コラム/2014-04-09
許すという事~「許せない気持ち」から抜け出せない人へ
「私を裏切ったあの人を許せない!」
誰でも酷い事を言われたり、されたりしたら「許せない!」という思考
→ 怒りや憎しみの感情が湧いて来ると思います。
僕は基本的には「許せない人を無理に許す必要はない」と思います。
でもいつまで経っても怒りや憎しみが消えず、そのうちに心身共に疲れてしまい
挙句の果てに「相手を許せない自分が許せない」なんて事になっちゃうと
「怒り・憎しみ」の泥沼に完全にはまってしまうでしょう。
ここでまず注意しなといけない事は「怒りや憎しみを感じるのは
ごくごく普通の反応なので、それを無理に抑えない事」だと思います。
(怒りや憎しみを「感じちゃだめだ、出しちゃだめだ」と我慢して
しんどくなっておられる人のなんと多い事か・・・)
でも逆に、怒りや憎しみをず~っと持ち続けたらそれはそれで大変苦しい事
だと思います。
もしあなたが相手に対する怒りや憎しみをずっと持ち続けて
「許せない」気持ちで苦しいのであれば、それは「(傷ついた)自分の事を
放ったらかしにし、相手の事にのみ集中しているから」なのかも知れません。
人間は「自分と相手」等といった、2つの事に同時に集中する事は難しいです。
ですから、あなたが「憎い相手」の事ばかりに集中していると、
「傷ついた自分」は顧みられなくなり、傷ついたままで
”置き去り”にされてしまうでしょう。
そうなると、
「”今”、傷ついてる自分」=「”今あるこの”傷を作った相手」というのが
いつまでも「今、ここ」に留まり続けて怒りや憎しみが持続してしまい
ずっと「許せない」という状態が続いてしまう訳です。
逆に自分の心の傷が癒え、過去のものになった時には「昔、傷ついたよなあ。
あの人の言動で。でも今となれば過去の思い出の一つだよなあ」と思える様になれば
怒りや憎しみが薄れ、「許せない」気持ちも小さくなっていくでしょう。
それでは、どうすれば「許せない」気持ちを手放す事ができるのでしょうか?
ー
まず「怒りや憎しみ等の”許せない気持ち”を持つ事を自分に許す事」
から始める事が大切だと思います。
→ その為には、あなたのその気持ちに共感してくれる人に話してみたり
もし誰にも話せないのであれば、あなたが大好きな人があなたと同じ目に
遭わされたと考えてみるのも役に立つでしょう。
ー そんな酷い事をされて傷ついてる大好きな人にあなたは
「怒っちゃダメ!憎んじゃダメ!許せないあなたが間違ってる!」と言う
でしょうか?
次に相手への怒りや憎しみを吐き出す事が役に立つでしょう。
→ 勿論、相手に直接ぶつける事が一番手っ取り早いのですが、それが無理な場合は
相手のイメージに対して声に出して怒りを吐き出すか、怒りを紙に書き出した後に
ビリビリに破る、クッションに相手の写真や身に付けてたもの等を貼りつけて
ボコボコにする、等の方法がいいでしょう。
そして許せない事をした時の相手の顔・身体、声をイメージして、
あなたが持ってる日記やアルバムを想像して、その中へ整理するイメージ
をするのもいいでしょう。
(※過去の”手を放したら”自然と過去のある時点におさまるはずです。
=「過去を手放す事」)
最後に、自分の心の中の傷ついた部分に触れて行きましょう。
→ 目を瞑ってあなたに子供がいてもいなくても友達に酷い事をされて
傷ついてしまったあなたの子供を癒してあげる”親”になったと想像して下さい。
そして自分の中の傷ついた部分を我が子だと思ったら、心の中のあなたは
どんな表情をしてると思いますか?
そして、傷ついた部分に「傷ついたね。腹が立ったね。あなたが悪いんじゃない
からね。あいつがあなたの気持ちをわかる能力がなかっただけだよ。
あなたのせいじゃないから。自分を責めないで。私はあなたの気持ちを
わかってるよ。もう誰もあなたを傷つけさせない。どうか自分を許してあげて・・」
等、イメージの中の”傷ついたあなた”が癒されて表情が変わった様に感じるまで
語りかけてみるのもいいでしょう。
※勿論「許せない気持ち」を持ち続ける事によって何とか生きておられる方も
いらっしゃると思います。(※凶悪な事件の被害者のお身内の方等)
そういった場合は「許せない気持ち」を手放してしまうと
生き甲斐がなくなってしまう可能性もあると思います。
ただ、「許せないけど、もう許していきたい」という葛藤で苦しんでおられる
のであれば、どうかお気軽にご連絡下さい。
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