コラム/2013-07-17
不登校のお子さんは決して問題児ではありません
「不登校」というと学校の先生やカウンセラー、周囲の人達は「親の育て方が悪い」
等と親のせいにしたり、或いは「子供が甘えてるだけ」、「我がまま」とか
「精神的に弱い子供」等のレッテルを貼って子供を問題視するケースが多いと
思います。
その為に、どれだけ沢山の親や子供達が苦しんでいる事か・・・。
勿論、所謂不登校の生徒達の中には「サボり」や「現実逃避」の子もいるでしょう。
ただ僕の知ってる範囲では「精神的に凄く強い子」「とても親思いの子」が多い
という印象です。
以下、架空の物語です。 ー
A子は、小学校の時に成績がクラスで一番でした。そして中学受験に成功し、
某有名私学中学に入学しました。彼女は一生懸命勉強しましたが、
周りは全国から集まった秀才ばかり・・・。いくら頑張って勉強しても
成績は、いつも下位でした。
彼女の小さなプライドは打ち砕かれ、授業やテストは大変な苦痛でした。
でも、親思いの優しい彼女は「折角ママもパパも期待してくれてるし、
合格をあんなに喜んでくれてた。ここで挫けちゃ、今迄の塾代や入学金・
学費など、ママ達に凄く迷惑を掛けちゃう。だから辛くても我慢しなきゃ。
ママやパパに絶対に心配を掛けないようにしなくちゃ!」とけなげにも
頑張り続けます。
でも、とうとう限界が来ました。「学校に行こう」と思っても、身体が
言う事を聞きません。
親は心配します「何故行けないの?イジメにでも遭ったの? 黙ってないで
行けない理由を言って頂戴・・・。折角入った学校なんだから、頑張りなさい!」
勿論A子は本当の理由なんて言えないでしょう。何故なら親をがっかりさせたり
余計な心配を掛けちゃうと思うからです。
こうして、何も知らない親は「何故行けないのかしら?私達が甘やかしたから
我儘に育ったのかしら・・・。とか、何があったか知らないけどもっと精神的に
強くなって貰わなきゃ」なんて、自分を責めたり子供を責めたりしてしまいます。
そんな親の様子を見て、A子は増々「私のせいでママ達が苦しんでる」
と自分を増々責めて、増々身体が動かなくなりました・・・。 ー
これは勿論架空の話ですが、この場合はA子は決して甘えや我がままではなく
逆に親思いのとても優しい子ですし「精神的に弱い子」ではなく、身体が
言う事を聞かなくなるまで我慢して、おまけに「親に迷惑を掛けまい」と、
決して本当の理由を頑として言わない、とても「精神的に強い子」だと思います。
また親の方も、それだけ「優しく、強い子」に育てあげた訳ですから
子育てが間違ってるはずがないでしょう。
言ってみれば「親が子を思う気持ち」と「子が親を思う気持ち」が
少しだけずれちゃっただけなんです。
そうした時の親の対処としては、例えば「うちの子もA子と似た所があるかも」
と思えて、学校へ行けない理由がわからない(子供が理由を聞いても言わない、
理由が嘘っぽい等)時は、もしかしたら「親に迷惑を掛けちゃいけない」
「心配かけちゃいけない」という気持ちから隠しているのかも知れません。
もしそう感じるのであれば、その気持ちを尊重して理由はそれ以上突っ込んで
聞かずに、どういう対応をしたらいいか?を考えてみる事ができるでしょう。
例えば「あなたは、〇〇中学に通っていようが、いまいが、学校に行けようが
行けまいが、勉強できてもできなくても、大切な子よ!」と伝えるとか・・・。
要するに我が子が「学校に行けない理由を隠してる」と感じたのなら、
「私達親に対する、どんな思いやり・気遣いからなんだろう?」と推測してみて
もしその推測が当たってるとすれば、「私たちの子供への対応をどう変えたら
いいだろうか?」と考えてみてそれを実行してみる、という事も役に立つかも
知れません。
その他にも「冷え切った夫婦関係を回復させよう」という思いから、
無意識的に不登校等の所謂”問題行動”と呼ばれるものを起こす子もいます。
→ そういう子供達は「父母が一致団結して、自分の問題に取り組んでくれて
それをきっかけに仲良くなって欲しい」、という気持ちを心の奥に秘めた
とても親思いの子です。
いずれにしても、子供は親が思うより優しくいい子で驚くほど大人で、
親をしっかり見ていて気遣いのできる子達が多いというのが実感です。
ただもし対応法が難しかったり、「うちの場合は少し違うかも?」と
思われた場合はお気軽にご相談下さい。
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