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2024/10/22 (火)

カウンセリングで大切なポイント⑦働きかけるポイントを決める(1)

<前回からの続き>




<⑦悩み/症状の解消の為に働きかけるポイントを決める(1)>

CLさんの今のお悩みや症状の根本原因が推測できれば
働きかける(介入)ポイントを決めてゆきます。


まず今回は
架空の例で、根本原因(と思しきもの)を推測してみましょう。




例えば、

「彼氏にLINEを送っても、すぐに返事が無い。

 ”見捨てられるかも?”と思って、
 彼が仕事中であろうがLINEを何十通も送ったけど、既読が付かない!

 許せなくなって彼の職場に電話をして、
 彼を呼び出してもらいブチギレた。

 彼は”仕事中だぞ!”と冷たくあしらったので、
 ”死んでやる!”とオーバードーズとリスカをした。

 そんな事が続いた或る日、
 彼が”もう終わりにしたい。別れよう”と言ってきた。

 私は”ゴメンなさい、ゴメンなさい”と泣きながら何度も謝って
 彼にしがみついた・・・

 前の彼氏の時も、その前も同じ様な状態になって、
 結局別れる事になった。

 彼に
 ”お前、病気と思うから、病院に行け!
 それでも治んなかったら本当に分かれる”
 と言われたので、

 仕方なく病院に行ったら”境界性パーソナリティー障害(BPD)”と言われた」


といったCLさんの場合。(架空の例です)




ヒアリングとアセスメントによって
想像を巡らせ原因を遡ってみますと、


(1)家族歴・成育歴等から、
 BPDと関連すると考えられる愛着の問題(とらわれ型、未解決型等)
 肉体的・精神的な虐待やネグレクトは余り無さそう


(2)だとすれば、
 何故自己像が不安定で、感情の制御が不可になっているのか?


(3)それは、恐らく自己客観視(感情等を司る)神経系の自己調整能力
 に問題がある


(4)だとすれば、それは何故か?


(5)それは、
 自己客観視に必要な背外側前頭前皮質の発達が遅れているから?


(6)だとすれば、それは何故か?


(7)父親も似た気質だった様で、遺伝要因が働いてるのかもしれない。

 
(8)もしそうなら乳幼児期から感情や感覚に圧倒され、
 益々背外側前頭前皮質の発達が阻害され、

 母親との愛着が安定型だったとしても
 (自己客観視不可の為)内的作業モデルが作られずに
 自己調整できないままになった?


(9)そうだとすれば、腹側迷走神経系による神経系の自己調整機能である
 ”耐性の窓”を拡げる事はおろか、

 それ以外の部分である(”偽”耐性の窓と呼ばれる)交感神経系と
 背側迷走神経系の防衛反応によって神経系を制御しようとして、

 かろうじて社会生活を保てるレベルに保ち、
 それが習慣化してしまっている


(10)その様に自己調整力が身につかないと
「見捨てられるのでは?」等の不安が益々強くなり
 防衛反応も益々強化され、

 それに基づいた言動を採る(相手への理想化とこきおろし、執着、
 自傷行為等)為に結果として見捨てられて

「私は誰からも愛されない」等のスキーマも強化され、
 益々不安が強くなり、それ故、防衛反応も益々強くなって
 自己調整不全が酷くなってゆく、という悪循環に陥るでしょう。




次回はこの”例”に基づいて、
CLさんに働きかける''(介入)ポイントを決めてゆきます''。

<次回へ続く>



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2024/10/18 (金)

カウンセリングで大切なポイント⑥根本原因の説明と得心

<前回からの続き>




<カウンセリングで大切なポイント⑥根本原因の説明と得心>

前回の「⑤」によって
CLさんの今のお悩みや症状の根本原因が推測できれば、

それを心理教育的に分かり易く説明し、
腑に落として頂く必要があると思います。


何故ならば、
例えば認知行動療法等の、意識⇒無意識(身体感覚や感情等)といった
トップダウン的な療法の場合は勿論の事、

身体感覚や感情から入る無意識⇒意識といったボトムアップ的な療法でさえ、
(無意識ではなく意識の)抵抗が生じる可能性があるからです。


例えば、
「〇〇の事を考えると、どんな感覚を感じますか?」
とか
「今ままさにその事が起きてると想像すると、どんな気持ちになるでしょう?」
等と介入していっても、

CLさんが内心「え?!、なんでそんな事しなきゃいけないの?」等と
感じていると、うまく行かない事が多いでしょう。


ですから、
意識の抵抗を減じる為にも、納得してもらうに越した事はないと思います。

<次回へ続く>



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2024/10/15 (火)

カウンセリングで大切なポイント⑤”根本原因”の妥当性を確認

<前回からの続き>




<カウンセリングで大切なポイント⑤”根本原因”の妥当性を確認>

前回の例の様にお悩みや症状の”根本原因”(と思しきもの)
掘り下げて行ったら、

その”想像”の妥当性を知る為に、その想像を踏まえての成育歴や家族歴、
症歴、等をお聴きしてゆきます。


但し、
「トラウマ」が無意識下に抑圧されている場合

発達性トラウマ等の場合は、
抵抗架橋法やホログラフィートークでも、介入が難しくなります。


そういった場合は、
「ポリヴェーガル理論」に基づいて、
「何故、腹側迷走神経が働かないのか?」を考えてみましょう。


”腹側迷走神経系”
健康や成長、回復・心身の治癒や社会的交流を促進すると考えられています。


そして、
不動・凍り付き反応をもたらす”背側迷走神経系”

闘争・逃走反応をもたらす”交感神経系”といった防衛反応を司る神経系
が働いている時は、

”腹側迷走神経系”は抑制されてしまい、
結果として心身の治癒や社会的交流が妨げられてしまいます。


この理論に基づけば、
カウンセリングにお越しになる殆どのクライアントさん
慢性的に防衛反応が働いている為に、”腹側迷走神経系”が抑制され、
心身の治癒や社会的交流が妨げられていると考えられます。


だとすれば、
「何を脅威とみなしているのか?」
とか
「何故それを脅威と感じているのか?」
といった、

防衛反応の歴史や内容に纏わるエピソードをお聴きすると同時に
敏感さの対象・方向性・強度等もアセスメントしてゆき、
”仮説”の妥当性を確認してゆきます。

<次回へ続く>



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2024/10/11 (金)

カウンセリングで大切なポイント④悩みの根本原因を想像する

<前回からの続き>




<カウンセリングで大切なポイント④お悩みの根本原因を想像する>




私の場合は、

「何が原因でその症状や悩みが出てきているのか?」
を想像しながら、
”根本原因”(と思しきもの)へと掘り下げてゆきます。

<例>


例えば、

電車に乗るとドキドキし始め、失神しそうになるので、
電車に乗れない、
等の所謂パニック障害で苦しんでおられる場合。


(以下「CO」=カウンセラー、「CL」=クライアントさん)


①CO:「”例外”的に電車に乗れた時は最近ではいつありましたか?」

 CL:「・・・そう言えば1週間前に、どうしても電車で出かけないと
    いけない用があって、各駅停車で3駅先まで行きました・・・
    無理やり我慢してですけど。」


 CO:「それは凄いですね!・・・あなたの今の状態なら、
    とても無理な筈なのに! どうやって我慢されたのですか?」


 CL:「気を紛らわす為に、好きな音楽をヘッドホンで聞きながら、
    母親とずっとLINEをしてました。」


②CO:「もし、そうやって気を紛らわさなければ、
    どんなイメージや感覚等が出て来てしまうのでしょうか?」


 CL:「・・・なんかこう、閉じ込められて逃げられずに、
    目の前が真っ暗になる様な。」


 CO:「その感じに暫く留まる事はできるでしょうか?
    ・・・どんな気持ちが出て来ていますか?」


 CL:「なんか、怖い!恐ろしい!」

③CO:「怖い!恐ろしい!・・・そう感じていると、
    どんな考えが浮かんで来ますか?
    例えば”〇〇しなきゃいけないけど、できない”等。」


 CL:「独りじゃ無理!誰かに助けてもらわなきゃ・・・
    でもそんな事できない!」




<解説>


「①」”例外”を引き出す事でSFT的に介入する事もできるでしょう。

但し、
根本原因を突き止める為に、「②」「③」の様に、
感覚や感情⇒思考を掘り下げてみます。


ここで、
「認知(思考)」に焦点を絞り、
認知行動療法的に介入する事もできるでしょうし、

フォーカシング等で「感情」に焦点を当てる介入もあるでしょう。


そしてそこから更に自我状態療法の抵抗架橋法やホログラフィートーク等で、
過去の未解決なトラウマ場面まで遡る介入も可能でしょう。


※但し、被虐待的な家庭環境で育った人や
 そうではなくとも(不快)刺激への敏感さ故に発達性トラウマ
 を抱えていたり、複雑性PTSDになっている人は、
 上記のアプローチだけでは難しい場合もあると思います


<次回へ続く>



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2024/10/8 (火)

カウンセリングで大切なポイント③CLのリソースや強みを知る

<前回からの続き>




<カウンセリングで大切なポイント③CLのリソースや強みを知る>




(1)自己否定や自己批判、自責を緩和する

CLさんのリソースや強みを引き出す前に、

CLさんがネガティブなナラティブやスキーマに取り込まれていて、
自己否定や自己批判、自責が強い場合は、
まずそれを緩和してゆく事が大切だと思います。


私の場合は、

CLさんに「ご自分の長所や短所はどういった所だと感じますか?」
等と質問し、

短所とお感じになってる部分や、自己否定や自己批判、自責等の元
となっているエピソードが見つかった場合は、
ご自分を客観視されてリフレーミングされる様に持ってゆきます。




(2)リソースや強みを引き出す

私の場合は
上の「(1)」で述べた様に、

CLさんに「ご自分の長所や短所はどういった所だと感じますか?」
等と質問し、

長所が思い浮かばない方には、家族歴・成育歴・症歴・エピソードの中から、
拾い出して伝えてゆきます。

そして、
その長所や強みが発揮された場面をできるだけ多く語って頂き、
ポジティブなナラティブを作り上げて頂き、リソースを強化して頂きます。


或いは、

「発達性トラウマ」を抱える様な
サバイバルな環境を生き抜いて来られた方には、

「どうやって、それを乗り越えて来たのですか?」

「何を糧に耐える事ができたのですか?」

等と、
レジリエンスに的を絞ったナラティブの生成をお手伝いします。




(3)CLさんの得意/不得意を知る

後述しますCLさんの悩みや症状の解消法をお伝えする場合、
CLさんの得意.不得意を知っておく必要があります。


例えば

「話す・聴くが得意/不得意」

「書く事が得意/不得意」

「イメージが得意/不得意」

「体感覚を感じるのが得意/不得意」

等。


それを知る事によって、
例えば「話す・聴く、書く事が得意」ならば
認知行動療法的な手法も有効でしょうし、

「イメージや体感覚を感じるのが得意」ならば、
フォーカシングやハコミ、ソマティック・エクスペリエンシング、
センサリーモーターサイコセラピー等も有効でしょう。


そして、
カウンセラーさんが得意で、よく使われる技法も
CLさんの得意/不得意に合わせて臨機応変に焼き直してゆく必要がある
と思います。

<次回へ続く>



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2024/10/4 (金)

カウンセリングで大切なポイント②CLの個性・特性を知る

<前回からの続き>

<カウンセリングで大切なポイント②CLの個性・特性を知る>

前回お書きした「①」によって、

カウンセラーがCL(クライアント)さんの(一時的な)「安全基地」となれば、

今のお悩みや症状等の解消に向けて
”探索行動”や”治癒”に向けての精神力動が働くか?と言えば、
必ずしもそうではないと感じています。


何故なら、

特に被虐待的な環境で育った方や、

そうではなくても(不快)刺激に対する過敏さをお持ちの方は、

多くの場合「発達性トラウマ」と呼ばれる
無数の心の傷を抱えておられる場合が多いと実感しております。


そしてそれ故、

今のお悩みや症状に繋がっていると考えられる、
自己否定的な認知パターン等の元となるネガティブなスキーマ・中核信念
が邪魔をして、その解消に向けての”探索行動”

”治癒”に向けての精神力動が働かない事が多いでしょう。


それに加えて、

自身の長所やリソース、ポジティブなナラティブ等を引き出す事も
妨げられているでしょう。


ですから、

(私の場合は)
家族歴・成育歴・症歴・エピソードをお聴きする場合は、

(発達性)トラウマの有無だけではなく、
CLさんの「敏感さの度合い」「何に対して敏感か?」
といった敏感さの対象

「敏感さが自分だけに向いてるのか?
 それとも他者の快・不快にも敏感なのか?」

といった敏感さの方向性等もアセスメントしてゆきます。


そして、

そういった”敏感さ”が持って生まれたものなのか?
それとも被虐待的な環境下でのトラウマによって生じたのか?

等もCLさんの個性・特性を知る為には必要な事だと思います。

<次回へ続く>



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2024/10/1 (火)

カウンセリングで大切なポイント①安心・安全

<前回からの続き>

今回から、

カウンセラーを目指す方(心理士や心理師等)

既に臨床の現場に立っておられるカウンセラーさんや対人援助職の方
に向けて、

私が考える「カウンセリングで大切な10のポイント」について、
一つ一つ詳しくをお書きしてゆきたいと思います。




<カウンセリング゙で大切なポイント①安心・安全>

カウンセリングにお越しの方の大半は、
「(不快)刺激に対する過敏さ」を持っていらっしゃる場合が殆ど
だといった印象があります。


そうなると、
ちょっとした事が気になって、
すぐに不安になったり、混乱したり、傷ついたりするでしょう。


またそれが為に、
子供時代の家庭環境が被虐待的、ネグレクト的な所謂”機能不全家族”
で育った訳では無くとも、心の安全基地が得られていない場合が多い
と感じます。


ボウルビィ博士等による「愛着理論」でも、

「心の安全基地」が得られて初めて
「今の悩みや症状を一緒に解消して行こう」
といった探索行動”に移れると考えられています。


更には、
ポージェス博士の「ポリヴェーガル理論」においても、

健康や成長、回復・心身の治癒を促進する(有髄の)迷走神経の回路も
「安全である」と感じている時のみ発動する、
とされています。

それ故、
まず最初に我々カウンセラーが心がける事は

クライアント(来談者※以下「CL」)さんに「安心・安全」を与え、
カウンセラー側が「安全基地」となる事だと思います。


具体的には、

「笑顔」、「比較的高音域のリズミカルな声」、「柔らかい雰囲気」
等を意識しながら、

ラポールやリレーションを築いたり、
(家族療法なら)ジョイニングしてゆく事が必要でしょう。


※ロジャーズの3原則である
 「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」は
 特にカウンセラーがCLさんの「安全基地」となる為に、
 必須の事柄だと思います

<次回へ続く>



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