コラム/2020-11-30
どうすれば恐怖/不安を克服できるのか?①
<前回からの続き>
今回からは、
「どうすれば恐怖/不安を克服できるのか?」
について、脳科学的な知見を交えてお書きしてゆきたいと思います。
まず最初にお断りしておくべき事として、
恐怖/不安の克服には、「正しいやり方」を「根気強く」行う必要がある、
という事です。
と言いますのは、
例えば、電車に乗って、何度かパニック発作が起きた
→電車に乗る事を考える度に恐怖が襲ってくる、
→それ以来、電車に乗る事を避けている、
といった場合は、
「電車に乗る事や乗るのを考える事」(感覚刺激)
+
「恐怖を感じて胸がドキドキする」(嫌悪刺激)
→電車に乗る事=恐怖/パニックが起きる、
といった「恐怖学習」による「恐怖記憶」が形成されている訳です。
そして、
「電車」=「怖い」というイメージを繰り返す事で、
脳内の神経細胞の結合や神経伝達物質の伝達が強化されてゆきます。
(これを「長期増強」と言います)
これを覆してゆくためには、
「電車」=「何も起こらない」といった「消去学習」によって、
脳内の神経細胞の結合や神経伝達物質の伝達を弱めて行く作業が必要です。
(これを「長期抑圧」と言います)
ですから、長期的に”増強”された恐怖を抑圧(=減少)させてゆく為にも
時間がかかる訳です。
但し、
脳の神経細胞には「シナプスの可塑性」というものがあって、
時間はかかっても変化させてゆく事が可能である事が証明されていますので、
ご安心下さい。
※恐怖や不安を感じながらの根気強い訓練が必要ですので、
できればカウンセラーとご一緒に進めて行かれる事がベストだと思います。
<次回へ続く>
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