コラム/2014-02-17
夫や子供、部下の話を聴く技術②相手の気持ち、目的の理解
<例題②相手の気持ち、目的を理解しようとする>
母親Bさんは、いつも息子が嘘をついて勉強をサボるので困っている
ー
(※息子は自室でゲームに夢中)
母「今日の勉強終わったの?」
息子「うるさいなあ。終わったよ」
母「嘘おっしゃい!ノート見せなさい!」
息子(ゲームから目を離さず無視)
母「どうしてあんたはいっつも嘘ばかりつくの?!」
息子「うるさいなあ、出て行けよ!」
母「まあ、親に何て口のきき方するのよ!勉強もせず嘘ばかりついてると、
あんた自身が将来苦労するのよ!何でお母さんの気持ちがわからないの?!」
ー
何か、自分の子供時代を思い出して気恥ずかしさがありますが(笑)
このままだと母子どちらもストレスが溜まる一方ですよね。
何故そうなるのか?と言いますと、この母子の会話には「相手を理解しようとする事」
が欠けているからだと思います。
人は相手に自分の気持ちを理解して欲しくて言葉で伝えようとします。
「自分の気持ちをわかって欲しい」、 「どうしたい、どうしてほしい、
どうなりたい、という事を伝えたい」等々。
(※我が師匠の矢野先生は、相手の「feel」「do」「be」を常に理解しようとしながら
話を聴きなさい、と仰っておられました)
コミュニケーションがうまく行くコツは「相手がどんな気持ちをわかって欲しい
んだろう?」、「この話をされる事でどうしたいのか?どうしてほしいのか?
どうなりたいのか?」という事を頭のスミに置きながら、相手の話を聴く事です。
(※勿論相手を完全には理解する事は不可能ですが、その努力をする事が大切
だと思いますし、努力してる事が相手にも伝わるから、よりコミュニケーション
がうまく行く様になると思います。
ただ、「理解しよう」と思って聴いていても、中々うまく行かないのであれば
相手に聞いてみるのも一つの手段です。
⇒例えば、先程のBさん母子がカウンセリングに来られたとしたら
カウンセラー「今日の勉強は終わったの?」とお母さんが聞かれるのは、
どんな気持ちからですか?」
母「それは、勉強をして欲しいからです」
カウンセラー「お子さんが勉強しないとお母さんはどんな気持ちになりますか?」
母「そりゃあ、辛いですよ」
カウンセラー「辛いというのは?」
母「この子が学歴がない為に、主人の様に苦労するのは可哀想ですから」
カウンセラー「苦労させたくない、というお気持ちは息子さんに対するお母さんの
どんな気持ちからですか?」
母「息子を本当に大切に思っているからです」
カウンセラー「〇〇君。お母さんの今の言葉を聞いて、どう感じた?」
息子「・・・・」
カウンセラー「君が嘘をつくのはどんな気持ちからかな?」
息子「そうしないと、またしつこく怒られるから・・・」
カウンセラー「しつこく怒られるとどんな気持ちになる?」
息子「どうせ僕は兄ちゃんに比べてバカだし・・・」
カウンセラー「そう思ったらどんな気持ちになる?」
息子「悲しいっていうか、この家では僕なんかどうでもいい子なんだと」
カウンセラー「お母さん。〇〇君はどうでもいい子なんでしょうか?」
母「ま、まさか・・・。私にとっては大事な子です」
カウンセラー「じゃあ、〇〇君はお母さんにどんな風に言ってもらったら、
どうでもいい子だなんて勘違いせずに済むかのかな?」・・・。
カウンセラー「お母さんの方は、”本当に大切に思ってるよ”という事を伝える為には、
どういう言い方をしたらいいと思いますか?」
ー
これはあくまで架空の例ですが、相手の気持ちを聞く為の質問や
相手が何を伝えたいのか?の目的を知る為の質問は、ご家庭でも職場でも役に立つ
と思います。
(※ただし、しつこく詰問調にならない様にお気を付け下さい(笑))
それでは次回は子供の不登校を巡って夫婦の間で「お先真っ暗」のコミュニケーション
が続いてる例題を基に③聴く時の思考の枠を変える=リフレーム、によって
ネガティブな会話をポジティブに変えるという事についてお書きしたいと思います。
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