コラム/2014-03-12
思考が変われば感情が変わるとは限らない
一般的に、思考から感情が生じその感情が行動を引き起こす、とされています。
例:「あの人が連絡をくれないのは、私の事を嫌いになったからに違いない」(思考)
→悲しい様な淋しいような苦しい気持ちになってしまう(感情)
→彼に怒りをぶつけてしまう(行動)→二人の関係が悪くなる(結果)
そして僕達は「望む結果を手に入れる為」、或いは「望まない結果から抜け出す為」
に四苦八苦する訳です。
そこで認知行動療法等では、認知(思考)や行動を変えて行く事を目標にします。
(※感情は認知(思考)では変える事が難しいので認知と行動を変えて、
その間にある感情を”挟み撃ち”する訳です)
例:「あの人が連絡をくれないのは、私の事を嫌いになったからに違いない」
→「それは本当ですか?その証拠は?、そしてその反証は?・・・」
※今の新しい第三世代の認知行動療法では、思考=自分と感じてしまう事を避ける為の
デ・タッチト/マインドフルネス等で、思考と距離を置き、より思考の変容をやり易く
したり”メタ認知”と呼ぶその自動思考を維持する為に働いてる思考スタイルを
洗い出しその変容を試みる、等随分と進化して来ています。
ただ、思考を経由せずに外からのインプットに対してダイレクトに感情を喚起する
事もあると思います。(トラウマは殆どがこれに属すると思っています)
例:年上の男性上司の前では恐怖が襲って来て何も話さなくなってしまう
→実は子供時代に父親が厳しくて常に恐怖を感じていた。
この様な思考を経由せずに自動的に出て来る感情は、恐らく扁桃体経由の
情動(感情)記憶とも言うべきものであり、グリーンバーグ教授が仰ってる
所謂「感情スキーマ」と言えるものだと思います。
もしそうであるなら、いくら認知を変えて行動を変えようとしても
思考を経由しない感情スキーマが元となってる症状や苦痛に関しては
行動の変容は難しくなると思います。(勿論認知行動療法の暴露療法等が
有効な場合も数多くあると思います)
ですから、その様な場合はまた別の感情を生起させて感情スキーマを
”結果として”変容させる方法が近道であると思います。
もし「感情の変容」にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
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