コラム/2023-10-06
回避性パーソナリティ障害の原因
<前回からの続き>
今回は「回避性パーソナリティ障害の特徴」から類推される
「回避性パーソナリティ障害の原因」についてお書きしたいと思います。
<回避性パーソナリティ障害の原因>
①快・不快刺激に敏感である
多くの方は
他人から受容されたり、肯定・尊重される関係性の中での交流は
気持ちが良い(快)筈です。
逆に、
他人からの批判、非難、拒絶は不快な筈です。
ところが、
「回避性パーソナリティ障害」の人は
過度に”不快”に対して防衛的になっているとすれば、
それは(不快)刺激に対する敏感さを有していると言えるでしょう。
そしてこの敏感さは、持って生まれたものか、
もしくは、
幼い頃のトラウマチックな出来事によるものと考えられます。
②(不快)刺激の方向性が「自分が他人から受容されているか否か?」
という事に偏り、そこへの拘りが持続し固着してしまっている
これは恐らく、幼児期の生育環境等の影響によるものと思われます。
例えば、
批判的・非受容的な親や教師、級友等、他者から受容されなかった事
等によるトラウマから、「もう絶対に傷つけられまい」と感じた。
(対人交流の回避等、不快を避ける事への防衛的な拘りに結びつく)
※いずれにしても私は、こういった環境因に加えて、
「快・不快刺激への敏感さをある一定以上有してしないと、
そこまで固着してしまう事は無いのでは?」と考えます
③(不快)刺激に対して常に”回避”という防衛パターンが使用される
それは恐らく今迄の経験上、(恐怖に)立ち向かう事でより傷つけられた、
或いは、
回避する事での成功体験を重ね、回避に纏わる神経回路が増強された
と考えられるでしょう。
例:「恐怖心を克服しようと一念発起して、
初めての場で思い切って発言したのに”シラ~”とした雰囲気になって
心臓をえぐられる様に感じた。
それからはもう二度と目立たない様にしようと決めた」等。
※その結果として、他人と交流できなくなった自分に対して
ネガティブな自己像が生まれたと考えられます
(つまり、「自信が無いから対人交流できない」のではなく
「対人交流できないから自信を失って行った」と想像されます)
もしそうだとすれば、
回避性パーソナリティ障害の寛解を目指すには
どういった治療(カウンセリング)が必要なのでしょうか?
そのヒントを次回お書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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