コラム/2023-01-09
どうすれば症状が必要無くなる方向へ持ってゆけるのか?②
<前回からの続き>
前回お書きした事を参考にして頂いて、
ある程度「今現在の自分にとっての心を安定させる方向性(傾向)」
を仮定できれば、
症状の「代わりになるもの」を見つけてゆきましょう。
今回は、そのヒントをお書きしたいと思います。
<どうすれば症状が必要無くなる方向へ持ってゆけるのか?>
②”症状”の代わりになる「心を安定させるもの」を見つける
前回の記事をご覧になって、
ご自分の心の傾向(どの方向で心を安定させるか?)が仮定できれば、
それと同等の作用・効果を持ち、尚且つ自分(や周囲)がより望む方向性へ
シフトできる”代わりのもの”を見つけましょう。
例1:前述の「B」の
「依存症」
「(嘔吐無しの)過食」
「モラハラ・パワハラ等(他人を支配・コントロールしようとして)キレる」
「(罪悪感を伴わない)盗撮・痴漢・万引き等の触法行為・加害行為」
等は、
不快刺激から来る不安定さを”快刺激”や”興奮”によって心の安定化を
図っているといった推測が正しければ、
「ギャンブルや過食の代わりに自分がしたい趣味を手当たり次第にする」
「モラハラ・パワハラする上司に、嘘でも演技でも良いので
思い切り感謝したり持ち上げて、”快刺激”を与えてあげる」
「盗撮の代わりに”ワクワクドキドキ”する楽しい事、
例えばジェットコースターやロッククライミング、
秘境の撮影旅行等を試してみる」
等々。
例2:前述の「C」の
「自傷行為」
「自殺念慮」
「過食嘔吐(嘔吐の苦しみ⇒すっきり感)」
「拒食症(食べない苦痛⇒痩せる快感)」、
「(罪悪感を伴わなう)盗撮・痴漢・万引き等の触法行為・加害行為」
「ワーカホリック」
等は、
より強い不快刺激(+その後の快感)によって
現実の不快刺激から来る不安定さを抑え込むと考えられますので、
「マラソンや登山、スカイダイビング、自転車での遠乗り、
”滝行”等の修行に挑戦する」
等々。
例3:前述の「D」の
「(支配・コントロールの意図なしに)他人にキレる」
「(ある種の)パニック発作・過呼吸等」
等は、
溜まった不快刺激(による不快感情)を一気に(放電)放出している
のだとすれば、
「カラオケルームで心の中の不快に感じるものを大声で吐き出す」
「サンドバッグやクッションを叩きながら溜まっている感情を
動作と言葉で吐き出す」
「誰かに不安や愚痴を聞いてもらう」
等々。
例4:前述の「E」の
「(わかってくれない)親・配偶者・恋人等にキレる」
「共依存」
等は、
他者からの助け・愛情によって不快刺激による不安定さを安定させる事
が目的だとすれば、
「ペットを飼う」
「SNSでできる限り多くのフォロワーを集める」
「居心地の良いグループを見つける」
等々。
例5:前述の「A」の
ある種の「抑うつ状態」
等が、
不快刺激を遮断する事で心の安定化を図っているとすれば、
「イヤーマフやサングラスを着ける」
「保健室登校やフリースクールも考える」
「仕事内容や部署異動、転職等も考慮してみる」
等々。
※1:勿論「A」~「E」のタイプにはっきりと分かれている訳ではなく
同じ人でも状況によって安定化のさせ方が違ってくるでしょうし、
「A」+「B」等と、複数のシステムが働いている場合もある
と思います。
ですから、一番確実なのは
「過去に同じ様な不安定さに陥った時に、誰とどこで何をしていた時に
一瞬でも安定したか?」
「今現在でも、誰とどこで何をしている時に一瞬でも安定するか?」
の場面をできるだけ沢山集めてゆく事だと思います。
※2:「薬が効かない」という場合
=薬はある特定の神経伝達物質に作用し、その増減・流量を
コントロールして、心の安定化を図るものですが、
例えば表面上は同じ抑うつ状態を示していても、
「A」タイプの場合はセロトニンの流量を増やす抗うつ薬で安定する
と思いますが、
「E」タイプには効果が見られないと思われますし、
「B」「C」タイプに必要な神経伝達物質の働きを抑制する方向へ
作用すると思いますので、逆効果になる場合もあるかも知れません。
(薬が効かない方はお気軽にご相談下さい)
<次回へ続く>
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