コラム/2024-02-23
恋愛/結婚がうまくいかない④強度の不安(1)
<前回からの続き>
今回は、
愛着やトラウマの問題は見受けられないにも関わらず、
「強度の不安」によって恋愛/結婚がうまくいかない方
に向けてお書きしたいと思います。
<強度の不安>
例:
「B子さんは幼い頃は甘えたさんで、両親の愛情を受けて育ち、
これと言ったトラウマになる様な出来事もなく、すくすくと育ちました。
ただ、幼い頃から不安が強く、
”忘れ物をしたらどうしよう?”と何度もカバンの中を見直したり、
”運動会の駆けっこで、ビリになったらどうしよう?”
とか
”定期テストで、点数が取れなかったらどうしよう?”等と考えると、
夜もまともに眠れない事も多かった様です。
やがて、
成人した彼女は”彼氏が欲しいな””子供が好きだから結婚もしたいな”
と思いつつも、
”もし、付き合った人がDV男だったら・・・”
とか
”結婚して子ができて幸せを感じている時に地震や事故で愛する人を
失ったら、立ち直れない!”等と言った想像をしてしまうので、
どうしても恋愛に積極的になれませんでした。
そんな中でも、B子さんに好意を持ってくれる男性が現れて
お付き合いする事になりました。
その彼は優しい人で、順調に愛を育んでいました。
ところがそんな或る日、些細な事から喧嘩になってしまい、
イライラした彼の、今迄見せた事のない様な冷たい目ときつい口調
を感じた彼女は、
”あ~・・・この人はきっとDVやモラハラをする人なんじゃないかな?”
と不安が募ってきました。
そして、
彼女は自分でも気づかないうちに次第によそよそしくなり、
二人の関係は破綻しました」
<解説>
上のB子さんの例の様に、
(恐らく先天的・遺伝的に)不安を強く感じるタイプの人は
たとえ愛着やトラウマの問題が無かったとしても
恋愛・結婚・出産・受験・就職等の、自分の選択次第で幸不幸が
大きく左右される様なライフイベントに際して、
より不安が強まると考えられます。
これは心理学的に言いますと「ネガティビティバイアス」と言って、
「誰しもポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に注意を向けやすく、
記憶にも残りやすい」といった傾向を持っているからです。
これは生物が生き延びる為には、
ネガティブな状況(捕食者の脅威や食糧の枯渇等)がクリアされない限りは、
楽しさや幸せ等の”快”を感じる事などできない訳ですから、
当然の事と思います。
ところが、
生まれつき不安への感受性が強い人にとっては、
特に人生の重大な局面では、
不安になる要素に常にベクトルを向け続けてしまい、
ちょっとでもその兆候を感じたら、それを回避しようとするでしょう。
それでは、
このB子さんの様に、強い不安を感じ易いが為に、
恋愛や結婚がうまく行かない人はどうすれば良いのでしょうか?
次回は
その解決のヒントをお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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