コラム/2023-05-12
感覚過敏~何故他人の顔色に振り回されるのか?(2)
<前回からの続き>
今回は前回からの続きで、
私の考える「他人の顔色に振り回されてしまう原因」の④~⑥
をお書きします。
<何故他人の顔色に振り回されるのか?(2)>
④他者に対する防衛
「③」で述べた通りだとすれば(注:感覚過敏による心の不安定を
安定させる方向として「オキシトシンシステム=人との繋がりによる安定」
が優位なタイプの人は)
「他人との関係性」に重きを置く事になるでしょう。
つまり、親しく無い人は、
いつ自分を傷つけて来たり、嫌って来たりするかわからない訳ですから、
傷つけられない様に、嫌われない様に、顔色を見て、
「優しく気遣いのできる人」「従順な人」「面白い人」等を演じている?
みたいになってしまう訳です。
⑤他者の理想化
この「④」の様な努力は、
「私の事を傷つけないで!」「嫌いにならないで!」「好きになって!」
「笑って!」「認めて!」「喜んで!」等といった操作的なもの
だとも言えるでしょう。
ところが
「傷つく事を言うか否か?」「嫌いになるか好きになるか?」
「笑うか笑わないか?」「認めるか否か?」「喜ぶか否か?」等は
相手の自由であって、当然操作できるものではありません。
でも感覚過敏を有し、オキシトシンシステムの比率が大きい人は
相手の反応がその操作が目指す通りのものでは無かった場合、
即ち自分の理想通りの反応で無い場合は、
傷ついたり混乱してしまうでしょう。
※余談ですが、この様なタイプの人は、
親しくなって「安全な相手」だと認識できれば、
好かれたい・愛されたい、認められたい、等といった本来の欲求が強く出る
様になると思います。
ですから、より相手を理想化し、思い通りにならない相手にキレたり、
束縛したり、操作したりする事も起きるかも知れません。
⇒「うちの人は外面は良くても家では・・・」等よく聞く話です
⑥愛着の形成不全
感覚過敏を有する人は、ただでさえ不快刺激に敏感で、
傷つき、落ち込み、不安、混乱等の「心が不安定」になり易い
と言えるでしょう。
ですから尚の事、
「自分の情動を調整する力」を発達させていったり、
「耐性の窓」を拡げてゆく必要があると思います。
ところが何らかの理由によって、愛着形成が不十分であった場合は、
それも難しくなり、心の不安定さや混乱を自ら安定に導く事も難しくなる
と考えられます。
よって
「自らの心の安定を他人の反応に求め続けるが故に他人の顔色を見る事
をやめられず、理想通りの反応が返って来ないと傷つく・・・
それでも他人との理想の関係を諦める事ができずに、
益々対象(他人の顔色)に集中し、感覚がより研ぎ澄まされてゆき、
理想との僅かな差異にも反応し、傷が益々深くなってゆく」
という辛いループにはまってしまうのだと思います。
もしそうだとすれば、
そういったお悩みを抱えた人はどうすれば良いのでしょうか?
次回からは
その辛いループから抜け出すヒントをお書きしてゆきたいと思います。
<次回へ続く>
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