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コラム/2022-10-28

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強迫行為や自傷(他害)行為は何故生じるのか?

<前回からの続き>

前回と前々回で、
(強迫性障害の)「強迫行為」「自傷・他害行為」について
お書きしましたが、

そういった所謂”問題行動”と呼ばれるものは何故生じるのでしょうか?


今回は、
そのメカニズムを私の推察に基づいてお書きしたいと思います。




<強迫行為や自傷・他害行為が生じるメカニズム>

①感覚過敏を有している


→快・不快の刺激に対しての感覚が鋭敏である事がまず考えられます。

 これは恐らく、
 持って生まれた生来的なもの(器質因)、もしくは幼少期に不快刺激
 (例:大きな声で怒鳴り合う両親、虐待的な環境、トラウマ、いじめ等) 
 を繰り返し受けるに事によるもの(心因・環境因)の2種類が考えられます。
 (※両者が合わさっている場合もあると思います)




②感覚過敏によって心の安定が崩れやすい


→感覚過敏を有する事で特に不快刺激に対して注意が集中すると思われます。

 それ故、自分の容姿や能力、性格面等の気に入らない部分(不快刺激)
 自分にとっての不快刺激となる相手の表情や言動・雰囲気等を
 敏感に感じ取るでしょう。

 それによって益々不快刺激に対して敏感になり、
 更なる注意がそこへ集中する・・・
 といった悪循環が生じるのだと思います。

 そしてその事で心の安定が崩れ「常に不快」「常に不安・怖い」等の状態
 に陥るでしょう。
 
 例えば、
 私はバードウオッチングが好きなのですが、遠くで囀っている野鳥に
 少しでも近づいたりカメラを向けると、その途端に警戒して飛び立たれる
 という事がよくあります。

 小鳥たちは生き残る為に、恐らく進化の過程で音や視覚等にまつわる
 不快刺激に対する感覚を研ぎ澄ましてきたのだと思います。




③防衛反応の働き


→「感覚の過敏さ×不快刺激の強度・頻度」が限界(閾値)を超えると
 「逃げる」「戦う」「凍り付く」等の防衛反応が起動します。

 例えば、
 サバンナに住むシマウマは他のシマウマがなわばりに侵入して来た時、
 不快刺激が限界を超えれば「戦って」追い出そうとするでしょう。

 また、
 ライオンの匂いを嗅いだり、遠くにその姿を見つけたシマウマ・・・。
 ライオンが「そろり、そろり」とこちらに近づいて来るのを見ている
 とします。

 そして、
 シマウマの不快刺激が限界を超えれば、「逃げる」という防衛反応
 が働くでしょう。




④「逃げる」「戦う」反応


→不快刺激がその人の限界を超えた時に防衛反応が働きますが、
 その中でも、「強迫行為」「自傷・他害行為」に繋がるものとして
 「逃げる」「戦う」を取り上げたいと思います。


(1)「逃げる」反応

 物理的・心理的に不快刺激から逃れられない場合は、
 不快刺激から逃れる為に「置き換え」という戦略が採られる事があります。

 例えば、
 自他に対する不快刺激から生じた不快感情を「手が汚れてる」とか
 「汚染された」とか「誰かを傷つけた」等といった対象に置き換えた場合、

 「手を頻繁に洗う」「”聖域”を作り、汚染されない様に細心の注意を払う
 「傷つけていないか?を何度も確認する」等によって、
 不快を自力で軽減し、安心を得られる形に持って行く事ができる訳です。

 同時に「集中する対象」が変わる為に
 本来の不快刺激・感情への集中からも逃れられる
 というメリットがある訳です。


(2)「戦う」反応

 これも物理的・心理的に不快刺激・感情から逃れらない場合は、
 自分の不快刺激・感情に戦いを挑んでそれを「やっつけよう」とする
 でしょう。
 即ち、自傷行為がこれに当たります。

 また、''不快刺激・感情の対象を親等の他者や物に置き換えた''場合は、
 他者や物に当たって、それを「やっつけよう」とするでしょう。
 即ち、他害行為がこれに当たります。

 同時にこれも「集中する対象」が変わる為に本来の不快刺激・感情への集中
 からも逃れられるというメリットがある訳です。

  

  
それでは、
何故「強迫行為」や「自傷・他害行為」を無くそうとしない方が良い
のでしょうか?

私なりに考えるその理由を次回お書きしたいと思います。


<次回へ続く>



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