コラム/2021-01-13
気質は認め、変えられる部分を変える③
<前回からの続き>
今回も引き続きAさんの例で
「変えられない部分(=気質・ありのままの自分)」
と
「変えられる部分(=個性・行動・習慣・傾向・趣向)」
とに分けて詳細に分析し、
「変えられる部分をどう変えて行けばいいのか?」
についてお書きしてゆきたいと思います。
母親:(イライラした表情と口調で)「何ボーっとしてるのよ!
早く食べなさいよ!こっちが困るんだから!」
Aさん:(抑えきれず)「私だってね、このところ残業続きでミスも増えて
課長には怒られるし凄いストレス抱えてるのよ!
何でわかってくれないの?!」
<分析と考察>:Aさんは何故そう受け取り、反応したのか?
この部分ではそれまでの流れの延長で、”感度の鋭さ”+”深い処理を行う”
+”共感力の強さ”+”相手の感情から強い影響を受ける”
⇒”刺激過多から神経がたかぶる”(気質です)
+”強い感情反応が生じる”(これも気質です)
⇒(ストレスが強くなり)爆発してしまう。
ここでは唯一、爆発してしまう部分は気質ではなく、
「変えられる部分(=習慣・傾向)」と言えるでしょう。
(何故ならストレスを解消する方向性として、爆発以外の方法も
考えられるからです)
<対策>:どこをどう変えればいいのか?
①自分の気質を理解し、それを相手に伝える
例えば、
「お母さん、私、お母さんの表情を敏感に読み取ってしまうの。
そして、その意味を深く考えてしまうの。
それに、お母さんがイライラしてると私もイライラしちゃって
結果としてお母さんをよりしんどくさせてしまって申し訳ないと思ってる。
だから、これからはお母さんが京香やお祖母ちゃんの事なんかで
イライラしてる時は、私に構わずに部屋に居て!
何か私に伝えたい事があったら、テーブルの上にメモにして
置いといてほしい。
それと、私が「ボーっ」としてる時は、深く考えてる時なので
構わず放っておいて欲しい」等。
→この様にメモのやり取りを多用すれば表情を読む必要もなくなりますが、
ちゃんと自分の気質や要望を伝えておかないと、
文字からでさえ色々な情報を読み取り、
(特にフォルダーの中のファイルがネガティブなもの優勢のままだと)
結局はネガティブな深い処理をしてしまう恐れがあると思います。
②感情の爆発を(抑えるのではなく)先延ばしにする
例えばAさんのこの場面では、母親の前で爆発するのではなく
すぐに自室にこもって、枕を口に当てながら爆発させる、等
そして、最後の部分ですが
Aさん:(あ~またキレてしまった・・・。お母さんが大変なのを
わかっていながら辛く当たってしまって、益々お母さんは
しんどくなるだろうなあ~。いつもこうなってしまう・・・
私って本当にダメな娘だ。消えてしまった方がいいのかなあ・・・)
そしてAさんは何故か涙が止まらなくなり、ご飯に箸も付けられずに
自室のベッドに潜り込んで泣き続けました。
<分析と考察>:Aさんは何故そう受け取り、反応したのか?
これは、「ダメな娘」フォルダーを深く処理し続けている状態です。
深い処理自体は持って生まれた気質ですが、
(何度も申し上げている通り)どのフォルダー(やファイル)を
どの程度深く処理するか?は変えられる部分です。
<対策>:どこをどう変えればいいのか?
①ネガティブになるフォルダーやファイルの深い処理をストップする
→この場合は、「ダメな娘」フォルダーの掘り下げをストップします。
(深呼吸や一旦外に出る、「STOP!」と叫ぶ、音楽を聴く、
YOUTUBEを見る、等)
②意識して深く処理するフォルダーやファイルを変える
→例えば、上のAさんの独言の中に「お母さんのイライラ」フォルダーの中の
「ストレスで疲れ切っる」ファイルを参照してる部分が見受けられます。
ですから、そのファイルを深く掘り下げるのも一つの手段です。
或いは、「自分はダメじゃないかも?」フォルダーを作っておいた人は
そのフォルダーを深く処理してゆくのもいいでしょう。
③「②」で深く処理した”結論”を相手に伝える
→例えば、「お母さん、さっきはごめんね・・・。仕事で疲れてイライラ
してたわ。お母さんも京香やお祖母ちゃんの事で大変だから、イライラ
するよね!私で良ければお母さんの力になってあげたいと思ってる」
等。
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