コラム/2013-02-07
家族(夫,妻,子,親)がうつ病になった時の接し方/対応は?
うつ病とは、ある意味では「エネルギー不足」の状態です。
仕事や学校に行けなかったり、家事ができなかったり、外出が出来なかったり
それどころか、遊びにも行けず何をするのもおっくう(たとえ趣味でも)に
なっちゃいます。
周りから見れば「怠けてる」、「気持ちが弱いからだ」等”その人の問題”
だと見ちゃう人もいます。
でも”うつ”と診断されてうちに相談に来られるお客様の殆どが「怠ける事が
できない頑張り屋」で「自分に厳しい精神的に強い人」ばかりです。
ただ、それが人並み以上に強いだけの場合が多いです。
僕の様に、ある意味いい加減な人間にとっては「そこまで頑張らなくても、
手を抜いたり人に頼ればいいのに」とか「そこまで自分を追い詰めなくても・・・」
と思う様な事でも、自分に甘くしたり人に頼る事・迷惑を掛ける事を極端に嫌う
人が多いです。
本当に凄い人達が多く、自分に甘い僕はいつも尊敬の念を抱きます。
では「そんな凄い人達が何故エネルギー不足になるのか?」ですが、
原因を追究して行けば様々だと思いますが、(例えば、子供時代の親との関係で
「~しなければいけない」「~してはいけない」という信念ができちゃって
「~しなきゃいけないのにできない自分」という局面が出て来た時に、
信念との”板挟み”で消耗してしまう。
或いは、昔のトラウマ=心の傷を抱えたまま、悲しみや怒り等の感情を抑え
続けて疲れ切っちゃったとか・・・。)
要するに「心の疲労状態」ですね。
(でもその考え方で何十年もやって来たんですから、気合や根性や教え諭して
変わるようなものではありません。
「変えたくても変えられない」だから辛いし、そんな自分を責めてしまう
のです。その事を家族の人がまず理解してあげて下さい。)
だからまず休養が必要ですので、ご家族の人は決して無理に「また会社休んで
るの!? 何やってるの!? 家のローンや子供の養育費をどうするの!?」
等と責めちゃうとまずいです。
→ただでさえ責任感が強く自分を責めてる所へあなたまで責める側に廻っちゃうと
益々行き詰っちゃって最悪の結果に繋がる可能性も出て来ます。
→もし、あなたにそれが当てはまるのなら「しんどいのなら無理して仕事しなくて
もいいわよ。休職してもいいわよ。私も頑張るし、何とかなるから」
と言ってあげましょう。
但し若者に増えてるいわゆる新型うつや若い女性に多い一部の非定型うつ
の場合は、若干異なります。
→例えば職場や学校では、それこそ「うつ状態」に陥るけど、友達との遊びや
趣味では元気になる。
こういった場合の家族の対応(例えば子供がそうなったとしたら)として
(うつ病と同様に)「頑張れ」と言わず、あなたが子供に「無理して学校に
行かなくてもいいわよ」と言い続けて、子供の事を常に心配して手取り足取り
世話を焼き続ける・・。
それでも子供が改善しないのであれば「心配して世話を焼く」代わりに
「子供の回復する力を信じて祈る事」が役立つかも知れません。
→例えば「お母さんは少し頑張って学校に行って欲しいの。あなたにはその
力があると信じてるわ。私の助けが必要な時だけ言って頂戴ね!」と伝え、
後は子供を信じて余計な手助けをせず、ひたすら子供を信じてあげてみませんか?
こういったケースで多いのは、お母さん自身がエネルギーが無くなって疲弊
される事です。
うちにも、子供のうつや不登校で相談に来られたお母さん自身が「うつ」
っぽくなられてるケースが結構あります。
もしあなたがそれに当てはまるのなら、決してお母さんのせいじゃないです
ので、どうか自分を責めずに子供を信じてあげて
「今迄子供にかかずらわっていてできなかった、どんな楽しい事をしようか?」
と考えて実行してみて下さい。
そうすれば、あなた自身のエネルギーが回復し”共倒れ”が避けられる
可能性が高くなるでしょう。
まあ、いずれにしても「うまく行かないパターンは止めて、別のパターン
をやってみる」事が原則ですから「責め続けてダメ」なら「責めるのを止めて
理解しようとし、励ます」事。
「心配して世話を焼き続けてダメ」なら「それを止めて、心では信じて表面は
鬼になる」というパターンを変える事が役に立つと思います。
それでも、パターンが変わらなければご相談下さい。
コメント