考え感じ理解し、
 それと同調したり共有したりするということである。
 その結果、
 ヒトは他人のことをより深く理解することができる。」

と説明しています。

次に、
スタンフォード大学 ジャミール・ザキ博士による、

共感についての更に細かな分類
についてお書きしたいと思います。

 

 

 

<②共感の3つの種類>

 

 

(1)「共有する(情動/感情的)共感」

ある出来事が自分に起こったわけではないのに、
その体験を疑似的に共有する事ができ、その共有の結果、
例えば親友が感じた悲しみと近い感情が、自分にも生じる

或いは
映画や小説等の登場人物に感情移入をして同じ気持ちになる等。

※類似した体験の共有が、情動的共感には必要

 

 

(2)「考える(認知的)共感」

相手の感情にとらわれることなく相手の立場を理解し、
その解決策の糸口を探ることをめざす

例えば、
悲しい出来事を話してくれる親友と感情を共有する過程で、

親友の心の中を想像し、論理的に考える事ができる。

つまり、
親友が何を考えているのか、何を望んでいたのか、

これからどうするのか、どうしてほしいのかについて
推測する事ができる

※認知的共感は「心の理論」とも呼ばれ、
 他者の心的状態を同定する認知能力として定義できる

 

 

(3)「配慮する(思いやり/慈悲的)共感

上の
①「共有する(情動的)共感」

②「考える(認知的)共感」

が合わさったもので、

例えば、
悲しい出来事を話しながら涙を流す親友に対して、

一緒に涙を流し、親友の気持ちを想像するだけでなく、
親友の悲しみを和らげるために自分に何かできないかと、
あれこれ心を配る事ができる

※自分にとって好ましくない人をも援助できるかどうかは、
 3種の共感の中でも特に、この配慮する共感が鍵を握っている
 と推測されています

 

 


以上が
ザキ博士による共感の3種類の分類ですが、

ASDと呼ばれる人たちは、
これらの共感力が総じて低いのでしょうか?


青山学院大学の米田教授は、
スミスの「共感不均衡仮説」に従った
様々な最新の研究を
紹介されておられます。

それらによると、
「ASDと呼ばれる人たちは(共感力が総じて低いのではなく)
 上記3種の共感の間にあるアンバランスさによって、
 共感における困難さが生じる」
と考えられると述べられておられます。

次回は、
それについてお書きしたいと思います。

 

<次回へ続く>

 

#発達障害のカウンセリングについては、こちらをご参照下さい

プロフィール

のぶさわ 正明
のぶさわ 正明心理カウンセラー・自己実現コーチ
・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
  心理療法カウンセラー
  不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員

2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。

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