コラム/2016-02-08
児童虐待と様々な症状
先日の読売新聞に児童虐待による「心の後遺症」の記事が掲載されていました。
記事の中で「あいち小児保険医療総合センター」の「虐待専門外来」の
杉山先生によると受診した1,110名の子供のうち
何と47%に人格が変わったり記憶が欠落する「解離性障害」がみられ、
40%に適切な人間関係が築けない「反応性愛着障害」、
32%に心的外傷後ストレス障害(PTSD)がみられたそうです。
この数字を見て、
改めて子供にとっては「無条件に絶対的に信じている親」からの虐待が
どれだけ心に傷を残してしまうのか?と、大変悲しくなりました。
どの様な症状が出るか?は虐待の状況、家族の状況は勿論、
子供自身の資質の違い、自我の強度や防衛機制の働き方によって異なる
でしょうが、いずれにしても子供の心に大変深い傷を作ってしまう事
には変わりはありません。
うちのルームにも子供時代の虐待やネグレクト等によって
「解離性(同一性)障害」と思しき状態で苦しまれている成人の方、
もしかすると愛着障害から境界性人格障害になったのでは?と思われる方、
幼児期のトラウマが癒えず、未だにPTSD様の状態で苦しんでおられる方、
そこまでの虐待はなかったにしても子供時代に親から受けたモラハラ、過干渉等
で所謂アダルトチルドレンで苦しんでいる方、
等多数お見えになります。
子供時代に受けた心の傷は大人になっても残り続けて本人を苦しめ続ける
事が多いです。
※勿論本人の精神的回復力(レジリエンス)の違いにも左右される
と思いますが・・・。
ですから、どんな理由があれ虐待は許されるものではないと思います。
そして、虐待をしてしまう親自身が「心の傷」を抱えている事が殆ど
だと思いますので、まずそういった親自身がカウンセリングによって
「心の傷」を癒して行く事、そして、子供に「心の傷」を残さない様な
適切な子育てをしてゆく事、が大切だと思います。
※因みに子育て本としては我が師矢野惣一先生の
「子供の人生を一生幸せにする愛の言葉がけ」を個人的には推奨いたします。
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