コラム/2016-02-16
意識の偏り~「主観」と「客観」
「過去のあの出来事を後悔し続けて夜も眠れません。」
「このまま年をとってしまったら私は一体どうなってしまうのか?と
不安でたまりません」
”過去の後悔”や”トラウマとなった出来事”、”将来の不安”に苛まれてしまい、
”今”が生き辛くなっている方は非常に多いと思います。
そんな時は、意識がもう後戻りできない”過去”や
どうなるかもわからない”未来”に囚われてしまっているのだから、
”今・ここ”に意識を傾けなさい、と良く耳にされると思います。
ただ、一瞬は”今・ここ”に意識を集中できたとしても、
すぐに意識は過去や未来にさまよい始めるのではないでしょうか?
それでは、”過去”や”未来”に意識が偏ってしまってる場合は、
いったいどうすればいいのでしょうか?
そのヒントとしては、”過去”、”現在”、”未来”といった時制だけではなく、
「主観(的な体験)」と「客観(的な体験)」のどちらに意識が偏っているのか?
も併せて考える必要があると思います。
その事を例に沿って説明したいと思います。
例1「過去の出来事への後悔」
⇒多くの場合は、”現在の自分”が”過去の自分”を「客観視」して、
批判や裁きを行っている状態と言えるでしょう。
そうなると、”現在の自分”は一方的に”過去の自分”を責め立てるばかりで、
”過去の自分”の声に耳を傾ける事はできません。
もしかしたら、”過去の自分”は「私にはそうするしかないの!
それがベストな方法だと思うの」等といった言い分を持っているかも
知れないのに・・・。
そんな場合は、”過去の自分”の中に入って「主観」で感じてみる、
そして、それを改めて”現在の自分”がその言い分を聞いてあげて
再度評価しなおす、等が有効であったりします。
例2「過去のトラウマとなった出来事」
⇒トラウマとなった出来事により、
”現在の自分”にフラッシュバック等が襲う状態であれば
その過去の出来事がまるで、今・ここで生じている様に感じるでしょう。
つまり、その状態は過去の出来事を”現在の自分”が
今も尚「主観」で体験している、と言えると思います。
ならば、過去の出来事を”現在の自分”が「客観視」できるようになればいい
わけです。
例3「将来の不安」が大きくて不安
⇒この場合は、”現在の自分”が”未来の自分”を「客観視」して、
その不安感や恐怖心だけを持ち帰ってしまい、「主観」で感じている状態
と言えると思います。
ならば、”未来の自分”を主観的に体験し(不安対峙)
”現在の自分”がそれを「客観的」に考える事ができれば、
不安に巻き込まれずに、不安への対策を考える事ができるでしょう。
※同様に、未来のポジティブなイメージ等を強化する為に、
「客観視」だけでなく「主観」で感じるという事も役に立つと思います。
つまり”現在の自分”が過去や未来を客観視する事に偏っている場合
(過去の後悔、未来の不安等は)「主観」で感じる事、
逆に”現在の自分”が過去を主観で感じる事に偏っている場合
(トラウマのフラッシュバック等)は「客観視」する事、
”現在の自分”が今・ここでの不安や恐怖を主観で感じる事に偏って
それらに巻き込まれている場合はそれらを客観視する事、
そうする事で偏りが解消されると思います。
この様な、「主観」と「客観」を切り替える方法は
NLPやマインドフルネス、ゲシュタルト療法、フォーカシング等
色々な手法があります。
もし、ご興味がありましたらお気軽にご連絡下さい。
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