コラム/2014-07-06
サブモダリィティー(無意識)が変わる瞬間~過食嘔吐での事例
先日、過食嘔吐に長年苦しんでおられる人が来談し、そこで興味深い事を体験
しました。
過食嘔吐に襲われてる人は、多くの場合子供時代の親への未完の想いや心の穴を
抱えているか、それは乗り越えたとしてもその時のパターンが無意識で維持されて
いる」という僕自身の枠組みがあります。
(※「枠組み」に関しては前回の記事をご参照下さい)
ところが、その人は「未完了の想いはない」、「ストレスもない」と
仰ったので、そこには触れませんでした。
そういった場合は僕の枠組みを変えてSFAの「例外」を探って拡大したり
MRIの対処フレームを探り、逆説的な介入のご提案をしたりします。
ところが、それもクライアントさんの「枠組み」にどうもしっくり来ない・・。
そこで「思考の枠組み」にアプローチすべく、禁止令のビリーフチェンジ
をさせて頂こうと思ったが、禁止令もそれ程強くない・・・。
少し困った僕は、兎に角クライアントさんのリソース(資質・能力)に的を絞って
ひたすら傾聴とコンプリメントを重ねました。
そうしているとクライアントさんの表情や言葉が明らかに変化したように
感じました。
最後に無意識の枠組み(記憶)をリフレームすべく、NLPのサブモダリティーチェンジ
を試みさせて頂きました。
(過食に襲われてる方には普段は余り使わないのですが(笑))
サブモダリティーとは「記憶されている五感の要素」とも言えるべきもので
例えば五感の中の「視覚」を例に採ると「視覚の要素」として色や大きさ、
明るさ、動画/静止画、主観/客観、位置、ぼんやり/はっきり等があります。
そして、この記憶されてるサブモダリティーによって、
「今・ここ」での体験から生じる思考や感情、行動が大きく変わって来ます。
例えば、不安症の予期不安の時に何かのイメージや思考が湧いて来たり、
過食衝動が起きる時に食べ物のイメージが浮かんでくる等の時には
記憶されたサブモダリティーに沿ったイメージが出て来て、それに反応した
思考→感情→行動をとってしまいます。
そこでサブモダリティー自体に変化を加えると、
反応(この場合は不安や過食衝動)自体も変わってくるというものです。
このクライアントさんにはまず、過食衝動が襲って来る時のサブモダリティー
を探って頂きました。
そうすると「あれっ?いつもは今食べたい食べ物がカラーの画像で
大きく頭に浮かんでくるのに、なぜか小さく白黒になってる!」と仰いました。
そして過食衝動は起こそうと思っても今は起きないそうです。
つまり、こちらから働きかけてサブモダリティーに変化を加える前に
勝手に変化していたのです。
思うに、クライアントさんのリソースをひたすらコンプリメントした結果として
サブモダリティーが自動的に変わったのだと考えるしかありません。
(この場合は思考の枠組みが変わった事で、無意識の枠組みが変わった訳です)
この体験を通じて改めて人間が持ってる力、一瞬で変化する心(脳)の回復力
の神秘さに気付かされました。
それを気づかせて頂いたクライアントさんとのご縁に深く感謝いたします。
(※注:どのクライアントさんも1回で症状消失する訳ではありません。
どの技法・アプローチが有効かはクライアントさんによって違います。
また、クライアントさんの目標が症状消失だけなら別ですが、
僕は症状消失はゴールではなく、一つの過程だと思っています)
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