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コラム/2018-03-26

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カウンセラーとクライアントの関わり方~偏りに注意

たまにお客さんから
「カウンセラー(医者)にキレられました」
とか

逆にカウンセラー側は
クライアントさんにキレられたりムッとされる場面もあるでしょう。

僕自身もごくたまにですが、お客さんに対して「ムッ」としたり
お客さんに「ムッ」とされる場合もあります。

勿論(お互いに)声を荒げる事はまずありませんが、
どうしても表情や態度、口調に出てしまう事もあります。

うちの場合は「3回で効果が感じられなければ返金保証します」
と謳っていますが、

先日も2回目の面談が終わった時点で
「次回で効果なければ返金して下さい」と仰った方がいました。

僕は
「え?!!まだ2回でしょ?しかもこちらが出した課題も
 真剣に取り組んでもいないのに・・・」
と頭の中で思って、一瞬「ムッ」としました。

そして僕自身の自我の防衛機制が働いて
「このクライアントさんは、親に迷惑を掛ける事を一番避けようとしている。
だから親からカウンセリング代をもらって通う事に抵抗し親の為にお金を取り返そう
としてるのでは?
しかも、うつの状態から抜け出してしまうと親に甘えられなくなるから
(無意識の)治療抵抗が生じているのでは?」

等と
ブリーフセラピストとしては普通持ち出さない”抵抗”を心の中で取り上げて、
自分を正当化しようとした。(反省!)

だからその方が3回目に来られた時には、僕も「返金覚悟」だったが、
何故か課題を実行なさっていて「どん底」から抜け出しておられました。

その事から学んだ事は
「僕がいかにクライアントさんとの協同作業をしていなかったか?」でした。

カウンセラーとクライアントの関わり方は本来「協同作業」であり、
どちらか一方が教えたり、諭したり、一方的に指示したりするものでは
ありません。

けれど、
どうしても「カウンセラー(医者)」と「クライアント」という枠組み(治療構造)の中では、
「治療者(専門家)」→「患者」という関係に陥ってしまい、
そのバランスが崩れやすい。

だから「協同作業」といったバランスを保つために
最近の心理学では「ワンダウンポジション」とか「ノットノーイング」
といった、カウンセラーがクライアントよりも一歩下がったり、

カウンセラー側は相手の事を何も知らないので、クライアントに教えてもらう
といった姿勢を取る事が基本とされています。

ただ実際はカウンセラーや医者という専門職といった立場でクライアントと接するので
「ワンアップポジション」や「オールノーイング」になってしまいがちです。

だからこそカウンセラーは常に自身の「偏り」に注意し続けないといけない
と思います。(自戒を込めて)

今回の件で僕が気付かせて頂いた事は
「怒りの感情が自分の偏りを知らせてくれる」
という事です。

どういう事かと言いますと、通常相手に対する「怒り」というものは、
自分の欲求を相手が満たしてくれてないと感じたから生じるものが殆ど
だと思います。

例えば、
「私を独りにして飲みに出掛けてる夫に腹が立つ!」
「気持ちをわかってくれない親に腹が立つ!」

医者やカウンセラーで言うと
「折角提案してるのに課題をやってくれない」
クライアント側では
「この先生は私の事をわかってくれてない」
等、
「~して欲しいのにしてくれない」と感じた時に
怒りを使って手に入れようとするのだと思います。

(※義憤にしても「こうであらねばいけないのに、
  相手がそのルールを守ってくれない」から腹が立つ訳です)

こう考えると「怒り」が出る場合と言うのは、
「~してあげてるのに応えてくれない」

「~してもらえて当然なのにしてくれない」
という場合に大別でき
(ま、どちらも欲求が満たされてないという点では同じですが)
いずれにしても協同作業、コラボレイトからはほど遠い偏りが生じている
と考えられます。

つまり、カウンセラー側が怒りを感じた時には
「してあげてるのにしてくれない」といった、
カウンセラー側が「ワンアップポジション」、つまり与える側に偏り過ぎている
という事を教えてくれ、

逆にクライアント側がムッとされた場合は
「してもらいたいのにしてもらえていない」といった、
受け取る側に偏り過ぎているといった事を示唆してくれていると思います。
(いきなりクライアントを傷つけるカウンセラーは論外ですが)

そして、
この様な偏った関係の中で生じて行くのは
「ドロップアウトか依存」だと思います。

そういった意味でも、
クライアントが改善する力は既にクライアントの中に存在している事を信じ、
協同作業を心掛け、自分の感情と相手の感情とそれが示す意味を考えてみる
事が我々対人援助職には役に立つと思います。



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