コラム/2023-11-08
仕事が続かない人へ③⁻(1)その解決策
<前回からの続き>
今回は、
前回お書きした様な、
完璧主義が過ぎて仕事が続かない方に向けて
私が考えるその解決策をお書きしたいと思います。
<③性格傾向(1)完璧主義によって仕事が続かない人の解決策>
(1)意識(自我)と無意識(自己)を区別する
「完璧主義な自分が苦しい」
「もう少し楽な気持ちで仕事できる様になりたい」
等と思っているのは「意識側」(自我)で、
「完璧にしなきゃいけない!」
「ミスしちゃいけない!」
等と頑張っているのは「無意識側」(自己)と考えます。
そして、
それらの自我と自己が入り乱れて混じり合ってしまっている為に、
「わかっている(意識)けど、やめられない(無意識)」
といった葛藤状態に陥る訳です。
だとすれば、
まず意識(自我)と無意識(自己)を区別して、
意識側から俯瞰で見る事が必要だと思います。
その為には、
例えば「幼い頃に生まれた自分自身の子供達が無意識の中に居る」
と想像し、
「完璧ちゃん」等と名前を付けてみましょう。
(名づける事でアイデンティティーを付与し、区別する事ができます)
(2)無意識の中のその子に興味を持ち、役割を理解する
”その子”達は、その時には必要があって生まれた筈です。
その考えを基にして、
「何故生まれたのか?」
「どういう役割を担ってくれていたのか?」
等と過去に思いを馳せてみましょう。
例:「小学生の時から、学校のテストで100点じゃなければ、
お母さんに怖い顔で、”なんでここを間違ったの?!”と
きつい口調で叱られた・・・。
その時の私はお母さんから叱られるのが怖くて
勉強を頑張っていた・・・。
そして100点取った時のお母さんの安堵した表情に
私もホッとした覚えがある。
”完璧ちゃん”はきっと、お母さんに叱られない様に、
そして安心させて私もホッとできる様に頑張ってくれてたんだわ。」
等。
(3)”その子”に謝罪や感謝を伝える
無意識の中の”子”を(意識側が)否定すると、益々葛藤が酷くなるでしょう。
ですから、
上の「(2)」によって、”その子”が果たして来てくれた役割
を理解できたなら、
(自然と湧き上がって来た人は)”その子”に謝罪や感謝を伝えてみましょう。
例:「あなたは私が嫌な思いをしない様に、安心できる様に
ずっと守ってくれていたんだね・・・
なのにあなたを嫌ってごめんね。
そして今迄一生懸命頑張ってくれて有難う」
等。
(4)”その子”に「今、ここ」を認識させる
トラウマによって生まれた”子供達”は
その時の時間と空間に閉じ込められたまま無意識の中に存在し続ける
と考えられています。
例えば上記の例では、
”その子”は小学生で、家の中に居て、
怖い相手(=愛して欲しい相手)はお母さんです。
そして、
”その子”にとっては、母親から愛されなくなる=居場所が無くなり、
世話してもらえなくなる=生きてゆけなくなる、
といった感覚を持っている為、
完璧にできるか否か?は死活問題になっている訳です。
ですから、
例えば会社の厳しい上司に間違えを指摘されたら、
途端に”完璧ちゃん”が出て来て、
しかも”その子”は”今、ここ”を知らない訳ですから、
上司の事をお母さんだと思い込んで(転移と言います)、
”完璧にしなきゃここで生きてゆけない!”と感じてしまうでしょう。
だとすれば、
例えば”完璧ちゃん”が出て来た!と意識出来た時に、
「よく見てごらん、この人(上司)はお母さんじゃないよ。
だからこの人に嫌われても大丈夫だよ」
「ここはお家じゃなくて会社なんだよ。
だから、ここからいなくなっても、
あなたを受け容れてくれる別の場所があるんだよ」
「私の事が見える?私はもう26歳になったんだよ!
だから、お母さんにもこの人にも世話をしてもらわなくても
自分の力で生きてゆけるんだよ。
だからそこまで完璧にしなくても大丈夫だよ。
完璧じゃなくいあなたもミスしちゃうあなたも、
私はあなたを認めてあげる。ずっと守ってあげるからね!」
等と、
何度も伝えてゆく事が役に立つと思います。
(5)恐怖と向き合う(回避しない)
上記の「(1)」~「(4)」で”完璧ちゃん”の気持ちが少し楽になれば、
少しずつ恐怖に向き合って慣れてゆきましょう。
例:
・社内文章等、そこまで完璧を求められない仕事の二重チェックを
1回で我慢する
・例えば、今日の仕事は6時までに終わらせる、
とか
今週は仕事は絶対に家へ持ち帰らない、
等といったルールを決めて、
自分で決めたルールを”完璧に”守る様にする、
等々。
但し
”完璧ちゃん”が出て来るでしょうから、
その時には、上記「(4)」の方法で安心させてあげましょう。
次回からは、
「恥の意識」(自己否定)が強すぎて仕事が続かない方に向けて、
その原因と対策をお書きしてゆきたいと思います。
<次回へ続く>
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