コラム/2020-11-25
何故、恐怖/不安を避けてはいけないのか?①
「外に出ると”汚染”されてしまう。
”汚染”された服で自分の聖域である部屋を汚したくないので、
外出から帰ると必ず服を洗濯し、念入りにシャワーを浴びます」
といった、「強迫性障害」に襲われている人。
「鳩(セミ)が怖いので、鳩(セミ)がいる場所を避けて通らないとダメです」
といった「恐怖症」に襲われている人。
「電車(バス)に乗ると、過呼吸を起こしたりパニック発作が起きるので、
電車(バス)に乗る事を避け続けています」
といった「広場恐怖症」(パニック障害)の人。
「皆の前で話す時に緊張で頭が真っ白になり、赤面・発汗・声や手の震え
が酷くなるので、そういう場面を避けています」
といった「社交不安障害」(社交不安症)の人。
「外に出ると、近所の人にどう見られるか?が怖くて・・・」
とずっと「引きこもり」を続ける人。
「こんな事言ったら、相手に嫌われるのでは?」
と不安で、自分の意見が言えない人。
「頭が痛いのは”脳梗塞”だ!・・・胃が痛いのは”胃癌に違いない”」
と体の不調を探してしまっては検査を受けまくり、「異常ナシ」と言われても、
次々と重い病気の心配をし続ける「病気不安症」(心気症)の人。
「彼は、私を見捨てようとしてるのでは?」
と不安で不安で、日に何十回もLINEや電話をしてしまう「見捨てられ不安」
が強い人。
・・・
不安や恐怖が強い人は殆どの場合、そうなる状況を避けたり、
安心する為の行動を取る事が多いです。
こういった行動を「回避行動」や「安全行動」と言いますが、
それらの行動を取り続ける限り、不安や恐怖が無くなる事はないでしょう。
と言いますのは、「回避行動」や「安全行動」をとればとるほど、
不安や恐怖は持続してしまうといった、悪循環が確認されているからです。
ですから、
「不安症」や「恐怖症」に苦しんでおられる方へのアプローチとして、
「(認知)行動療法の暴露療法」(「回避行動」や「安全行動」を避けて、
不安や恐怖に少しずつ身を晒してゆく)
や
「森田療法の恐怖突入」(恐怖から逃げずに対峙してゆく)等が有効です。
(※詳しくは、お気軽にお問い合わせ下さい)
それでは次回は、脳科学的な側面からも
不安や恐怖を避けない事の有効性についてお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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