コラム/2023-06-26
勝ち負けに拘る事の苦しみから脱する為のヒント(2)
<前回からの続き>
<勝ち負けに拘る事の苦しみから脱する為のヒント(2)>
B.興奮/過覚醒を抑え、別の報酬(快刺激)を用意する
前回までにお書きした様に、
”勝ち負けへの拘りが強い人”は
「不快刺激に対しての反応が逃走よりも闘争を選ぶ傾向が強い。
それは不快刺激のシャットアウトではなく、
快刺激で安定化するタイプであるから」
といった、私の考えをお書きしました。
これはつまり、
「不快刺激・嫌悪刺激」に対して、
それを上回る様な「快刺激」を持ってきて相殺しようとする脳の働き
と言えるでしょう。
その為、脳や神経系は常に興奮状態(過覚醒)に置かれ、
休まる暇も無くなると考えられます。
もしそうであるなら、
”負けの悔しさ”という不快刺激を感じた時に、
深呼吸して勝ち負け以外の事に意識を向ける等、
一旦クールダウンする事が役に立つでしょう。
そうして興奮が治まれば、
初めて「勝つ事以外」の快刺激(報酬)へベクトルを向ける事が可能になる
と思います。
例:「あ~、あいつに負けて悔しい!許せない!
今度はどんな汚い手を使ってでも勝ってやる!」
⇒好きなドリンクを1杯飲んで深呼吸してから、
今度は”勝つ為の反省”をしましょう。
「え?!俺のダメだった所?・・・そんなもん無い!
あいつのせいでプライドがぶち壊された!」
⇒(理性の中枢である前頭前野を働かせて共感しなだめてゆく)
「許せないよね!今度は絶対に勝とうね!
その為に今回は足りなかった事で次回に向けて強化できる部分は何がある?
それを書き出してみるのはどう?」(沈静化への誘導)
⇒「書き出すなんて面倒くさい!叩きつぶすのみだ!」
⇒「まあまあ、その”叩きつぶす為の作戦”とまず書いてみるのはどう?」
⇒「・・・だから面倒くさいって!」
⇒「じゃあ、30分で書き上げたら、
お気に入りのバーに飲みに行くのはどう?」(別の報酬)
⇒「・・・あの店か。最近行ってなかったもんな。
じゃあさっさと済ませて出かけるか」
と反省を書き始めれば、鎮静化の成功です。
ここで大切な事は、
辺縁系から湧き上がってくる情動(悔しさや怒り等)を鎮める為には
皮質側の”意識”の力が必要です。
そしてその力を引き出すには、
”意識して考えたり行動する”事が大切です。
(上記の例の場合は、好きなドリンクを飲む、深呼吸する、
辺縁系側に共感しながらなだめようとする、書き出す、提案をする、等)
<次回へ続く>
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