コラム/2023-06-21
何故勝ち負けにこだわり過ぎて苦しむ(める)のか?(3)
<前回からの続き>
今回は
同じ”勝ち負けへの拘りが強い人”でも、
「負けん気が強い頑張り屋さん」や「その道のプロ」になる人
と
「自他を苦しめてしまう人」の違いを私なりの推測でお書きします。
<何故勝ち負けにこだわり過ぎて苦しむ(める)のか?(3)>
⑥オキシトシンシステムの働きが弱い
私の考えでは、
持って生まれて快・不快等の刺激に敏感な人が、
特に不快刺激によって心が不安定になった時に、
安定化させる為の脳の戦略として、
(1).GABA・セロトニンシステム
=抑制/低覚醒/安定系の神経伝達物質が働き、
不快刺激をシャットアウトする事で心を安定させる
(2).ドーパミン・アドレナリンシステム
=興奮/過覚醒/促進系の神経伝達物質(やホルモン)が働き
不快刺激を上回る快刺激を得る事で心を安定させる
(3).オキシトシンシステム
=愛情/愛着に関わる神経伝達物質が働き、
他人との繋がりを促進させて、
他人からの共感や慰め・励ましによって心を安定させる
の主に3つの方向性があると思っています。
そして、その比率は人によって異なると考えています。
例えば、
何かの出来事によって落ち込んだり、不安に襲われる等で
心が不安定になった時に、
Aさんは、
独りになって布団を被って寝ようとするのであれば
「GABA・セロトニンシステム」の比率が高いと言えるでしょうし、
Bさんは、
独りでバイクに乗って出かけて、カラオケで歌いまくるのであれば、
「GABA・セロトニンシステム」と「ドーパミン・アドレナリンシステム」
の2つの比率が高いと言えるでしょう。
Cさんは、
彼氏に電話して逢いに行って、泣きながら話を聴いてもらい
慰めてもらったとすれば、
「オキシトシンシステム」と「GABA・セロトニンシステム」
の比率が高いと言えるでしょう。
Dさんは、
友達を沢山呼んで”どんちゃん騒ぎ”をしたとすれば、
「オキシトシンシステム」と「ドーパミン・アドレナリンシステム」
の比率が高いと言えると思います。
但し、
多くの人はその比率が高いか低いかの違いがあっても、
上の3つの方向性を持っていると思います。
ところが、(持って生まれて?)
「オキシトシンシステム」の働きが極めて弱い人もいらっしゃると感じます。
そういった人にとっては
「心の安定化」の為には他人は必要無い訳ですから、
(支配・コントロール、勝つ、利用する、等の自分にとってのメリット
=快刺激を得られる場合のみ他人を必要ととするでしょうが)
他人の事を思いやったり、他人の為に何かしてあげたり、
という事は難しくなるでしょう。
それどころか、
自分にとっての不都合が生じた場合は「お前のせいだ!」
とか
「あいつのせいだ!」と他人のせいにしてしまう思考回路が形成される
と思います。
ただ、
オキシトシンシステムが少しでも働く人の場合は、
他人にキレてしまったり、迷惑を掛けたと感じた場合は、
後悔や罪悪感に駆られて謝ったり、反省したりする事によって
他人との繋がりを絶たない為のひと踏ん張りが効くのだと思います。
逆に、
オキシトシンシステムが殆ど働かない人は
「相手に勝つ!」「やっつける!」という己の快刺激の為には
相手にDVをしても、ライバルを姑息な手段で引きずりおろしても、
何とも思わないでしょうし、
ギャンブルにのめり込んで借金を重ねて妻子に迷惑を掛けたり、
離婚の危機になったとしてもギャンブルをやめる事ができないでしょう。
つまり、
こういったタイプの人が自他を苦しめる事になる事が多いと思います。
もしそうだとしても
「勝ち負けに拘って自他を苦しめる事から脱したいけど脱せられない」
事で悩んでいる人はどうすれば良いのでしょうか?
次回からは「勝ち負けに拘る事の苦しみから脱する為のヒント」
をお書きしてゆきたいと思います。
<次回へ続く>
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