自閉症を4つのタイプに分類する
自閉症を4つのタイプに分類する
前回お書きした様に、
想像力が(生まれつき)弱い事が原因で
(DSМ等の診断基準上では)ASDの特性を満たしている人
と、
感覚過敏(生まれつきor後天的に)が原因で
ASDの特性を満たしている人
が居るとすれば、
医師の診断基準であるDSМで
ASD(自閉スペクトラム症)と診断されたり
「グレーゾーン」とみなされる人は、
推測される原因別に分けると
以下の4つに分類できると思います。
<ASD(自閉症)の原因別の4分類>
※以下の「例」は全て架空の例です
①オリジナル(想像力の欠如が原因と思われる)
※ウィングが診てきたタイプの人達(主にアスペルガー症候群)
<Оさんの例>
事務所で働くОさんは部署内の人達から
「一風変わった人」と評されています。
と言うのは、
出社/退社時には先輩や上司にあいさつもせず、
繁忙期で皆残業しないと追いつかない時でも、
17時になったら途中で仕事をストップしてまで
さっさと帰ってしまいます。
上司がたしなめると
「だって、就業規則では17時まででしたよね!」
と平気で言い返します。
そんなОさんですから、
査定にも響き賞与がカットされました。
ところがОさんはそれに対しても
「私は真面目に仕事をしてるのに。不当評価だ!」
と食ってかかりました。
彼は社内で浮いて、孤立していますが、
本人は一向に気にする気配はありません。
<解説>
Оさんは、
周囲の空気を読んだり、皆と協調して行こうとする意欲
に欠けている様に思われますので、
「社会的メタ認知」の欠如、
反省しないところから「メタ認知」の欠如、
”こんな事を続けたら当然査定に影響するだろう”
といった「成り行き」を想像する力の欠如が疑われます。
②サブタイプA(想像力の欠如+感覚過敏が原因と思われる)
<Aさんの例>
社会人のAさんは、
パート勤めの妻に対して、
「何で俺のシャツにアイロンをかけてないんだ?!
誰のお陰で飯が食えてると思ってるんだ?!」
とか
「何で俺の言う通りにできないんだ?!」
「お前は動物以下だ!」
等と、
いつも妻を思い通りにしようとして、
そうならない妻に対して、時には人格否定までしてしまう、
所謂モラハラ男です。
妻はいつも「ごめんなさい・・・」と涙を見せるのですが、
Aさんの攻撃は止まらず、
ついに奥さんは実家に逃げ帰りました。
慌てた夫は、
妻の実家に押しかけて義父母には自分を正当化して
強引に妻を連れ戻す、といった事を繰り返していました。
耐えられなくなった妻は実家から出て来なくなり、
弁護士を通じて離婚調停を申し出ましたが、
夫は離婚に反対し、今は裁判中です。
<解説>
言われた相手の立場や気持ちを想像できない事から
Aさんは「社会的メタ認知」の欠如、
反省しないところから「メタ認知」の欠如、
”こんな事を続けたら当然離婚に繋がるだろう”
といった「成り行き」を想像する力の欠如が疑われます。
また、自分の考え方やルール等の細かいこだわりに対しては
とても敏感な所から、感覚過敏も併せ持っていると思われます。
③サブタイプB(先天的な感覚過敏が原因と思われる)
<B君の例>
B君は、
代々続く家柄の長男として生まれ、
両親・祖父母からとても大切に育てられました。
ただ、音や光に敏感で、
雷が外で鳴ったりすると酷く脅えたりする、
赤ちゃんの時からよく泣く子でした。
小学校高学年の頃から、その敏感さがより強くなり、
級友のちょっとした表情や視線に、
「〇君は僕の事怒っているのかな?」
「△君は僕の事嫌っているのかな?」
等と感じる様になり、
「嫌われない様に」神経を張り巡らせて他人と接する
様になりました。
思い悩んだО君は、
自分の感情や意見を挟まず、当たり障りがない様に
定型文の様な話し方を身につけて行きました。
でも、
そんなA君に違和感を覚えてよそよそしくなった級友達の
反応にA君は益々神経をすり減らす事になりました。
或る日、
教室の外で数人の級友達がヒソヒソ話をして笑っていたら、
「きっと僕の事を笑っているに違いない」と
被害妄想的になってしまい、
とうとう学校に行けなくなりました。
<解説>
B君は、
愛着の形成は問題なさそうで、
特に大きなトラウマとなる出来事が無かったにもかかわらず、
「社会的コミュニケーションの障害」や
「常同的な反復行動(話し方)」等の
ASDの診断基準に当てはまってしまうかも知れません。
だとすれば、
それは持って生まれた「感覚過敏」から来ている
とも考えられるでしょう。
④サブタイプC(後天的な感覚過敏が原因と思われる)
<C子さんの例>
C子さんは
物心がついた頃からずっと、
お酒を飲んだ父が、母に暴言を吐くのを
傍で聞いているという毎日を過ごして来ました。
母は父に言い返す事ができず、
外へ逃げ出す事もしばしばでした。
幼い彼女はそんな母を庇おうとして、
父を睨みつけた事もありました。
でも、
そうすると今度は彼女が父に
「お前まで、このクソ女の味方をするのか?!」
と、怖い顔で怒鳴られました。
そんなC子さんにとっては、
学校で友達と遊ぶ時間だけが唯一の救いでした。
でも中学生になって、男女関係のトラブルから、
クラスの友人から「C子!あんた裏切ったよね!」と、
激しく責められました。
そしてそれ以降、
C子さんは、
他人の怒った表情や声色に極端に敏感になり、
「怒らせない様に」「怒られない様に」と気を遣う様になり、
友人とフランクに付き合う事ができなくなり、
気が付いたらクラスで孤立してしまっていました。
でも、
そんな情けない自分を見せたくなくて、
表面上は平気なフリを装って、休み時間はポツンと一人
自分の机で勉強する事が日課になりました。
その甲斐もあって、成績が上がり、
第一志望の有名校に入学し、
そこでも一目置かれる存在になったのですが、
「本当はもっと友達とはじけたい!けど怖いからできない!」
というジレンマを抱えながら、
相変わらず休み時間は独りで勉強する日々を過ごしていました。
<解説>
C子さんの生育環境を考えた時に、
恐らく母親に余裕が無く、彼女の安全基地とはなれなかった
=愛着が形成されなかったと想像されます。(愛着障害)
加えて、
度重なる父のモラハラが彼女のトラウマとなり、
発達性トラウマ障害や複雑性PTSD
を抱えてしまった可能性があります。
更に中学の時の友人からなじられた事で、
幼い頃のトラウマが再燃し、
以後、防衛反応から他人を遠ざけてしまい
(⇒社会的コミュニケーションの障害)、
自分の世界に閉じこもる様になった
(⇒常同的な反復行動)と考えられ、
やはり表面だけを見ると、
ASDの診断基準に当てはまってしまう可能性があります。
医師の診断基準の基になっているDSМもICDも
共に「操作的診断基準」といって、
発達障害の様に原因が不明なために
生物学的な検査方法がなく、
表に現れている症状によって診断せざるを得ない精神疾患
に対し、
信頼性の高い診断を行うために設けられたものです。
その基準が明確に定められた為に、薬を処方できたり、
手帳など、よりスムーズに福祉に繋げる事ができる様になった
のですが、
何故私は”原因”にこだわるのか?
⇒
それは、
一口に発達障害と言っても、
発達が滞っている神経系は複数あると考えて、
その人のどの部分の神経系の発達に問題があるのか?の
予測ができていないと、その発達を促す働きかけができない
と考えるからです。
逆に言うと、
譬え予測と言えども、
発達障害の症状の原因となっている
神経系の発達不全の部分が特定できれば、
(可能な部分の)発達を促す事ができ、
症状の緩和や寛解へと導く事ができる
と思います。
<次回へ続く>
プロフィール

- 心理カウンセラー・自己実現コーチ
- ・公認心理師
・全国WEBカウンセリング協会認定
心理療法カウンセラー
不登校児対応アドバイザー
・矢野惣一「心の専門家養成講座」卒業
NLP、催眠療法、ゲシュタルト療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、認知行動療法ナラティブセラピー、インナーチャイルド癒し、トラウマ療法、家族療法(システムズアプローチ)等とその統合を習得する(TVの解決ナイナイアンサーでお馴染みの「性格リフォームの匠(達人)」心屋仁乃助さん、「アネゴ系セラピスト」大鶴和江さんは矢野講座の先輩です)
・Gakken「学研の家庭教師」不登校事業室の外部相談カウンセラー
・WEBカウンセリングルーム「みらい」カウンセラー
・日本フォーカシング協会会員
・国際ブリーフセラピー協会(旧:日本ブリーフセラピー協会)会員
2012年2月開業。2025年時点で4,000名超のお客様のご相談をさせて頂きました。
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