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コラム/2015-01-16

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高橋規子先生~ナラティブセラピー

先日、ナラティブセラピーを臨床で実践されていた故高橋規子先生の論文集を読んだ。

先生は元々はロジャーズ派の所謂傾聴を主体とするアプローチをなさっておられたが
来談者の多くが家族で来られるという環境の中でそのアプローチの限界を感じ、
家族療法(システムズアプローチ)の吉川悟先生に師事された

所が、システムズアプローチの場合は、治療者本人もその治療システムの中に
組み込まれているのに、客観的な観察者・専門家というポジションを取り、
治療者の思う方向へ面接をリードして行ったり、専門家としての介入を行う事
の矛盾を感じられた。

そこで高橋先生は脱専門家、脱客観的ポジションを標ぼうするナラティブアプローチ
(特にグーリシャン&アンダーソンのコラボレイティブアプローチ)に傾倒されて
いかれた。

ナラティブアプローチとは、社会構成主義という理論を基にし、簡単に言うと
「客観的な一つの事実や固定された現実等はなく、
その事実をどんな意味づけをされた言葉でどう語るか?によって
パラレルワールドの様な幾重にも重なった別の事実が生み出される。
そしてクライアントは問題や症状の専門家で、クライアントのローカルな
(独自の)言葉や語りの中に主観的な事実が埋め込まれている。
治療者側もその言葉や語りの中に自分独自の主観的な事実を有している。
そうして二人が対話する事によって問題が含まれない”現実”を紡ぎ出してゆく」
という事です。(難しくてすみません(笑))

高橋先生はナラティブアプローチの中で恐らく実践するのが一番難しい
「無知の姿勢」を採るコラボレイティブアプローチをなさっておられたようだ。
(今の僕にはできません(笑))

しかも先生のその徹底した姿勢は「クライアントとの共同事例研究」
による論文を発表なさるという業績にも表れている。

「クライアントが共同研究者として論文の共著者になる」という事は
業界を震撼させたようだ。

でも、彼女の治療者としての自分が信じた道を
譬え周りに理解されなくても貫き通す姿勢は胸を打たれた。

しかも先生はエリクソン催眠や解決志向ブリーフセラピー、臨床動作法等、
様々な他学派の勉強もなさっておられた。

特に(一部”専門家”からは邪道扱いされてる)NLPにも造詣が深かった
のには驚いた。

先生はNLPの有効性をよくご存じだったが、専門家・治療者として
どうしてもOne Up Positionを採らざるを得ないNLPは
ナラティブアプローチとは馴染まず、泣く泣く封印なさった事もあった様だ。

僕は先生の事を語る立場にはまだないと思っているが、大きな勇気を頂いたし
「自分の信じた臨床道」を突き進む強さと、「どこまでもクライアントの語る事実」
を大切になさる姿勢は大いに参考にさせて頂きたいと思う。



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