コラム/2014-12-09
毒親、毒母、AC~愛のボタンの掛け違い
最近は、うちのルームに来られる方の半数位が
所謂アダルトチルドレンとおぼしき方だと感じます。
アダルトチルドレンの方は、一言で言うと”子供時代の親(特に母親が多い)
との関係の中で「自分は無条件には愛されるはず(価値)がない」と
大人になってからも信じ込んでいる状態”と言えると思います。
例えば「他人を助け、甘えずに、他人を優先して完璧に頑張り続けて、
初めて私は愛される。そうでないと嫌われてしまう。見捨てられてしまう・・・」等
「〇〇し続けて初めて愛される、認められる、価値が出る」というのを基に、
必死でその”ルール”を守り、自分に鞭打って頑張り続ける訳です。
そうやって、子供時代に求めても得られなかった親(特に母親)からの愛情を
自分で作った”ルール”に従って大人になってからも必死になって
周囲の人(特に恋人や配偶者)に求め続ける・・・。
でも、その愛情を求めても得られないから苦しくなる。
しかも、その厳格な”ルール”を守り続ける事に疲れ果ててしまう。
言わば「ダブルパンチ」を喰らっちゃう訳です。
それでも尚それを求め続けてると、自分の傷や痛みがどんどん増えちゃうし、
それを諦めようとすれば、孤独感に苛まれてしまう・・・。
逃げ場がなくなる様に感じてしまう事が多いと思います。
ーやがてあなたは、ACの本やネットの記事やセミナーで
「私の生き辛さは”毒親”、”毒母”のせいだ」と気が付くかも知れない。
でも、相変わらず親への満たされない想いと怒りを抱えたまま、
それを何とかうっちゃって、結婚するかも知れない。
優しい旦那さんや子供に恵まれて、”心の傷”が癒されるかも知れない。
でも、もしかすると自分自身が我が子に対して自分の親と同じ様な接し方
をしてる事にふと気がつくかも知れない。
・・・「このままじゃ、私自身もお母さんと同じ”毒母”になっちゃうかも?」
と自分を責めてしまう。(これは、あくまでも一例です)
僕は”毒親”とか”毒母”という言葉は余り好きじゃない。
好きこのんで”毒になる親”になった人は一人もいないと思います。
どんな親でも子供に愛情を持たない親はいないと思う。
所が、親自身が(そのまた親に対する)満たされない想いを抱えていたり、
それを満たしてもらう為の自分で作った”ルール”に縛られていると、
自分が相手(旦那や子供)に求める愛情の方が強すぎて
逆に相手(旦那や子供)へ向ける愛情を上回ってしまう。
つまり、自分が相手に求める愛情>相手に与える愛情
或いは自分のルールに従った愛情表現≠子が求める愛情表現となってしまう。
そんな中でも親はあなたに、
その時できる精一杯の愛情を注いだのかも知れない。
でも、親は満たされない想いと”ルール”に縛られて一杯一杯だったから
あなたが求める程の愛情を与える余裕はなく、
結果としてあなたも満たされなかった・・・。
これが子供に愛情を表現できなかったり、虐待やネグレクトしてしまったり、
子供に依存したり取り込もうとしたり、支配する”毒親”の正体だと思います。
ー子供への愛情がない訳ではない。けど、自分が満たされていないから
「私を満たして!」という欲求の方が勝ってしまう。
或いは、自分が従って来た”ルール”に則った愛情が正しい!と思い込み
子供が求める愛情の形を無視してしまう。
その「満たされない愛への希求」や「ルール」が
結果として”毒”になってしまう。
そう考えれば”毒”も愛の変形だと思います。
ー結局「自分が思う形でもっと愛して欲しかっただけ」なんだよなあ・・・。
そうして、その”毒”の為にあなただけではなくあなたの親も、
もしかしたら祖父母も、ご先祖もあなたと同じ様に苦しんだのかも知れない。
丁度最初のボタンを一つ掛け違うと、その後のボタンをきっちり留めていっても
どうしようもない、というのと似てるかも知れません。
でも、あなたがその”毒”の正体に気が付いたのなら安心して下さい。
あなたの子や孫や子孫には”毒”が廻らない様にする事ができます。
あなたの満たされない想いを満たし、自分を苦しめていた”ルール”を書き換え
「お母さんも、本当は親にもっと愛して欲しかったんだな」と分かれば
あなたの一族を苦しめた”毒”を”愛”へと変えてゆく事ができるでしょう。
きっと、”毒”の為に代々苦しんだあなたのご先祖や子や孫たちも、
あなたがその”毒”を中和する事を願っていると思います。
※ACの”毒の中和”や世代間連鎖を食い止める、等の
心理療法をご希望の方は、お気軽にお問い合わせ下さい。
コメント