コラム/2016-04-11
カウンセラーの心構え②~何を訊いて行くのか?
カウンセラーとしては、クライアントさんのお悩みを
「受容的、共感的に聴いてゆく」という事が基本になると思います。
では、クライアントさんに自由にお話をして頂いて、
それをただ聴いているだけでいいのでしょうか?
勿論それが基本ですし、学派によってはほぼその枠組みの中で
カウンセリングに当たっている方もいらっしゃいます。
僕の場合は、様々な学派を折衷した「”超”短期療法」を謳ってますので、
クライアントさんに対して、かなり質問してゆきます。
例えば
「今一番困っている問題」
「それによって何が妨げられているのか?」
「その”問題”が起きる時の場面→思考→感情→反応・行動→思考は?」
等と、認知行動療法やスキーマ療法、感情焦点化療法等に必要な質問や、
「カウンセリングを受けてどうなったら良いのか?」
「問題が起こらなかった時はあったか?」
「問題が起きたけれども、ほんの少しでもマシだった時は?」
「それは何が違ったからか?」
「ほんの少しでもゴールに近づいた最初の変化は何から気が付くのか?
または、誰が最初に気が付くのか?」
「その問題がなくなれば、今とどう違っているのか?
今はできないどんな事ができるのか?」
等と、解決志向的な質問や、
「今迄その”問題”を解決する為に、どんな事を行って来たのか?」
「その中で、効果があった事は何で、効果がなかった事は?」
「これだけは絶対にしたくない、という対処策は?」
等とMRI的な質問、
「あなたを襲っている”そいつ”に名前を付けたら何て言う名前か?」
「そんな大変な状況が続いてたのに、まだ”何とかしたい”と思える強さは
何の力か?」
等といったナラティブな質問、等々。
加えて、必要であれば病歴や家族歴、成育歴等もお伺いします。
(※ですから、初めてカウンセリングを受けようか?と思われておられる 人は
「うまく話そう」とか「相談したい内容をちゃんとまとめなきゃ」
等といったプレッシャーを感じる必要はありませんのでご安心下さい)
こう書くと、質問ばかりしている様に感じられるかも知れませんが、
勿論尋問(笑)みたいになってはダメですし、
その底にはクライアントさんに対して常に肯定的な関心を持ち、
共感的に理解しようと心掛け、カウンセラー側の自己一致・自己開示
が必要です。
つまり、ロジャーズ先生が仰っておられた3つの条件を守りつつ、
「何の為に訊くか?」、
「何をどこまで訊くか?」、
「どのタイミングで訊くか?」、
といった事を念頭に置き、クライアントさんの状態を常に観察し、
ラポールを取りながら慎重に進めてゆく必要があると思います。
では、どうやればそれが身に付くのか?
僕は、それは「臨床経験を積み重ねてゆくしかない」と思っています。
という訳で、今は臨床にのみ力を注いでいますので、
このコラムの更新頻度もどんどん落ちるかも知れません。
ご容赦下さい・・・って、結局言い訳になってしまいました(笑)
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