コラム/2022-12-21
何故他人を支配・コントロールしようとするのか?
<前回からの続き>
前回お書きした例の様に、
親子や兄弟姉妹、夫婦、恋人、友人、上司と部下等の人間関係の中で、
一方が他方を支配・コントロールする関係が出来上がり、
支配されている側が苦しまれているケースは少なくないです。
今回は、
この様な「他人を支配・コントロールする人」(※以下「支配者」とします)
の心理的な要因や特性を推測してゆきたいと思います。
<他人を支配・コントロールしようとする人の心理的要因・特性>
①過度に感受性が強い(感覚過敏)
恐らく、セロトニントランスポーター遺伝子の特性から
(後天的な要因も考えられますが)先天的に”敏感”であると推測されます。
それ故、
不安・混乱を感じ易く、まるで”戦場”の中で生きているかの様に感じ、
他人に対しても「いつ攻撃してくるかも知れない」といった
自分の命を脅かす存在だと認識してしまう事もあるのではないかと思います。
②思い通りにならない相手に恐怖を感じる
当然ながら他人は
「自分の予想通りの反応・言動」をしてくれる訳ではありません。
でもそんな時、過度に感受性が強い人は
自分の思い通りの反応をしなかった相手に混乱し、深く傷つく事でしょう。
例えば、隣の生徒が消しゴムを落としたので拾ってあげた時に
当然笑顔で「有難う」と言ってくれると思っていたのに、
ブスッとしたまま感謝もしてもらえなかったとします。
そういう人にとってそれはまるで、戦場で”仲間だ”と思っていた相手に
裏切られて銃を突きつけられた様な衝撃なのかも知れません。
③不安・不快から逃れる
他人に対して強く恐怖を感じた場合、闘争/逃走といった防衛反応が生じる
でしょう。
この場合、
「闘争」(恐怖をもたらす相手をやっつける/屈服させる)
か
「逃走」(恐怖をもたらす相手から逃げる/関わらない)
という選択肢があります。
(※「服従する」=相手の顔色を見て、相手に合わせる/取り入るという選択肢
もありますが、これは支配される側の力動ですので詳細は省略します)
ここで、
”支配者”になってしまう人は「闘争」を選び、
”他人との関わりを避ける人”は「逃走」を選び。
”支配されてしまう人”は「服従」を選んでいると言えるでしょう。
そして、
3つの選択肢の中で基本的に何を選ぶのか?は
脳のドーパミン受容体の分布密度と関連しているのでは?と私は考えます。
どういう事かと言いますと、その分布密度が生まれつき高い人は
(生育環境によっても変化すると私は考えていますが)少しの快刺激でも
快を感じる、つまり不安・不快から逃れられるのですが、
逆にその分布密度が低い人は相当な快刺激が無いと、
不安・不快から逃れられないのかも知れません。
もしそうだとすれば、以下の事が考えられます。
①ドーパミン受容体の分布密度が高い人
=他人と関わらずに独りでも安心・満足できる(快)ので
''「逃走」を選ぶ''(セロトニン作動性神経系がメインに働いている)
②ドーパミン受容体の分布密度が低い人
=他人を支配し、意のままにコントロールするといった
強い快の刺激が無いと安心・満足できないので、
「闘争」を選び”支配者”になる可能性がある
(ドーパミン作動性神経がメインに働いている)
※「服従」を選び”支配されてしまう人は
過度の感受性の強さ+オキシトシン受容体の分布密度が高い為、
相手に奉仕し、支配されるのでは?と推測しています。
(例えば共依存的な自己犠牲に陥る人等)
とは言っても、”支配者”から”支配されている人”は
どう対処してゆけば良いのでしょうか?
そのヒントを次回お書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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