コラム/2021-06-21
対人恐怖症(社交不安障害・SAD)克服のヒント(概要)
<前回からの続き>
今回からは(私の推論に基づいて)、
対人恐怖症(社交不安障害・SAD)克服のヒント
をお書きしてゆきたいと思います。
前回お書きした様に、
私が思うに「対人恐怖症(=社交不安障害・SAD)」に陥っている方の特徴
として、
①「安心、愛情、繋がり」や「承認、優越感」を求める気持ちが強いが、
不安・恐怖も感じ易い人である
即ち、
「N]「(ノル)アドレナリンシステム」(=恐怖・不安)」
→「S」「セロトニンシステム」(=安心・繋がり・所属と愛の欲求)
または
「N」
→「D」「ドーパミンシステム」(=快の刺激・承認、優越感等の報酬)
のシステムが優位な人
②感覚過敏を持ってる(相手の自分へのネガティブな評価を敏感に感じる)
③こだわりの強さを持っている
=一つの欲求や不安・恐怖とそれの克服にずっと集中
④劣等感を持っている(または作り出している)
⑤ パターンが固定化される
「不安・恐怖」(N)
→「承認・安心という報酬を求める」(D・S)
→その為に不安・恐怖に対して「承認・安心を求める回避行動を採る」
(D・Sを求めてのN)
→「益々不安・恐怖が増強される」
という5つの要素が考えられます。
要約すれば
<安心、愛情、繋がり」や「承認、優越感」を求める気持ちが強い人が
その”報酬”(「D」や「S」)を得る為に、「N」システムを起動させて
「劣等感」にこだわって(或いは作り出して)、
自分(の視線、表情や言動、容姿等)に意識を集中し、
その部分にのみ感覚過敏を集中し続けている。
そのこだわり故、パターンが固定化されてしまっている状態>
であると推測します。
この考え方を基に、その克服のヒントをお書きしてゆきます。
<対人恐怖症(社交不安障害・SAD)克服のヒント(概要)>
①自分(の欲求や不安・恐怖・劣等感等)を客観視する
対人恐怖症の人は(不安障害全般に言える事ですが)
不安や恐怖に呑み込まれてしまっていて、
自分=不安・恐怖、
自分=「劣っている」という状態になっているとも言えるでしょう。
その主観的な見方を変化させる為には客観視する事が有効
だと考えられます。
②「こだわりの強さ」や「感覚過敏」の方向性を変える
「私は劣っている」「私は変だ」「私は誰からも認められない」等
の一つの考え方に拘って、そこにのみ感覚過敏を集中している状態
だと考えられますので、その方向性を変える事が有効だと考えられます。
③システムの固定化されたパターンを変える
「不安・恐怖」(N)→「承認・安心という報酬を求める」(D・S)
→その為に不安・恐怖に対して「承認・安心を求める(回避)行動を採る」
(D・Sを求めてのN)
→「益々不安・恐怖が増強される」(「N」の増強)
といった、固定化されたパターンに対しては、
(1)対人関係以外の違う対象に向けてシステムを起動させる
(2)「N」(不安・恐怖)→「D・S」(欲求)→「N」(回避行動)
→「N」の増幅、というシステムのパターンそのものを変える
といった、2種類の働きかけも有効だと考えられます。
それでは次回からは
「対人恐怖症(社交不安障害・SAD)のヒント(詳細)」
をより詳しくお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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