コラム/2013-05-16
誰がカウンセリングを受けるのか?~家族や恋人の問題で困ってる人へ
◆「彼女が”死にたい”と言ってます。どうしたらいいですか?」
◆「子供が不登校・引きこもりで困ってます」
◆「彼氏がすぐにキレて困ってます。何かの病気でしょうか?」
ご自分の周りの家族や恋人の問題行動や症状に困り果ててご連絡下さる人も
多いです。
この様な場合「(問題や症状を起こしてる)本人を説得してカウンセリングを
受けさせて治したい」と思われる人が多いです。
ただ、説得しても本人が「自分には問題は無い」と拒むケースもあるでしょうし
仮に無理やりカウンセリングを受けさせても本人が「何とかしたい」という
気持ちが薄ければ、解決は困難になると思います。
こういったケースで大切な事は「誰が困ってるか?」です。
困ってる人の援助を差し上げるのがカウンセリングですので、本人自身が
「何とかしたい」という気持ちが薄い場合はそこまでは困ってないので、
より困ってる周囲の人がカウンセリングを受けられた方が良いと思います。
でもこんな事を言うと、
「いやいや、私は問題は無くて、うちの子が問題です」とか
「僕じゃなくて、彼女が大変なんです」等と、仰る人もいるでしょう。
或いは「私だけがカウンセリングを受けても、どうせ気休めや心構え位しか
言って貰えないんじゃないの?」と二の足を踏む人もいるでしょう。
確かにそうかも知れません。
ただ、例えば家族療法の考え方では
「個人の中に問題があるのでは無くて人間関係の相互作用の中で
問題や症状が維持されている」と考えます。
わかり易い例で言うと、例えばアルコール依存症の夫がいるとします。
昔は「アルコール依存になってるのは、本人の中に問題があるので、本人を
治療しなくちゃいけない」という考え方が主流でしたが、今は「主人のアルコール
依存は共依存者である奥さんも無意識に手を貸してる為に症状や問題が維持されて
しまってる場合もある」という考え方も普及しています。(依存ー共依存の関係等)
つまり、周囲の困ってる人は、問題や症状を持ってる(とされる)当の本人とは
必ず密接な人間関係がある訳ですから、その関係性の中に問題が維持されている
と考える訳です。
つまり、誰か個人の中に問題があるとは考えない訳です=誰も悪くない。
もし、そうだとすれば人間関係の只中にいる人であれば、問題が維持されてる
関係性のパターンを誰でも変える事が可能だと言う事です。
ですから、当の本人が必ずしもカウンセリングを受ける必要はありませんし
問題を維持してるパターンさえ掴めれば、パターンを崩す事で問題もなくなって
行きます。
そして、そういった場合の心理療法家の援助としては、
①どういった家族(恋人)間の関係性のパターンの中で問題や症状が維持
されてるかを掴み、(予測を立て)
②そのパターンを崩す目的での介入(具体的なアドバイス)を行ってゆく
という事になります。
ですから”問題がある”当のご本人抜きでも、どんどん(笑)ご相談下さい。
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