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過去のコラム記事一覧はこちら過去のコラム記事一覧

2023/9/29 (金)

自己愛性パーソナリティ障害の原因

<前回からの続き>

 

今回は
「自己愛性パーソナリティ障害の特徴」から類推される
「自己愛性パーソナリティ障害の原因」についてお書きしたいと思います。




<自己愛性パーソナリティ障害の原因>

①快・不快刺激に敏感である


誰しも他人からの賞賛・評価や特別視される事は気持ちが良い(快)筈です。

逆に、
他人からの否定・拒絶・批判は不快な筈です。

ところが、
「自己愛性パーソナリティ障害」の人は
過度に”快”を求め、過度に”不快”に対して防衛的になっている
とすれば、

それは
快・不快刺激に対する敏感さを有していると言えるでしょう。

そして、
この敏感さは、持って生まれたものか、
もしくは、
幼い頃のトラウマチックな出来事によるものと考えられます。




②快・不快刺激の方向性が、「他人より上か下か?」といった
 優劣に偏り、そこへの拘りが持続し固着してしまっている。


これは恐らく、幼児期の生育環境等の影響によるものと思われます。

例えば、
批判的・差別的な親や教師、級友等、他者から馬鹿にされた事等による
トラウマから、
「もう絶対に傷つけられまい」と感じた。
(不快を避ける事への拘りに結びつく)

或いは、
親等から過保護・甘やかしで褒められたり。特別視されて来た結果、
「自分はそうされて当然」といった特権意識が育った
(快刺激を求める事への拘りに結びつく)
のかも知れません。

いずれにしても私は
「快・不快刺激への敏感さをある一定以上有してしないと、
 そこまで固着してしまう事は無いのでは?」と考えます




③自分を俯瞰する能力(メタ認知)の欠如、言動の制御不全、
 共感力の欠如が強くみられる


共感力に欠け他者を利用しようとする部分現実認識が弱い部分等の特徴は、

恐らく、
自分にとっての快を求め、不快を避ける事だけに集中し続けた結果、
育まれて来なかったのでは?と思います。




もしそうだとすれば、

自己愛性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。


<次回へ続く>



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2023/9/27 (水)

自己愛性パーソナリティ障害の特徴

<前回からの続き>

 

今回は、
「自己愛性パーソナリティ障害」の特徴
ついてお書きしたいと思います。




<自己愛性パーソナリティ障害とは?>

◎「自己愛性パーソナリティ障害」の特徴としては、
 ”自分は特別で重要な存在である”と誇大な感覚を持っていて、
  自分の能力を過大評価し、自分の業績を誇張し、
  他者の能力を過小評価する傾向がある。

  つまり、
  優越感(誇大性)賞賛への欲求、及び共感性の無さ
  広汎なパターンを特徴とする。

他者による批判・拒絶、恥辱感や敗北感を味わう様な失敗に敏感であり、
 それらへの耐性が低く、抑うつ的になったり、
 自尊心を守るために、失敗する可能性のある状況を避ける目的で
 引きこもったりする事もある





◎DSМの診断基準(以下の項目の5つ以上の該当による)

・自分の重要性や才能''について、
 誇大な、根拠のない感覚を抱いている。(誇大性)


・途方もない成功、影響力、権力、知能、美しさ、
 または素晴らしい恋という空想にとらわれている。


・自分が特別かつ独特であり、
 最も優れた人々とのみ付き合うべきであると信じている。


・無条件で過剰な賞賛を求める。


・特権意識をもっている。


・目標を達成するために他者を不当に利用する。


・共感性に欠け、他人の気持ちや欲求に気づこうとしない。


・他者を嫉妬しており、また他者が自分を嫉妬していると信じている。


・傲慢かつ尊大である。



 
<自己愛性パーソナリティ障害の例>

「A氏は商社の営業部の課長。常に”俺様気質”で、

 ”仕事ができない課員ばかり抱えているのに
 他の課と遜色無い数字を達成している。

 それは俺のお陰なのに、部長は全くわかっていない!
 もしかしたら部長は優秀な俺に追い抜かされるのでは?
 と嫉妬してるのかもな。

 こんな俺の事を正当に評価できる奴は一流企業の役員くらいだろう
 ・・・。
 うちの部長も役員達も人を見る目が全く無い奴ばかりだ!・・・。

 この前の査定でも隣の課の課長のBの方が評価されてたみたいだ・・・
 あいつの課はうちの課のクズどもよりはマシな奴ばかりだから、
 不公平だ!
 
 こうなりゃ、うちの課の奴らをもっと追い込んで数字を出させるしかないな!”
 と常に感じている。

 家に帰っても、妻には”いかに自分が優秀で、いかに周りが馬鹿ばかりか”
 の話を延々と続け、妻が嫌気が差して席を立とうとすると、
 ”お前!俺を馬鹿にしてるのか?!!俺の話をちゃんと聞け!”
 とキレたり、

 妻が”あなた、冷蔵庫を買い替えたいんだけど、大丈夫かな?”
 と気を遣いながら訊いてきた時には、

 ”俺を誰だと思ってるんだ?!!
 俺がそんなはした金を稼げないとでも思ってるのか?!!”
 とキレてしまうA氏。」

<次回へ続く>



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2023/9/25 (月)

演技性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

<前回からの続き>

 

今回は前回お書きした「演技性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。




<演技性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

①快刺激の方向性を変える為の下準備

(1)過去の帰結を書き出す


今迄、相手の注目を浴びようとやって来た言動・役割演技、

或いは外見を飾る事は、最終的にはどういった結果になったか?
を書き出してゆく


例:「あの時は、その瞬間はみんなに注目されて気持ち良かった。
   けど、結局みんなから相手にされなくなって、寂しくなって
   あの職場を辞めた。

   また、あの時は・・・」等々。



(2)未来の成り行き・帰結を推測する


「5年、10年と年齢を重ねて自分の容姿も変わり、
 それに連れ、周囲の周囲の人達の年齢層も高くなった時に、
 自分の考え方や振舞が今と変わらなければ、最悪どうなっちゃう?」

と自問し、その”答え”を書き出す


例:「周りの人から無視されたり、嘲笑されたりされるかも?・・・
   そして私の周りには誰も居なくなり、凄い孤独感を感じるかも・・」

この出来事の整理⇒結論付けや未来の成り行き・帰結を類推して書き出す
 といった作業には前頭前野や頭頂葉が働きます。
 それを繰り返す事で、自我強化と方向性を変える為のモチベーション
 を創り出す事が狙いです




②快刺激の方向性を変える

(1)方向性を大きく変える


相手の注目を集める事での快刺激を反則として、
それ以外の自分にとっての快刺激をできるだけ沢山書き出す


例:「彼氏を作ってラブラブになりたい、
   親友を作って一緒に旅行に行きたい、
   美味しいものを食べ尽くしたい、ヨガを習ってみたい」
  等々。

それを片っ端からやってゆく

(2)方向性を小さく変える


他人から注目を浴びる事への欲求を満たす為に、
今迄のやり方とは違って、手間と時間がかかっても、
より永続性のある方法を考えて書き出す


例:「本気でアイドルや女優・声優を目指す、
   ファッションや化粧・ネイルを真剣に勉強する、
   ユーチューバーやインスタグラマーとしての成功を目指す」
   等々。


目標が定まれば、
それに向けて、”今”しなければいけない事を書き出してゆき、
できる事から始めてゆく




※お独りでは難しい場合はお気軽にご連絡下さい

<次回へ続く>



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2023/9/22 (金)

演技性パーソナリティ障害の原因

<前回からの続き> 

前回の(架空の)例でこのA子さんは、

服装や化粧等の外見、大げさな話や感情表現で、
 相手の注目を浴びようとしています。
 ところがそれが叶わないと、途端に不機嫌になってしまう。

 多くの方は注目を浴びたり、チヤホヤされる事は”快”だと思いますが、
 この人は自分にとっての快・不快刺激にとても敏感であると思われます。


男性を(性的な目的ではなく)誘惑しようとするところから、
 相手が自分の思い通りの反応をする事に”快”を感じていると考えられます。

 そしてそこには、強い支配・コントロール願望が伺えます。


加えて、感情の変化の激しさや話の内容の無さから衝動性を、
 他人との距離感がわからない点や流行や誰かを妄信してしまう点から
 自我(意識)の脆弱性を感じます。


・更には、「年齢と共に症状が治まってゆく傾向」から、
 上記の特徴を一言で”幼児性”と呼んでも良いのかも知れません。

以上の事から、
「演技性パーソナリティ障害の原因」として、
以下の事が考えられると思います。




<演技性パーソナリティ障害の原因>

(恐らく持って生まれて)「快刺激を求める」傾向が強い
 (快・不快刺激に敏感)

②快刺激の方向性が、「他人から注目を浴びたり、チヤホヤされる事」
 と
 「相手が自分の思い通りに反応する事」に偏り、
 そこへの拘りが持続し固着してしまっている。

(恐らく持って生まれて)強い衝動性を有している

 だから、人間関係を築いてゆく事や深い思索を経た表現等の
 ”面倒くさい”過程をすっ飛ばすのだと思われます。

④自我の脆弱性

 衝動性をコントロールできない、本当の自分の感情を表現できない、
 他人との距離感がわからない、特定の人に強く依存する、等は
 自我が育ちきっていないからだと考えられます。




もしそうだとすれば、
演技性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2023/9/20 (水)

演技性パーソナリティ障害の特徴

<前回からの続き> 

今回は、

「演技性パーソナリティ障害」の特徴

ついてお書きしたいと思います。




<演技性パーソナリティ障害とは?>

◎「演技性パーソナリティ障害」の特徴としては、

 様々な場面での対人関係において、過度に注意を引こうとする行動
 が挙げられます。

 無意識のうちに他人との関係で役柄を決め、それを演じてしまったり、

 泣いたり周囲を非難したり、自殺をほのめかしたり、作話といった
 考え方や感情を大げさに誇張してでも、
 話題の中心になっていなければ気が済まない

 また、不適切なほど性的に挑発的、誘惑的な外見や行動をする。
 (但し性的な面は消極的で、しばしばシャイであったり、遊戯的である)

 更には、仕事面でも対人交流の面でも熱し易く冷め易い

 加えて、他人の意見に影響されやすく、だまされやすい特徴も有する。

 つまり、
 過度の情動性と注意を引きたい・注目を浴びたいといった欲求
 を持っている。

◎DSМの診断基準


・自分が注目の的になっていない状況では不快感を覚える

・不適切なほど性的に誘惑的または挑発的な形で他者と交流する

・感情がすぐに変わり、浅はかに見える

・自分に注意・関心を引くために身体的外見を利用する

・会話は過度に印象的だが非常にあいまいで、内容が無く詳細に欠ける

・感情を劇的で芝居がかった大げさな形で表現する

・被暗示的、即ち他人または環境の影響を受けやすい

・対人関係を実際以上に親密なものと思っている

・症状は成人期早期までに始まっている
 (年齢とともに症状が治まっていく傾向がある)



 
<演技性パーソナリティ障害の例>

「職場のA子さんは、いつも露出の多い流行の派手な服を着、
 派手な化粧をして、職場の男性や客の男性に馴れ馴れしくハグをしたり、
 色目を使って”〇〇さんの事が好きよ”と平気で誘惑する。

 注意されたり、陰口を言われると”私は何も悪い事してないのに、
 いつも誤解される・・・”と大げさに泣いたり、

 ドン引きして無視して来る同僚には、”何なのよ?!
 みんなそういう態度を採るんだったら死んでやる!”
 と、かんしゃくを起こす。

 朝礼の番が回って来ると、持論をとうとうと芝居がかった口調で話すが、
 聞き飽きたみんながシラ~っとしてると、また機嫌が悪くなる。

 プライベートでは”私のメンター”と呼んでる女性を妄信している様子。」




次回は
「演技性パーソナリティ障害」の原因
について私の推測に基づいてお書きしたいと思います。

 
 
<次回へ続く>



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2023/9/18 (月)

境界性パーソナリティ障害(BPD,ボーダー)について

<前回からの続き> 
 


今回は、
「境界性パーソナリティ障害(BPD,ボーダー)について、
過去に私が書いた記事をご紹介致します。




<境界性パーソナリティ障害(BPD,ボーダー)について>


①境界性パーソナリティー障害について


②境界性パーソナリティー障害~A子さんの例


③境界性パーソナリティー障害のメカニズム


④境界性パーソナリティー障害になる4つの要因


⑤境界性パーソナリティー障害は何故薬物療法が難しいのか?


⑥境界性パーソナリティー障害を改善するには?~ヒント

<次回へ続く>



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2023/9/15 (金)

反社会性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

<前回からの続き> 

 

今回は、

前回お書きした「反社会性パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。




<反社会性パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

※まず初めに、この「反社会性パーソナリティ障害」と診断された方は
 治療に前向きにならない場合が大半だと思われます。
 しかし、何らかの事情で「このままではダメだ!」と切羽詰まった方には
 以下の方法がヒントとなるでしょう
 

 

①自分を変える為のモチベーションを高める


こういった特性を持つ人は快刺激に敏感であると考えられます。

そうであるならば、恐らく不快刺激に対しても敏感であると想像されます。

ですから、”自分にとっての”大きなデメリットを想像してみる事が
役に立つでしょう。

例えば
「もし自分の考えや行動への拘り・パターンがこの先もずっと続くとすれば、
最悪どんな人生になるだろう?」と自問してみましょう。


「このままだと犯罪がエスカレートして、捕まったら長い懲役を喰らう
  だろうな」

「そうなったとすれば、何が一番最悪?」

「自由も無く臭い飯を食って、年老いてからようやく出所する事かなあ?」

「そうなったとすれば、何が一番最悪?」

「楽しい事もできずに死んでいく、つまらん人生だけは嫌だ!」

「その”嫌さ”を感じてみて!」

「あ~・・・う~・・・・、クソ!!」

「それがどれほど嫌かを色んな言葉で書きなぐってみて!」

「アホが、バカが、生きてる意味があんのか?!、クソが・・・」

「そう感じている自分に名前を付けるとすれば?」

「”ムショはクソだ!の俺”・・・かな?」

等々。

②自分を俯瞰する能力(メタ認知)を高める

例:自分の中に湧き出てくる感情や考えを書き出してゆく

 「あ~むずむずしてきやがった。また人を騙して金儲けしたいなあ~」

「そう感じている自分に名前を付けたら?」

「誰かに言われたけど、”悪魔の俺”かな?」

③行動の制御能力を高める


例:「”悪魔の俺”は今何て言ってる?(書き出す)

「昔の仲間に連絡を取って、また年寄りを騙して金を巻き上げたい!」

「それに対して、”ムショはクソだ!の俺”の意見は?(書き出す)

「金を奪ったところで、あっと言う間に使っちまうだろ?
  そんな事で何年もムショ暮らしするのはまっぴらだ!」

「”悪魔の俺”と”ムショはクソだ!の俺”の両方の意見を書いてみて
  どうすれば良い?」

「まあ、捕まっても懲役喰らわない程度の悪さをするしかないのかなあ~」

④共感力を高める


例:「今迄の人生の中で、他人から何かを奪われたり、痛めつけられた記憶
   の中で、一番強烈なのは?」

「5年くらい前かな・・・詐欺の仲間に裏切られて
  金を全部持ち逃げされた・・・」

「その時は相手に対してどう感じた?(書き出す)

「舐めやがって、殺してやる!一生許せねえ!」

「じゃあ今迄の人生で、他人の何かを奪ったり痛めつけた記憶の中で
  一番強烈なのは?」

「え~と・・・まだオレオレ詐欺をやってた頃に、Aっていう資産家から
  5000万円せしめた事がある。そん時は嬉しかったな!」

「では、さっき書いた文章をこう書き変えて!
  ”私Aは、詐欺師の佐藤(本人)に5000万円だまし取られた。
  舐めやがって。殺してやる!一生許せない!”」

「それを読んでみて、どう感じる?」

「そりゃあ、あの爺さんも俺の事を許さないんだろうな」

「免許証を持ってますか?・・・ではAさんに成りきって、
  自分の写真に向かって、”佐藤!お前!舐めやがって!殺してやる!
  わしはお前の事を一生許さん!”と言ってみて!」

それを繰り返す、

更には、ペットや植物を育てる等々。

⑤快刺激の方向性を変える


法律に触れずに自分にとっての快刺激を満たせるものを沢山書き出し、
片っ端からやってゆく。

例:飲酒、ギャンブル、合法ドラッグ、女遊び、喧嘩、ジムワーク、ゲーム、
  政治活動、無人島や山林を購入し、”自分の王国”を造る・・・等々。

※これはあくまでヒントの一例ですので、詳しくはお気軽にお問合せ下さい


<次回へ続く>



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2023/9/13 (水)

反社会性パーソナリティ障害の原因

<前回からの続き> 

 

前回の(架空の)でこの人は、

他者の不利益や社会的規範よりも、自身の利益や快楽を最優先している
 事から、自分にとっての「快刺激を求める」傾向が強く感じられます。

また、衝動的な行動を制御する能力が極めて弱いと考えられます。

反省をしない事、他人のせいにする事、相手の立場に立てないところから、
 自身を俯瞰で見る(メタ認知)共感力といった能力が極めて弱い
 と考えられます。

子供時代から一貫して「素行不良」が治らない事から、
 自分独自のルールや法律・規範・常識への(偏向した)拘りが持続している
 と考えられます。

 
 
以上の事から、

「反社会性パーソナリティ障害の原因」として、
以下の事が考えられると思います。




<反社会性パーソナリティ障害の原因>

(恐らく持って生まれて)「快刺激を求める」傾向が強い

②快刺激の方向性が「他人や物を自分の欲するがままに扱う事」に偏り、
 そこへの拘りが持続し固着してしまっている

 (まるで「俺が法律だ!」と、自分にとって都合の良い法律を作って、
 他人の制裁与奪の権利や物欲を満たす自由と権力を握った独裁国の王様
 の様です)

③自分を俯瞰する能力(メタ認知)の欠如、行動の制御不全、共感力の欠如
 が強くみられる

脳科学の研究では、

メタ認知=前頭前野と頭頂葉を含む高次脳ネットワークの関与

行動の制御=頭頂葉の頭頂間溝領域の関与

共感=内側前頭前野の関与

が明らかになりつつあります。

だとすれば、
前頭前野頭頂葉、それらを繋ぐ神経回路等に(先天的に?)特異性
を持っているのでは?と考えられます。 

この快刺激への衝動性や「支配欲」や「物欲」等を持っている事自体は
 珍しくないでしょうが、
(例えば昔散々やんちゃした人が「昔は無茶してたな~」と
 すっかり紳士になっている人も沢山居ると思います)
 大人になってもその傾向が持続する人は、
 この「③」の能力が極めて弱いからだと思います

もしそうだとすれば、
反社会性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2023/9/11 (月)

反社会性パーソナリティ障害の特徴

<前回からの続き> 

 

今回は、

「反社会性パーソナリティ障害」の特徴ついてお書きしたいと思います。




<反社会性パーソナリティ障害とは?>

・「反社会性パーソナリティ障害」とは、
 自分の利益や快楽のために法や社会の規範を破り、
 他人を欺いたり搾取して権利を侵害したり、
 無謀な行動を採る事に罪悪感や良心の呵責を持たない障害です。

 少なくとも18歳以上で、15歳以前にいくつかの素行症(社会から
 要求される規範や規則を守らない行動の反復・持続で、
 例えば人や動物への攻撃、所有物の破壊、虚偽または窃盗、
 重大な規則違反等)の症状が出現していることなどが要件となります。


以下、特徴的な傾向としては、

自分の行動を正当化または合理化する(反省しない)

被害者を馬鹿だったまたは無力だったと責める

自分の行動が他者に及ぼす搾取的で有害な影響に無頓着である

他者の権利や感情、法律を平気で軽視する

等が挙げられます。




<反社会性パーソナリティ障害の例>


「20代半ばの男性のBさん。中学時代から暴力行為、窃盗等で度々補導され、
 一向に更生せず、少年院に入っていた事も。

 高校へは行かず、先輩の誘いで半グレ組織に入り、
 所謂”オレオレ詐欺”に加担していた。

 ある時、警察に踏み込まれて逮捕されたが、
 ”騙される方が悪い!”と全く反省の色が見えず、
 その後も何度か逮捕された。

 私生活でも、気に入った女性を半ばレイプの様な形で妊娠させ、
 女性が涙ながらに訴えても”誘いに乗ったお前が悪い!”
 逆に殴りつけ、中絶費用を懇願する女性に、”避妊してないお前のせいだ!”
 とためらいもなく彼女のお腹に蹴りを入れた・・・」




次回は私の推察に基づいて「反社会性パーソナリティ障害の原因」
をお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2023/9/8 (金)

統合失調型パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

<前回からの続き>

今回は前回お書きした
「統合失調型パーソナリティ障害の原因」を基に
その寛解に向けてのヒントをお書きします。




<統合失調型パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

①敏感さを強めるストレスを減らす

前回の「原因」でお書きした様に、私の想像が正しければ
統合失調型パーソナリティ障害と言われるものは

他者や環境から来る刺激への過敏さ、または統合不全から来る混乱

その防衛反応としての回避や独自の解釈・秩序立てによって統合を目指している
と考えられます。

だとすれば、
まずはできる限りストレスを減らす工夫が必要だと思います。


 
(1)環境調整


不快刺激と考えられる他人との(直接的な)交流によるストレスの軽減
を目指します。

例えば、
他人との交流が少なくて済む部署への異動、転職、役割変更、
文章(メールやLINE等)でのやり取りにする、
在宅ワークや保健室登校等、無理に交流の場へ行かせない、
等々。

(2)ストレスから来る心の不安定さを安定させる

刺激(ストレス)によって不安定になった心の安定化の方向としては
(以前もお書きしましたが)

A.不快刺激のシャットアウト(GABA・セロトニン型)

B.快刺激を求める(ドーパミン型)

C.愛情・愛着・安心等をもたらしてくれる人との交流(オキシトシン型)

の主に3種類があると私は考えています。

そして、その最も適切な比率/割合は個々人によって違う筈です。

ここで、
統合失調質型パーソナリティ障害と呼ばれる人は、
恐らく「A」の比率が高いと思われます。

だとすれば、
出来る限り、誰にも邪魔をされない空間・時間を確保する事が役に立つ
でしょう。

例えば、
会社に出社しないといけないのであれば、パーテーションで囲ったり、
一人部屋や離れた席等、視覚的・聴覚的に他人からの刺激を受けない
工夫をする。

また家族など、誰かと一緒に住んでいるのであれば、
一人部屋、独りの寝室、庭やベランダにテントを張って、そこへ籠る
等々。

こんな事をすると益々回避傾向が酷くなるのでは?
 とお考えの方もいらっしゃると思いますが、

 私は「不快刺激によるストレスが高じるから、
 その防衛策として回避している」と考えますので、

 まずはストレスを軽減して、心の安定を図る事が先決だと思います

 
 
②自我強化

前回の「原因」でお書きした様に、
「統合不全」「(個を超えた)自我肥大」の問題があるとすれば、
自我を強化する事が役に立つと思います。

(1)客観的観点を意識する


 学校や職場等で、どうしても他人と交流しないといけない場面では、
 自己(自身の無意識)の傾向を(自我が)意識して、
 俯瞰・客観的に視る訓練が役に立つでしょう。

例:隣の席の人に対して「この人は私を馬鹿にしているに違いない」
  という認知・思考が自動的に出て来た場合は、
  「私の自己が”この人は私を馬鹿にしている”と感じているんだな」

(2)それによって情報を集める


 自己は根拠もなく思い込み決めつける傾向(統合の為に)が強いと認識し、
 その根拠とそれに対する反論、更にはそうではない根拠といった、
 3つの情報を集める。

例:「彼(隣の席の人)が私を馬鹿にしている根拠は?・・・
   蔑んだ表情で、私によく嫌味を言う

  「それに対する反論を考えると・・・
   彼を観察していると他の人に対してもよく蔑んだ感じで嫌味を言う
   ・・・私にだけでは無いんだ!

  「彼が私を馬鹿にしていない根拠?・・・
   この前、同じ業務を彼より私の方が速く済ませた時には、
   彼は”負けた”と思ったのか、悔しそうな顔をしていた。」


  
(3)それらを分析して結論・意味づけを見直す


例:彼は”負けたくない”という気持ちが強くて、
   失敗したり、自分より劣っていると感じると、
   傘にかかって攻めてくる。

   何でも自分が周りより優れていないと気が済まないタイプかも?
   ・・・だとすれば、彼こそ自我肥大した自己愛が強い人なのかも
   知れない」

(4)新しい意味づけで相手を意識する


「あ~また彼は私に嫌味を言ってる。彼の自己愛ちゃんが
  優越感を求めてるんだなあ~。しょうがない人だなあ」
等々。


お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい


<次回へ続く>



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2023/9/6 (水)

統合失調型パーソナリティ障害の原因

<前回からの続き>

前回の(架空の)例でこの人は、

空気を読まない、暗黙のルール・常識を理解しないといった点から
 相手の気持ちや暗黙のルールに対しての鈍感さを有している為、

 混乱・不安が生じたり、いじめや「なんでわからないの?!」等といった
 他人からトラウマチックな被害を被り
 社会的交流を不快刺激と認識し、それを避ける様になったのかも知れません。

 
 ただ、私見を述べると、

 元々敏感だった為に、相手の表情や言動、雰囲気・空気に纏わる
 膨大な情報が入力され、刺激過多から来る混乱を避ける為に
 シャットダウンした(鈍麻させた)のでは?と私は考えます。

 
 何故なら、
 ”親密な関係での居心地の悪さや不慣れな状況下での不安”が生じるのは、
 「敏感さ」=「入力される情報量が多い」→「刺激過多」→「混乱」
 →「居心地の悪さ・不安の強まり」という流れが考えられるからです。


・敏感さから来る情報過多・刺激過多による”混乱”を避ける為には、
 回避や統合・統制・秩序立て、意味づけ等の防衛策が必要となる
 のだと思います。

 (もしかすると、こういった人は元々統合や秩序立てが苦手なのかも
 知れませんし、或いはそれを上回る程、敏感なのかも知れません)


・他者の考えている事が想像できない。

 その為に「相手は何を考えているのだろう?」といくら考えても
 わからない混乱(刺激過多?統合不全?)から不安になり、
 「こう思っているに違いない」と決めつける事で混乱・不安を鎮め、
 秩序立ててゆく。

 恐らく”儀式””関係念慮”等の認知や知覚の歪みも
 混乱・不安を鎮めて自分なりに”秩序立ててゆく”為の無意識の防衛反応
 と考えられます。


空気を読まない言動や奇抜な恰好等から、自分が言いたい事を言ったり、
 やりたい事をする事に快刺激を感じていると考えられます。

以上の事から、
「統合失調型パーソナリティ障害の原因」として、
以下の事が考えられると思います。




<統合失調型パーソナリティ障害の原因>

①他者や環境からの刺激に対して(生まれつき)敏感である

※「統合不全」の可能性も有り

②敏感さから、刺激(情報)過多になり、混乱・不安が生じる

③混乱・不安を鎮める為に様々な(無意識の)防衛策を採る

(1)回避:他人や社会との交流を避ける


(2)自分なりの秩序立て・意味づけ

 :「関係念慮」「魔術的思考」「超能力」等は
  自分主体で混乱を収拾させ、
  独自のルール・秩序を作ってゆける希望となり、安心を得る

※「パラノイア」は混乱を生じさせる相手からの刺激を
 例えば「こいつは僕を馬鹿にしているに違いない」等と
 被害妄想的に意味づけする事によって、混乱の終息と回避の両立
 を目指しているのではないかと思います

④自分だけの”王国”を築き上げる


「③」の防衛策を突き詰めてゆくと、
 自分独自のルール、秩序、意味づけ・解釈等、
 自分独りの世界の中では、万能感を感じるでしょう。

 この事は、もしかすると個を超えた自我肥大と言えるかも知れません。

 自我肥大とは、ユング心理学では、脆弱な自我(意識)が自己(無意識)に
 呑み込まれて一体化してしまう事を言いますが、

 防衛策が嵩じて、他者の自我まで呑み込んでしまった状態が、
 「関係念慮」等の所謂自我障害を起こしているのでは?と考えたりします。

 もしそうであるなら、自分の自己の一部である他者(の自我)
 関心が向かないのは必然なのかも知れません。
 (自我が脆弱であれば、統合不全にも陥り易いでしょう)

それ故、
「独自の言語」「独自の考え」「独自のルール」「独自のファッション」
等、「風変わりな印象」を持たれる様になるのでは?と考えます。



 
もしそうだとすれば、
統合失調型パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?

そのヒントを次回お書きしたいと思います。


<次回へ続く>



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2023/9/4 (月)

統合失調型パーソナリティ障害の特徴

<前回からの続き>

今回は、
「統合失調型パーソナリティ障害」の特徴
ついてお書きしたいと思います。




<統合失調型パーソナリティ障害とは?>

・統合失調型パーソナリティ障害は、親密な関係においては強い居心地の悪さ
 を感じ、近親者を除いて親しい友人や相談相手がいない


必要があれば人と交流するが、自分が他者とは異なり、
 どこにも属していない様に感じている為、交流しない事を好む

 その一方では、他人との交流を望んでいると言う場合もある。


・不慣れな状況下では不安が強くなり、中々慣れる事が難しい
 
 ※それ故、うつ病になる事も少なくはない


・奇妙な思考と行動が見られる

 即ち、世間の常識や暗黙のルールを理解できず浮いてしまったり、
 統合失調症で見られる様な「関係念慮」(日常の出来事が自分にのみ
 特別な意味を持つと考える)

「魔術的思考」(他者を魔術的にコントロールできる力があると考える)

「パラノイア」(他者への不信から来る被害妄想)

「超能力・テレパシー」(自分には予知能力があったり、他人の心が読める
 と信じ込む) 等を有している。


・話し方や言葉、服装、癖等が風変わりで奇妙な事もある。


・認知や知覚の歪み

 ”声”が聞こえるといった幻覚が現れる場合もある

<統合失調型パーソナリティ障害の例>


「Bさんは子供時代から空気を読まない言動をして、
 ”ちょっと変わった子”であった為に、いじめに遭った。

 成人してからは、殆ど他人と接する必要が少ない仕事に就いたが
 独りでもそれほど寂しさを感じる事は無かった。

 ある時、法事があって親に無理矢理連れて行かれ、
 久しぶりにいとこに会った。

 ”こいつ(いとこ)は僕の事を馬鹿にしているに違いない”と感じ、
 逃げ出したくなった。

 急いで家に帰り自室に籠ると、”お清めの儀式”を繰り返した後に
 いつもの”宇宙神”と繋がって、今日の出来事の意味を伺うと
 神のお告げが聞こえた・・・。」




次回は私の推察に基づいて「統合失調型パーソナリティ障害の原因」
をお書きしたいと思います。

<次回へ続く>



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2023/9/1 (金)

シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害を寛解に導くヒント

<前回からの続き>

今回は
前回お書きした「シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の原因」を基に

その寛解に向けてのヒントをお書きします。




<シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害を寛解に導くヒント>

①敏感さを強めるストレスを減らす

前回の「原因」でお書きした様に、私の想像が正しければ、

シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害と言われるものは
「コントロール不全」といった不快刺激に対して特に敏感な人が、
それを感じ易い状況下''(他人との交流や自他の感情表出がなされる場面)に''
置かれた時に、

ストレスが高じ、”回避”という防衛策を採り続けてしまう状態
と言えると思います。

そこで、できる限りストレスを減らす工夫が必要だと思います。


 
(1)環境調整

不快刺激と考えられる他人との(直接的な)交流によるストレスの軽減
を目指します。


例えば、
他人との交流が少なくて済む部署への異動、転職、役割変更、
文章(メールやLINE等)でのやり取りにする、

在宅ワーク保健室登校等、無理に交流の場へ行かせない
等々。

(2)ストレスから来る心の不安定さを安定させる

刺激(ストレス)によって不安定になった心の安定化の方向としては
(以前もお書きしましたが)

A.不快刺激のシャットアウト(GABA・セロトニン型)

B.快刺激を求める(ドーパミン型)

C.愛情・愛着・安心等をもたらしてくれる人との交流(オキシトシン型)

の主に3種類があると私は考えています。

そして、
その最も適切な比率/割合は個々人によって違う筈です。


ここで、
シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害と呼ばれる人は、
恐らく「A」の比率が高いと思われます。

だとすれば、
出来る限り誰にも邪魔をされない空間・時間を確保する事が役に立つでしょう。


例えば、

会社に出社しないといけないのであれば、
パーテーションで囲ったり、一人部屋や離れた席等、
視覚的・聴覚的に他人からの刺激を受けない工夫をする。

また家族など誰かと一緒に住んでいるのであれば。
一人部屋、独りの寝室、庭やベランダにテントを張ってそこへ籠る
等々。


こんな事をすると益々回避傾向が酷くなるのでは?
 とお考えの方もいらっしゃると思いますが、

 私は「不快刺激によるストレスが高じるから、
 その防衛策として回避している」と考えますので、

 まずはストレスを軽減して、心の安定を図る事が先決だと思います


 
②コントロール不全に関するトラウマの解消

明確なトラウマがある場合は、トラウマの解消を行っても良いと思います。

例えば、
EМDR自我状態療法、等、カウンセラーが得意なものに委ねてもいいと思います。

③愛着の(再)形成

愛着の(再)形成は何歳になってからも可能です。

その方法は以前お書きしましたので省略しますが、
 詳しくお知りになりたい方はお気軽にご相談下さい

④無意識(辺縁系側)の防衛反応を和らげ、
 皮質側(意識)との繋がりを取り戻す

シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害の場合は、
自他の感情や他人との交流といった不快刺激を”回避”し続ける為に
辺縁系側の無意識の防衛反応が常に働き続け(感情・感覚の抑制、回避)

加えて意識(皮質側)と無意識(辺縁系側)の繋がりが遮断され(乖離状態)
感覚や感情が意識側にフィードバックされない状態であると考えます。


もしだとすれば、以下の2つの方法が必要になって来ると思います。

(1)無意識の防衛反応を和らげる

曝露療法等で、少しずつ他人との交流を行い、
感情や感覚を感じても安全だと実感する事。

難しければ最初はドラマや映画の登場人物、或いはペットの
 気持ちや思いを感じてみる事からスタートしても良いでしょう。


但し、他人との交流によって受けるストレスを解消する為に、
不快刺激をシャットアウトする”独りの時間・空間”も
同時に確保する必要があると思います。(他者との交流と引きこもりの
バランス)

(2)無意識と意識の繋がりを取り戻す

上の「(1)」で行った事について、

自分が感じた他者(動物)の感情や思いを書き出す言葉にする]

それによって生じた自分の感情や思いを書き出す言葉にする


言語表現や”想像”は意識(皮質側)の働きが必要となります。

それ故、相手の気持ちや自分の気持ちを”想像”したり、
無意識で感じ取った感情や感覚をことばにする事
両者を繋ぐ為の訓練になると考えられます。



※お独りでは難しい場合はお気軽にご相談下さい

<次回へ続く>



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