コラム/2023-07-14
インナーチャイルドを癒すには?(1)
<前回からの続き>
前回、
「主に幼い頃に”生き延びる事ができない”、”愛されず孤独になる”
といった危機を感じた時に、その危機を乗り越える為に
様々なチャイルドが形成され、今もその子達が無意識下に存在する。
そして”今”も同様の危機を感じた瞬間に意識を支配し、
危機を乗り越えようとしてくれる」
「だから、”傷ついたチャイルド”だけを癒すのではなく、
一見、”邪魔者だ”と感じる”キレるチャイルド”や
”自信の無いチャイルド”、”強迫チャイルド”、”うつのチャイルド”
”自傷行為のチャイルド”、”過食や依存症のチャイルド”等にも
同じ様に手を差し伸べてあげる必要があると思う」
といった私の考えをお書きしました。
(※特に「複雑性PTSD」「パーソナリティー障害」「解離性障害」等では
複数のチャイルド達の存在によって、今の困り事が起きている
と考えられます)
もしそうだとしても、
それらの「子供達」を癒すにはどうすれば良いのでしょうか?
今回からはそのヒントをお書きしたいと思います。
私は傷ついたり苦しんでいたり疲弊している「インナーチルドレン」
を自身でケアしてあげる為には、以下の手順が必要であると思います。
即ち、
①自分の思考・感情・身体感覚等を俯瞰する力を鍛える
②意識(”親”となるサブパーソナリティー)の力を強化する
③無意識下のチルドレンに等しく共感し愛情を向ける
④無意識(チルドレン)求めている援助を同定し、意識(親)がケアする
その一つ一つについてお書きしてゆきたいと思いますが、
今回はまず、「①」についての詳細をお書きします。
<インナーチルドレンを癒すヒント(1)>
①自分の思考・感情・身体感覚等を俯瞰する力を鍛える
まず、インナーチャイルド達を自分で癒す為には
「癒す側」と「癒される側」の両方が必要になってくる筈です。
そして私は「癒す側」は前頭前野等の意識を司る部分に存在する
「”親”のサブパーソナリティー」(以下”親のSP”とします)で、
「癒される側」」は、扁桃体等の辺縁系の働きによる無意識側に存在する
「”子供”のサブパーソナリティー」(以下”子のSP”とします)である
と考えます。
ここで大切な事は、
無意識側の「子のSP」に意識側の「親のSP」が圧倒されてしまうと、
自分の意志では止められない情動(怒り・不安・恥・落ち込み・パニック
・希死念慮等)に支配されてしまうでしょう。
ですから、
「マインドフルネス」を訓練されたり、
”子のSP”から湧き出して来る思考や感情を意識的に書き出したり、
「今、怒りん坊のナオちゃんが出て来て、”なんでわかってくれないの?!”
って怒っています・・・」
「パニックちゃんが出て来て、胸を苦しくさせたり呼吸を苦しくさせてる
・・・パニックちゃんは苦しんでいるんだよね・・・」
等と逐一実況中継してゆく事も役に立つでしょう。
<次回へ続く>
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