コラム/2014-09-11
夫や子供の呼び方一つで家庭内の問題が減る?
夫の呼び方として
「ちょっと~」、「お父さん(パパ)~」、「あなた~」、「〇〇(君・さん)」等色々ありますよね?
一方子供の呼び方としても
「ちょっと(オイ)~」、「お兄ちゃん(チビ)~」、「あんた(お前)~」、
「〇〇(君・さん・ちゃん)~」等、色々あると思います。
そして、この「呼び方」一つが夫婦や親子間の”問題”や子供の”問題行動”
に影響するとしたら?・・・。
家族療法の考え方としては、
家族の中で生じてる問題(夫の問題や子供の問題も含めて)は
その人個人が問題ではなく、家族成員間のコミュニケーションの仕方が
問題を維持してしまうパターンになってると考えます。
ー例えば、
親が「勉強しなさい」と子供を叱る
→子供が反抗して勉強しない
→増々親が叱る→子は増々反抗して勉強しない・・・。
等という事はどこのご家庭でも起こり得る「パターン」ですよね?
そしてそれを解決する為には、どちらか一方(或いは双方の)の
コミュニケーションのパターンを変える事が有効です。
ここで言うコミュニケーションとは「言語」と
「非言語」(表情や仕草、姿勢、行動等)によるものです。
そして、今回の記事でスポットを当てている「呼び方」も
「言語によるコミュニケーション」の一部です。
以前、日本のブリーフセラピーの長谷川啓三先生やそのグループの方達が
「呼び方」の研究をなさっていて、確か所謂問題行動をする子供の多くは
人称代名詞を使った、ちゃんとした呼び方をされてないという統計を
出されてたと思います(※うろ覚えですみません(笑))
ここからは僕の推論ですが、
呼び方一つでお互いに「裏の意味」をやり取りしてると考えられます。
例えば、怖い顔で「おい!」と言うと、それだけで威圧的になり、
言われた側は「言う事を聞けよ!こっちの意見に従えよ!さもないと、許さない」
等といった意味を汲み取ってしまうかも知れません。
また例えば、子供に「〇〇ちゃん」という呼び方を使うと、
「いつまでも子供でいてよ(成長しちゃだめよ)」
「あなたは幼くて無力よ(私はあなたをコントロールできるのよ)」
等といったメッセージを知らず知らずに汲み取ってしまうかも知れません。
或いは「お兄ちゃん」という呼び方をすれば
「お兄ちゃんだからしっかりしなさい(甘えちゃダメよ)」、
「お兄ちゃんだから良い子でいなさい(逆らっちゃダメ)」等のメッセージ
を汲み取ってしまうかも知れません。
そして僕は呼び方一つでその相手(夫や子供)のアイデンティティーを
揺るがす事になるかも知れないとも思っています。
例えば、あなたが夫に「オイ」とか「ママ」と呼ばれ続けると
「雅子」というアイデンティティーや妻としてのアイデンティティーが危うくなる
のかも知れません。
勿論、それだけで全てが変わる訳でもないでしょうが、
特にアイデンティティー形成の大事な時期の子供は
呼び方一つでも大きく変わって来るのではないか?と思います。
では、どういう呼び方をすれば”正解”なのか?
ー僕は「正解はない」と思いますが、ただ一つ言える事は
「今の呼び方で夫婦間や親子間の問題、或いは子供の問題行動が維持されている
のであれば、試しに呼び方を変えてみるのも試す価値があるのでは?と思います。
ご興味を持たれた方は試してみられて、是非結果をご報告下さい(笑)
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