コラム/2024-04-17
気休めと遊びで愛着障害から脱する(1)
<前回からの続き>
前々回お書きした様に、
「安定型の愛着スタイルの形成」には、
「親が安全・安心の基地、即ち
親が気休め・気晴らし・気を紛らわせてくれる存在として機能している」
事が必須であると考えられます。
ところが、
幼い頃に「安定型の愛着スタイルの形成」が成されなかった為に、
所謂”愛着障害”となり、
成人してからも苦しんでおられる方もいらっしゃいます。
ただ、
いくつになっても愛着の再形成は可能であるとも考えられます。
何故そう言えるのか?と申しますと、
愛着スタイルが親元を離れ大人になってからも人生に影響を及ぼすのは、
”今・現在”も「内的作業モデル」が働いているからだと考えられています。
そしてそれは、
幼い頃の親とのやり取りによる手続き記憶を基に、
脳の神経回路が構築されたからだとも考えられています。
加えて、
脳の神経回路は新しく作ったり、修正可能であると考えられています。
だとすれば、
脳の神経回路を安定型の愛着スタイルを基にした「モデル」に
作り替える事が可能だと言う事です。
その為にはまず、
「気休め/気晴らしによる愛着の再形成」が必要だと考えております。
<気休め/気晴らしによる愛着の再形成>
※具体的な方法は以前「愛着の再形成」でお書きしましたので、
割愛しますが、ポイントは以下の通りです
①意識(大脳皮質※主に前頭前野)と無意識(大脳辺縁系)を分ける
②意識側を「理想の親」として無意識側を「幼い子供の自分」とする
③無意識から湧き上がってくる不安や落ち込み等を意識側が俯瞰し、
巻き込まれない様にする
④「その子」の訴えを聞き、
理想の親なら何と言ってあげて、或いは何をしてあげて
気持ちを楽にさせてあげるか?(気休め/気晴らし)を考える
⑤「理想の親」として、
「幼い子供の自分」に、「気休め」「気晴らし」を与え続ける
例:「そっか・・・〇〇になるのが怖いんだね。
でも、そうなった時はママが何とかするから大丈夫だよ」
とか
「そっか、〇〇で落ち込んでるんだね・・・
一緒にお散歩に行ってアイスクリームでも食べない?」
等々。
⑥その「意識側」と「無意識側」のやり取りを常に意識して続けてゆく
※脳の神経回路を作ったり、修正するには「繰り返す事」が必要です
繰り返す事によってその回路は強化され定着しますが、それを怠ると
(不要な回路とみなされて)回路の”刈り込み”が行われるでしょう
次回は、
「暇潰し/遊びによる探索行動(成長/自己実現)の強化」
をお書きしたいと思います。
<次回へ続く>
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